検察vs政界 経済事件記者の検証記
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【東京佐川急便事件】異聞(266)会合のあと寿司屋の階段でそっと肩を抱き耳元で囁くと…
小沢一郎と朝日新聞の「金丸事件」取材班の会合当時、高橋治則は、まだ検察のターゲットになっていなかった。しかし政官財界では「バブル紳士」として知る人ぞ知る存在だった。 93年のこのころは、メイ…
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【東京佐川急便事件】異聞(265)金丸が授受を認めたことに小沢一郎は「中曽根さんを見習え」と言った
元朝日新聞司法記者クラブキャップの松本正は、先の「鼎談」で、1993年4月の懇談で小沢一郎が以下のように語ったと話した(太字は引用)。 小沢さんはそこでもこの点(金丸事件)については多くを語…
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【東京佐川急便事件】異聞(264)小沢一郎と朝日新聞「金丸取材班」の懇談費用は社賞の100万円から
小沢一郎と朝日新聞「金丸事件取材班」の30年前の寿司屋での懇談。宴席が設けられた経緯については元朝日新聞司法記者クラブキャップの松本正が、前掲の「鼎談」で語っている(太字は引用)。 金丸5億…
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【東京佐川急便事件】異聞(263)金丸事件の後日談「恩讐」を超えて?
金丸信が5億円闇献金で罰金処分を受け1992年10月に議員辞職したのを機に自民党最大派閥の竹下派は、小沢一郎らのグループと非小沢グループに分裂。翌93年3月に金丸が脱税容疑で東京地検特捜部に摘発され…
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【東京佐川急便事件】異聞(262)乱脈指摘の調査活動費は7年間で8分の1に
検察の調査活動費の乱脈は、検察事務官が領収書の偽造などで裏金にし、幹部検事がそれを使う構図だった。検察幹部には、そのカラクリまでは知らなかったと弁明できる余地があった。故意の認識を必要とする虚偽公文…
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【東京佐川急便事件】異聞(261)大野恒太郎検事は調書朗読事件では責任を問われなかった
一方、東京地検特捜部副部長の佐渡賢一の部下で裏付けのない政治家実名調書の証拠請求にかかわった東京地検特捜部検事、大野恒太郎。 その件では責任を問われることはなく、金丸信の脱税事件捜査などを経…
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【東京佐川急便事件】異聞(260)仕事の失敗を仕事の成功で取り返した「検事ばか」の逆転劇
金丸信の5億円闇献金事件の捜査を指揮した特捜部副部長の佐渡賢一。検察が捜査批判を浴びた責任をとらされる形で閑職に左遷されたが、検事総長の吉永祐介の抜擢でリクルート事件の控訴審を担当。持ち前の緻密な捜…
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【東京佐川急便事件】異聞(259)「国会へ通じる地下トンネルを通った」との調書が「突破口」
東京高検特別公判部長の佐渡賢一は、東京地裁が元官房長官の藤波孝生に対し無罪を言い渡したのは、リクルート会長の江副浩正が藤波に省庁の青田買い防止などの請託をしたとされる1984年3月15日の9日後の2…
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【東京佐川急便事件】異聞(258)佐渡賢一は吉永祐介から緻密な仕事ぶりを買われていた
リクルート事件で受託収賄の罪で起訴された元官房長官の藤波孝生に対する東京地裁の無罪判決。面目を失った検事総長の吉永祐介は、特捜検事として藤波を取り調べた佐渡賢一を、控訴審の戦闘正面を担う東京高検特別…
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【東京佐川急便事件】異聞(257)金丸5億円事件の捜査を指揮した佐渡副部長の転落と復活
東京地検特捜部長の五十嵐紀男の下で金丸信の5億円闇献金事件の捜査を指揮した副部長の佐渡賢一は、金丸の取り調べ抜き上申書による罰金処理や政治家の実名調書朗読事件などで厳しい検察批判が起きた責任を問われ…
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【東京佐川急便事件】異聞(256)金丸を脱税事件で逮捕したら仙谷さん、びっくりするだろうな
元東京地検特捜部長の五十嵐紀男の話はつづく(太字部分は「法と経済のジャーナル」から引用)。 5億円配布事件は、「告発3万件」と報道されていたが、実態は告発内容その他全文を印刷したはがきに告発…
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【東京佐川急便事件】異聞(255)金丸事件の処分に不服の社会党議員団が来庁。特捜部長は身構えたが…
ここからは、金丸事件の捜査の舞台裏であった野党政治家と検察がかかわるエピソードを紹介する。 東京地検特捜部が1992年9月28日、5億円の闇献金を受け取った金丸信から政治資金規正法違反の容疑…
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【東京佐川急便事件】異聞(254)金丸脱税逮捕の4日前に宮沢首相は後藤田法相から捜査の報告を受けていた
ここで読者にお断りを申し上げなければならない。 前回取り上げた、東京地検特捜部長の五十嵐紀男が検察エリートだった金丸事件当時の財政担当副部長の「職務怠慢」的言動に憤慨し、退官する際、検察上層…
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【東京佐川急便事件】異聞(253)副部長は「金丸脱税」を「筋悪」と見立て捜査にも消極的だった
東京地検特捜部の財政担当副部長が金丸信らに対する不起訴裁定書への署名を拒んだ問題には続きがあった。 この副部長が裁定書への署名を断って間もなく、特捜部長の五十嵐紀男は、国税当局から金丸が無記…
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【東京佐川急便事件】異聞(252)あらためて不起訴処分を決めた特捜部にハプニング
特捜部は1992年1月29日、検審の不起訴不当議決を受けた再捜査の結果、金丸信、元秘書の生原正久と氏名不詳の旧竹下派代議士ら六十数人らの政治資金規正法の量的制限違反容疑について改めて嫌疑不十分で不起…
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【東京佐川急便事件】異聞(251)5億円使途事件で金丸側と竹下派議員ら60数人は全員不起訴
東京地検特捜部は1992年12月22日、金丸信と元秘書の生原正久が旧竹下派の現職代議士ら氏名不詳の六十数人に5億円闇献金を配ったとして政治資金規正法の量的制限違反(金丸側は超過寄付、配布を受けた側は…
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【東京佐川急便事件】異聞(250)聴取された議員の6割強が「会計責任者は名前だけ」
東京地検特捜部が作成した「経世会所属国会議員ら取調べ結果等一覧表」の「供述要旨等」を見てさらに驚いたことがあった。聴取を受けたとされる37人中23人、つまり6割以上の議員らが「指定団体(政治団体)の…
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【東京佐川急便事件】異聞(249)「時期が違う。政治家が“もらっていない”と言うのは当然」と金庫番秘書
東京佐川元社長の渡辺広康からの5億円闇献金を、金丸信の指示で竹下派の議員らに配ったと特捜部に供述した金丸の金庫番秘書の生原正久。2012年、筆者の取材に次のように語った(太字は「法と経済のジャーナル…
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【東京佐川急便事件】異聞(248)聴取したとする竹下派の政治家37人全員が金丸からの寄付を否定
東京地検特捜部は、金丸信の金庫番秘書の生原正久の供述などから、金丸が東京佐川元社長の渡辺広康からの5億円闇献金を竹下派所属議員らに配布したのは、金丸が渡辺から現金を受け取った1990年の1月中旬から…
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【東京佐川急便事件】異聞(247)現立憲民主党幹事長の岡田克也、元首相の鳩山由紀夫らも聴取
金丸信の5億円闇献金の使途解明捜査で東京地検特捜部が取り調べ対象にしたのは、1990年2月18日の総選挙に竹下派から立候補した85人のうちの37人だった。 東京地検特捜部検事の大野恒太郎が作…