ここがおかしい 小林節が斬る!
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議員は人間の代表で山の代表ではない「1人1票の原則」は民主主義の本質だ
憲法上、国会の議員定数、選挙区、選挙人の資格は国会が法律で定めることになっている(43条2項、44条、47条)。国会の自律である。しかし、憲法は、大原則として「法の下の平等」を定めており(14条)、…
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もはや「政権交代」でしかこの国は救えない…政治の使命を怠った“自公政権”
9月25日の公明党大会に参席した岸田文雄首相は、「『国民の暮らしを守る』という23年前に自公政権が発足した際の思いをさらに強固にして、この国難をともに乗り越えていこう」と挨拶した。 政治は結…
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岸田首相が靖国神社に“真榊奉納”…憲法原則である「政教分離」を理解していない
靖国神社が明治維新以来、第2次大戦に至るまで、国に殉じた者を祀る神社であることは、歴史的事実である。各国でそれぞれ国に殉じた者を追悼する方法は異なり、それを他国が批判することは要らぬ話である。 …
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「葬式は静かに送る礼節を」という誤解 国葬=国の追悼式に反対なのだ
「安倍国葬」の是非の論争に憲法学者として、やむを得ず参加してきたが、最近、「他者の葬式くらい静かに見送るのが礼節ではないか」という批判に何回か遭遇した。 しかし、それは誤解か筋違いである。 …
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天皇の大喪と元首相の国葬は別格で当然だ「安倍国葬」には法的根拠がない
木原誠二官房副長官が、報道番組の中で、「憲法7条で『国事行為』と位置づけられている『天皇の大喪の礼』と『元首相の国葬』は同列ではない」旨の見解を開陳した。 これは当たり前な話である。まず、「…
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「国葬は行政権の内」ではない 岸田首相は三権分立を理解していない
国家は、主権者国民大衆の日々の幸福を維持・増進させるためのサービス機関である。 そこで、例えば飲酒運転事故、コロナ禍など大衆の幸福を脅かす事象に対して、まず国会(立法府)が、公開審議を経て有…
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世襲議員の率直な本音に疑問…民主制の否定・階級制に気づいていない
かつて世襲議員の妻で、今は世襲議員の母である女性が、議員の世襲について語った本音が報道された。それは、大要、次のものである。①子供が本当に国政の場で働くつもりでいるのなら、親を見て育っているのだから…
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松野官房長官の詭弁…国葬を内閣の「裁量」でできるはずがない
ついに岸田内閣の本音が出たというか、松野博一官房長官が、「国の儀式を内閣が行うことは行政権の『裁量』に含まれ、閣議決定を根拠に(国葬を)行うことは可能だ」と言い放った。 憲法上、まず、「行政…
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「安倍国葬」について岸田首相はいつ「丁寧な説明」をするのか?
岸田文雄首相は、8月6日、広島での記者会見で、安倍元首相を国葬で追悼する理由について、次のように語った。①異例の長期政権であったこと②選挙中の死であったこと③海外での評価が高く、たくさんの弔意が寄せ…
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「安倍国葬」は明らかに違憲! 憲法をないがしろにする自民党の政治手法
「安倍国葬」が違憲であることは否定しようがない。国葬とは国の意思と名と負担で行われる最も格が高い追悼式で、歴史的にもめったにあることではない。だから、国権の最高機関・国会が制定した法律上の根拠があって…
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閣議決定による「安倍国葬」法の支配と法治主義が崩されている
岸田文雄首相がまだ理解していないのであえて繰り返すが、憲法上、日本国の意思を決定する機関は、(改憲の場合を除いて)「国会」であり内閣ではない。内閣は、国会が決めた国家の意思を執行する機関である(73…
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旧統一教会と政治家の関係を「信教の自由と政教分離」の原則に照らして分析する
大日本帝国は、神道を事実上の国教にして第2次世界大戦に突入し、惨敗した。その反省の下に、日本国憲法に信教の自由と政教分離(20条、89条)が導入された。 信教の自由と政教分離は表裏一体で、キ…
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国会における審議・議決は不可欠だ 「国葬」の法的条件と政治的条件を考える
広辞苑によれば、「国葬」とは「『国』の儀式として行う葬儀」である。 ならば、「国権の最高機関」(憲法41条)である国会における議決とそれに先立つ審議は当然に不可欠である。 国葬を内閣…
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自民党は改憲案について正直に語るべきだ 嘘をついてもいずれ隠し切れない
改憲論議がいよいよ具体的に動き始める今だからこそ、一番の権限と責任のある自民党に対して改めて言っておきたいことがある。つまり、「改憲案について『正直に』語るべきだ」と。 自民党は、ホームペー…
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最大の課題は説得力のある「一つの改憲案」が提示できるのか
改憲に前向きな会派の国会議員が両院の3分の2以上に達し、少なくとも自民・維新・国民の3党が一致して提案すれば国民投票で過半数の承認を得られる可能性が出てきた。 しかし、次なるハードルがある。…
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「改憲」に必要なのは国会内の3分の2と国民投票の過半数
今回の参議院半数改選の結果、改憲に前向きな自民、公明(?)、維新、国民の4党が、改憲発議に必要な3分の2(166議席)を大きく超えて、177議席に達した。 これで、改憲論議は着実に前進するこ…
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岸田首相は堂々と語るべき「自衛隊違憲論争に終止符を」は不自然だ
18日、ネット番組の党首討論で、岸田文雄首相は、「自衛隊違憲論争に多くの国民が違和感を持っている。違憲論争に終止符を打つことは、自衛隊の安定性を考えても重要ではないか」と述べた。加えて、「自民党の改…
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「緊急事態条項」新設案の自己矛盾 “改憲”が目的化しているのではないか
「緊急事態条項」とは、戦争や大きな自然災害といった国家存亡の機に際して、権力分立と人権尊重を保障した憲法を一時停止して、首相に国家の全権を集中して効率的に国家の生き残りを図る、憲法の例外条項である。理…
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目指すべきは「ロシアにもウクライナにもならない」政策の確立だ
まさかのウクライナ戦争を目撃して、わが国でも安全保障論議が急に盛んになった。 その目指すべきは、わが国がロシア(侵略者)にもウクライナ(被侵略者)にもならない政策の確立である。 そし…
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再び盛り上がる平和外交論…「軍隊のない国は攻められない」はどこまで本当か?
ウクライナ事変をきっかけに熱気を帯びた国防強化論に対抗して、9条護憲派の平和外交論も再び盛んになってきた。 その中に、コスタリカのように「軍隊を持たない国は世界に二十数カ国あるが、それら軍隊…