宗教で読み解く現代社会
-
「天皇と儒教思想」小島毅著
伝統ということばを辞書で引いてみると、「ある民族や社会・団体が長い歴史を通じて培い、伝えて来た」(「広辞苑」)ものとある。つまり、昔から続いてきたものが伝統だというわけだ。 ところが、伝統と…
-
「『神国』日本」藤弘夫著
2000年5月15日、当時の森喜朗首相は、神道政治連盟国会議員懇談会で、「日本の国、まさに天皇を中心としている神の国」と発言し、これが問題になった。これは、神道政治連盟に対するリップサービスであった…
-
「テンプル騎士団」佐藤賢一著
テンプル騎士団とは、十字軍の時代、12世紀初頭に誕生した騎士の集まりである。と同時にキリスト教の修道会でもあった。もっぱら戦うことを目的とする騎士団が同時に清貧を重んじる修道会だったという事実は、そ…
-
「法華経」植木雅俊著/日本放送協会編、NHK出版編
日本の仏教について学んでいくと、法華経というお経がとても重要なものだということが分かってくる。 聖徳太子が筆を執ったとされる法華経の注釈「法華義疏」は日本で最初の仏教の思想書である。平安時代…
-
「東大寺のなりたち」森本公誠著
著者は、2004年から07年まで奈良・東大寺の第218世別当、ならびに華厳宗管長を務めたことがあり、現在は東大寺長老である。ただ異色なのは、京都大学で学んだイスラム学者でもあることである。私は一度、…
-
「人生に信念はいらない」細川晋輔著
著者は臨済宗妙心寺派の僧侶、つまりは禅僧である。禅僧になるには、一定の期間僧堂で修行生活を送ることが定められている。著者は、本山である妙心寺の修行道場で9年間の修行生活を送った。本書では、その経験に…
-
「みんなちがって、みんなダメ」中田考著
著者の中田考は、今や日本でもっとも著名なイスラム研究者で、多くの著作を刊行している。日本のイスラム研究者のたいがいはイスラム教の信仰を持っていない。ここが、ほとんどが信仰を持つキリスト教の研究者との…