国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース
今季の国内男子ツアーは、昨年より3試合少ない23試合と激減。1試合減で37試合の女子ツアー上位の様相は今年も変わらない。
その男子ツアーは今、崖っぷちに立たされている。シーズン全23試合というのは1973年のツアー制度施行後最少。驚いたのは、スポンサーはかわれど71年から半世紀を超える歴史の「マイナビABC選手権」が開催中止になったことだ。同大会は当初、日米対抗試合(個人・団体戦)として産声を上げ、尾崎将司、杉原輝雄、青木功、中嶋常幸らが米ツアーの大物プロらと渡り合い優勝した華やかな大会だった。88年からは試合形式は変わったものの高額賞金で人気も高く、97年の最終日に3万3187人ものギャラリーを集めたこともある。いわば、日本プロゴルフ界発展の一翼を担った大会だった。中止の理由は定かではないものの、スポンサーにとって大会開催のメリットが低下したということらしい。
日本の男子ツアーは近年、グローバル化の波に乗り遅れ、世界基準となる「世界ランキング」のポイントが下落した。そのため有望な若手らは海外進出にシフトしている。昨年は欧州ツアーで戦っていた久常涼は、今年から米ツアーに「昇格」。星野陸也、金谷拓実に加え、昨季賞金王の中島啓太も今季は欧州ツアーで世界ランクのアップを狙う。先週行われたアジアンツアー最終予選会では5人が出場権を得た。国内の試合数がさらに減れば、この流れは加速するばかりだろう。