前田吟「男はつらいよ」を語る
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(58)尊敬する先輩、財津一郎は「いい映画に出られてよかったね」と言ってくれた
──不動のレギュラーとして寅さんに出演し続ける前田吟を周囲はどんなふうに見ていたのか。実は本人にも不安や葛藤があった。 財津一郎さんは第2作の「続 男はつらいよ」に患者、4作「新 男はつらい…
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(57)心配だった樋口可南子のマドンナが意外にもよかった
──シリーズが始まってからのマドンナが大女優揃いなら、後半にかけては個性派揃いだった。35作「寅次郎恋愛塾」の樋口可南子、39作「寅次郎物語」の秋吉久美子、42作「ぼくの伯父さん」から50作「お帰り…
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(56)「困ったあ」が名セリフに 笠智衆は面白いおじいちゃん
──寅さんのレギュラーとして欠かせないのは題経寺の住職、御前さまを演じた笠智衆と寺男の佐藤蛾次郎の2人。笠智衆は小津安二郎監督に見いだされ、「東京物語」「秋刀魚の味」などで主役を演じた名優。寅さんに…
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(55)吉岡秀隆が達者な役者に育ったのは山田洋次監督の功績が大きい
寅さんシリーズの後半はさくらと博の息子、満男と寅さんの恋バナが並行して進む。満男役として登場したのはシリーズ50作で4人。 満男が最初に登場するのは第1作「男はつらいよ」のラスト。さくらとお…
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(54)茶の間のシーンに隠された寅さんの面白さ
──寅さんで描いているのは寅さんの失恋話とどこにでもある些細な家族のもめごとに過ぎない。それなのに、第1作から55年以上たってもファンが増え続けるのはその会話と出演者の描き方によるところが大きい。前…
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(53)タコ社長こと太宰久雄さんは、寅さんファミリーでは一番の怒られ役だった
──下條正巳演じるおいちゃんに「親戚付き合いしている」といわれる裏の印刷工場(朝日印刷)のタコ社長、太宰久雄は「男はつらいよ」では欠かせない存在だ。シリーズ50作のうち渥美清の遺作となった48作「寅…
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(52)おばちゃんの三崎千恵子は食べ物が気になって台本をよく忘れてきた
──渥美清の生前、「男はつらいよ」の第1作から48作「寅次郎紅の花」まで家族として出演したのは倍賞千恵子、前田吟とおばちゃん役の三崎千恵子の3人。不動のレギュラーだったおばちゃんはユニークな存在だっ…
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(51)おいちゃん役の下條正巳は柴又のだんご屋のご主人そっくり
──「男はつらいよ」の中で絶妙なアクセントになっているのは、車竜造のおいちゃんとつねのおばちゃん夫婦。おいちゃんは14作「寅次郎子守唄」から、13作までの松村達雄に代わって48作「寅次郎紅の花」まで…
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(50)寅さん、さくら、博の3人で食事する“奇跡のスリーショット”は実現しなかった
──渥美清は「男はつらいよ」の共演者や撮影スタッフと食事することも少なかったが、たった一人の妹のさくら、倍賞千恵子とその夫の博、前田吟と3人で食事するチャンスがあった……。 ある時、渥美さん…
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(49)渥美清の意外な素顔…監督、出演者、スタッフを慰労することを決して忘れなかった
──国民的映画として安定した人気を維持し、シリーズ化が続く「男はつらいよ」。27作「浪花の恋の寅次郎」で満男役が中村はやとから吉岡秀隆に交代し、寅さんファミリーは1995年公開の48作「寅次郎紅の花…
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(48)マドンナで渥美清が好きだったのは竹下景子が演じた「朋子」と「りん子」
──寅さんとマドンナが結婚する寸前までいく相手は何人かいる。その筆頭は誰もがリリーで異存はないだろう。では、次は誰か。寅さんファンで50作「お帰り 寅さん」にも出演した立川志らくはこう考える。著書「…
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(47)寅さんのアットホームな雰囲気の中で、ジュリーと田中裕子は急接近した
──「男はつらいよ」にはミュージシャンが何人も出演しているが、共演者と結婚したビッグカップルが2組いる。30作「花も嵐も寅次郎」(1982年)の沢田研二と田中裕子、37作「幸福の青い鳥」(86年)の…
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(46)寅さんの中でも桃井かおり、岸本加世子、美保純は奔放で目立った
──「男はつらいよ」のキャスティングは落語から時にはアングラ劇にも足を運んで見て回った渥美清の意向が反映されたと前田吟は思っている。その一方で山田洋次監督自身が好んだキャストもあるという。自由奔放で…
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(45)大原麗子ちゃんは僕と梶芽衣子さんをくっつけようとした
──シリーズ50作の中で2度マドンナとして登場するのはすでに取り上げた栗原小巻、吉永小百合に加えて大原麗子、松坂慶子の4人。 ──大原は22作「噂の寅次郎」(1978年)、34作「寅次郎真実…
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(44)早い段階からマドンナ役に「美空ひばり待望論」があった
──「男はつらいよ」には人気歌手が次から次に出演している。沢田研二、長渕剛はテーマを変えて改めて取り上げるとして、それ以外の歌手の登場をまとめて語る。マドンナとして美空ひばり待望論もあったという。 …
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(43)始まりは桜田淳子…「男はつらいよ」への歌手起用は渥美清の意向もあった
──「男はつらいよ」には10作台の後半から人気絶頂の歌手が折々に出演するようになる。16作「葛飾立志篇」の桜田淳子に始まり、20作「寅次郎頑張れ!」の中村雅俊、21作「寅次郎わが道をゆく」は木の実ナ…
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(42)京マチ子さんは80代でも震い付きたくなるような妖艶さでした。
──太地喜和子がマドンナの17作「寅次郎夕焼け小焼け」の後は18作「寅次郎純情詩集」、19作「寅次郎と殿様」、20作「寅次郎頑張れ!」と続く。マドンナは京マチ子、真野響子、藤村志保。 「寅次郎…
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(41)太地喜和子がマドンナの第17作「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」撮影秘話
──2度の吉永小百合、浅丘ルリ子の出演を経て映画「男はつらいよ」は安定した人気を誇った。マドンナを中心に一気に寅さんを語る。 リリーを演じた浅丘ルリ子さん2度目の出演となった15作「寅次郎相…
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(40)渥美清は橋田壽賀子ドラマ出演について「長いセリフを頑張ってるね」と
──「男はつらいよ」は1972年お盆公開の9作「柴又慕情」から85年暮れ公開の36作「柴又より愛をこめて」まで14年間、盆と暮れの年2本公開が続いた。前田吟は寅さんが好調な一方で、役者として新たな挑…
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(39)おいちゃん役の松村達雄さんは、ガラッパチの演技ができないと悩んでいた
「男はつらいよ」はマドンナ役として浅丘ルリ子の登場などで人気シリーズとして定着したが、寅さん映画を支えるファミリーに変化があった。8作で初代おいちゃん役の森川信が亡くなり、2代目として松村達雄が登場し…