ここがおかしい 小林節が斬る!
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「軍拡は戦争を招く」のか? 「平和外交こそが平和への道」か
ウクライナ情勢に触発されて、わが国で防衛力強化が声高に語られるようになったのは事実である。 それに対して、「軍拡は相手国の軍拡も招き、結局、軍事力が使われ戦争を招く」という伝統的な反論がまた…
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敵基地攻撃能力を考える(8)自衛隊の存在理由を直視し改めて専守防衛に徹するべきだ
安全保障論議に参加していて不思議に思うことのひとつは、いわゆる護憲派の人々が抱いている自衛隊に対する「敵意」のような感覚である。そこには自衛隊が戦争を起こすという前提がある。しかし、軍隊の統帥権が独…
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敵基地攻撃能力を考える(7)今、日本が採るべき道は専守防衛の質を高めることだ
ロシアのウクライナ侵攻に驚かされて、わが国で急に過激な国防議論が始まった。しかし、その実態は、事実の裏付けのない、憲法も国際法も無視した乱暴なものである。 しかし、現在の国際情勢の中で、ロシ…
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敵基地攻撃能力を考える(6)「核兵器保有論」の出現
ウクライナを支援するNATO加盟国の参戦を牽制するためにロシアが核兵器の使用に言及した現実に直面して、「わが国も核の抑止力を保有しろ」という主張が表に出てきた。単純と言えば単純、素直と言えば素直な反…
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敵基地攻撃能力を考える(5)防衛費をGDP2%へ増額への疑問
防衛費をGDP(国内総生産)の2%を目標に増やしていくという話も何かふざけている。GDPとは過去1年間に国内で行われた経済活動の総額である。これが防衛費の根拠として無関係であることは自明であろう。例…
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敵基地攻撃能力を考える(4)本質を語らない自民党、「専守防衛」政策から転換か?
かつて自民党が、海外に戦争に行けないはずのわが国が戦争に行けるように変える法律を強引に制定した際に、私たちはその法律の本質を端的に捉えて「戦争法」と呼んだ。それに対して、自民党はその法律を「平和安全…
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敵基地攻撃能力を考える(3)「座して死を待つ」わけにはいかないが…
この議論が始まると、みなまで聞かずに「憲法違反だ!」という大合唱が始まるせいか、論者は、公開で議論をしなくなるか、まず、無責任に「憲法の『専守防衛の原則』は守る」などと論拠も示さずに言い放ってしまう…
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敵基地攻撃能力を考える(2)すでに第3次世界大戦は始まっている
今回のウクライナ侵攻に際して、ロシアが核兵器の使用も辞さないと宣言したためか、世界の諸国は今回の戦争を第3次世界大戦に発展させないように、慎重に関わっている。 アメリカ、欧州を中心に日本も加…
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敵基地攻撃能力を考える(1)狂気に満ちたロシアの主張と行動は国民の国防意識を高めた
今年の2月24日、ロシア軍が国境を越えてウクライナに侵攻を始めた。文字通りの「侵略戦争」の開始である。 今回は、事前にアメリカが監視して正確に警告を発していたので、ウクライナが準備をできたた…
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「敵基地攻撃(反撃)能力保有」論の盲点 専守防衛能力の向上こそが急務
「敵基地攻撃(反撃)能力保有」論は、「ゴキブリは元から絶たなければいなくならない」という主張と同じで、この国を敵の攻撃から守るという観点からは、一見、筋が通っている。 第2次世界大戦に対する反…
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共産党・志位委員長の講演に思う「理想」を持つ自由と「現実」の責任
共産党の志位委員長が、「日本が侵略を受けたら自衛隊を活用する」と語ったことが、いまだに批判の対象になっている。 私は、7年ほど前であったと思うが、都内の公開講演会で同委員長の話を聞き納得でき…
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共産党・志位委員長の「自衛隊活用論」は党内で議論して整理すべきだ
共産党の志位和夫委員長が、「日本が侵略を受けたら自衛隊を活用する」旨を語って、論争になっている。 私自身は少なくとも7年前に公開の講演会で同旨の発言を聞き、それなりに納得できているが、なぜか…
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ロシアを勝たせてはならない 自由民主主義vs専制軍国主義の戦い
ウクライナへの侵攻当初のロシアの開戦理由の中心は「ウクライナ国内で迫害されているロシア系住民の解放」であったはずだ。 しかし、時の経過とともに、ロシアがしていることの実態が明らかになってきた…
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憲法9条でこの国は守れるのか? 専守防衛の質の向上こそが急務
ロシアのウクライナ侵略は、まだ始まったばかりの21世紀の最大の事件として歴史に記録されそうな雲行きである。 岸田首相をはじめとして、わが国の改憲派は、この機に乗じて国防力強化のための改憲論に…
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「独立主権国家」とは、領土・国民・政治を自主管理できる組織だ
法律学と政治学の基本単語の一つである「国家」の三要素は領土と国民と統治権だと言われている。 領土とは、歴史的根拠を持ってその国が排他的に管理している土地で、それに沿岸から12海里(約22キロ…
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ロシアのウクライナ侵攻は「憲法9条は無力だ」と証明したか?
ウクライナの悲劇に接して、日本国内で、憲法9条に関する発言が噴出した。右側からは、「だから、改憲して国防軍と敵基地攻撃能力をはっきり保持すべきである」という主張が出てきた。それに対して左側からは、「…
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「IR」と「カジノ」はどこが違うのか? IRは「カジノ賭博」を粉飾しているだけ
立憲の菅元首相が維新の馬場共同代表に、維新の公約である「カジノ」について質問に行ったら、「『カジノ』と言わずに『IR』と言え」と言われたとのことである。 私も、一昨年、横浜でカジノ反対運動に…
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国会のオンライン審議は当然に合憲だ 何の不自然も危険性もない
「国会の会議をオンラインで開催することが合憲か否か?」が問われており、「場合によっては改憲が必要か?」という議論にもなっているそうである。 あまりにバカバカしい話である。 憲法56条は…
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横浜市長選の悲惨な結末…「公約」軽視の立憲の本質に有権者は気づいている
横浜市長部局の財政課から、次年度の予算案が公開された。そこには、敬老パスの無料化、子供の医療の無料化、出産の無料化、中学校完全給食の実現……といった、現市長が昨年8月の市長選で公約にした「市民に優し…
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松下幸之助翁の憲法観に学ぶ 不毛な改憲論議はやめたらどうか?
「松下幸之助」と言えば海外でも名の知れた「経営の神様」である。松下翁は「小学校を中退」して奉公に出て、一代で松下電器産業を興し、PHP研究所と松下政経塾も創設した人物である。 私は、松下政経塾…