今、こんな「昭和の街」が大ブーム
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四ツ木「大衆割烹 ゑびす」で脂の乗った、てんこ盛りのしめ鯖に感激
荒川の川面からの熱風を受け、八広から四ツ木橋を渡る。綾瀬川沿いを歩きながら中央環状線の巨大な高架を見上げると、その威容に恐怖すら覚えてしまう。 そして何千台という車が走っているその高架下には…
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立石「もつ焼き宇ち多゛」で聞こえる呪文のような「ハツ若焼きを味噌」「カシラ素焼きで酢」「アブラ少ないとこタレ」
10代の頃、なぎら健壱っていう変なフォークシンガーがいるってことはフォーク好きの同級生から聞いて知っていた。 が、当時は全く興味がなく、アタシにとっては映画「嗚呼!!花の応援団」に出てくる怪…
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人形町「喫茶去快生軒」赤いソファーに木のテーブルで蘇る高校時代の思い出
腹もできて英気を養ったアタシは、せっかくだから人形町を少し歩くことにした。 熱中症には気を付けなければと思いながらも、ゴルフのときはへっちゃらで棒切れを振り回す還暦男。甘酒横丁の路地裏を徘徊…
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人形町の老舗洋食店「来福亭」のメンチ付きオムライスと冷えたビールで整う
ディープな街のディープな店を巡っていると、気持ちが高ぶっているのでそのときは感じないが、帰宅したときに意外と消耗していることに気付く。 それは若い頃、東南アジアや西アフリカの辺境を何週間も旅…
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立石「倉井ストアー」売る総菜を店内で安く食べるスタイルに世界中から若者がやってくる
アタシが今歩いているこの界隈について書かれたある作家のエッセーに、地元の人の言葉が載っていた。 それは「ここは下町じゃなくて場末だよ」。場末とは、中心から少し離れた裏通りとでもいうべき場所。…
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青砥「もつ焼き 小江戸」は夕方5時前からカップル、地元の先輩、ママ友たちで大賑わい
新小岩で準備体操してから小岩に乗り込もうと思ったら、あえなく新小岩でチンボツ。小岩に出直したはいいが、残念ながらお目当ての店は春先に店じまい。隣の仕出屋のオヤジさんが「こないだ店閉めちゃったんだよ。…
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新小岩「大衆酒場 かど鈴」牛のハチノスを使った煮込みはトリッパのシチュー以上のコク
「ディープ」という言葉を意識したのはアメリカをひとり、バスで一周した若かりし頃だ。 そのときアタシが選んだルートはLAから南下し、ジョージア、ルイジアナを通るルート。理由は他でもない映画「イー…
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両国「下総屋食堂」93歳の2代目女将が語る戦争の思い出
アタシが幼い頃、興行の世界の人たちとつながりのあった父親がプロレスやボクシングのチケットをよくもらってきた。 それに付き合うのはアタシの役目。その頃、よく行っていたのが両国にあった日大講堂。…
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北千住「もつ焼き つみき」で女子3人がグレープフルーツサワーを飲む姿にホッ
最近の北千住は老舗を凌駕するほど新しい店も増えている。 が、ご承知の通り、このエリアは都内有数の酒場激戦区である。よほどの実力を備えていないと痛い目に遭う。今回訪ねた「もつ焼き つみき」は北…
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湯島「岩手屋」でホヤをつまみに喜寿超えのマダム2人と日本酒談議
盛岡でひとつやり残したことがあった。 それは名物のホヤを食わなかったこと。東京でホヤを食わせる店は少ない。ヘタすると、とんでもなくまずいものに出くわしかねない。さて、どうしたものかと悩んでい…
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大阪・難波「豚足のかどや」では若い男女やパワフルなおっさんがトロリとした豚足にかぶり付いている
実はアタシの豚足デビューは意外と遅い。 西荻窪のアパートに住んでいた大学の同級生から、近所に豚足を食わせる台湾料理店があるので飲みに来い、と誘われたのだ。 西荻窪駅裏のカウンターだけ…
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三宮「森井本店」の神戸牛のスジを使ったどて焼きはまるで霜降り牛の煮込み
元NBAのスーパースター、故コービー・ブライアントの名前は、父親が神戸牛を食べて感動したので「KOBE」と名付けたという有名な話がある。これをアメリカ流に発音すると「コービー」となるわけだ。そんな世…
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立花隆の好物だった小石川「遠州屋」の牛モツ煮込みには、上質な甘みとコクがある
いまだに東京23区中で一番の背の高い文京区役所。その中に文京シビック大ホールがある。公共ホールとしては有数の規模と設備を誇るもの。文京区の民度の高さを感じる、って言い過ぎかな。 そこで仕事を…
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盛岡「どん兵衛」のたたずまい、料理、酒、人情…NYタイムズのチョイスに納得
仕事で全国を巡っていると、気が付くことがある。それはテレビに取り上げられた商店街は、1年もすると様相がだいぶ変わる、ということだ。 個人商店が減り、どこにでもある大手の店ばかりが幅を利かせ始…
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北新地のクラブ街の端にたたずむ「天平」の絶品一口餃子…どの客も数十個単位でペロリ
あれは1990年。まだ若くて真面目な会社員だったころのことだ。 バブルが崩壊。営業だったアタシはそれまで電話一本で済んだ仕事が10倍の労力をかけても決まらなくなった。 そんなときに大…
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大阪・福島「花くじら」には若い人たちがずらり「梅田の方は高い店ばかりでよう行かん」
1970年の大阪万博で唯一記憶に残っているのは太陽の塔と月の石。半世紀以上前、昭和は東京オリンピックから大阪万博と連打して高度成長時代に突入した。さて、同じように連打したものの、どんな未来が待ってい…
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北千住「千住の氷見」で“係”のお姐さんを味方につけて…安心感の中、大箱酒場の醍醐味と幸福感を味わう
大箱の老舗大衆酒場にはベテランのヤリ手お姐さんが多い。 常連客の顔を見ただけで何を注文するかすでに分かっていて、席に着くと同時に「ホッピー、黒よね」みたいな。たまには瓶ビールでもと思っていて…
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「ささや北千住」3種類のモツを串に刺した煮込みとホッピーに大満足
誤解を恐れずに言うと、職人や肉体労働者が多い街ほど素晴らしい大衆酒場がある。 これは大衆食堂にもいえること。そもそも大衆と冠が付いていることからして、一般庶民のための店であることの証左であろ…
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長野市「信州長屋酒場」では外国人グループやカップルまで陽気にお銚子を並べている
3月とはいえ、まだまだ寒い長野の早朝。雪山から吹き降ろす風の冷たさは、東京に暮らすアタシの骨身にしみる。 が、せっかくの長野、善光寺にお参りに行かないわけにはいかない。前回はコロナ禍の終盤。…
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富山の名店「とんぺい」で熱々のフライに冷え冷えのハイボール…サイコ~過ぎる
1年ぶりの富山。前回は北陸新幹線の話題でテレビなどが派手に特集していた頃だ。 そのときの心残りがひとつ。名店「とんぺい」に行くことができなかったことだ。昨年は松川沿いの桜が満開だったが、今回…