教えて放射線治療 ドクター黒﨑に聞く
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「オリゴ転移」に遭遇し、臨床で迷うケースとは?
前回お話ししたように、転移があっても少数の転移を「オリゴ転移」といい、放射線治療で長生きできることが証明されています。今回はそのオリゴ転移をめぐり臨床で困るケースを紹介します。 残念ながら抗…
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放射線治療の実例…高齢でも「オリゴ転移」なら長期生存も
前回、少数の転移である「オリゴ転移」についてお話ししました。今回は実際の体験をお話しします。患者さんは89歳のときにPET検査などで左肺上の肺がんと肝臓の転移と診断されました。実際には高齢なので気管…
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がんの「オリゴ転移」では放射線治療を“最期の手段”にしない
前回は局所療法としての「手術」と「放射線治療」を比較しましたが、かつては遠隔転移が出た場合の局所療法は意味がないと考えられてきました。遠隔転移とは血行性転移ともいわれ、血流に乗ってがん細胞がほかの臓…
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膵臓がん治療における「手術」と「放射線治療」の選択
前回、残念ながらみなさんが期待するほど膵臓がんに有効な化学療法が存在しない、とお話ししました。では、実際に膵臓がんになって、手術と放射線治療のどちらかを選ぶよう、医師に言われた場合にはどうすればよい…
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膵臓がんはかつての予測よりもはるかに多く発症している
全国統計によると、膵臓がんは現在死因第4位(女性では3位)、年間4万人弱が亡くなっています。一方、発症者は4.5万人弱なのでいかに、難治性なのかがわかります。 ちなみに、公益財団法人がん研究…
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膵臓がん患者の「出血」を止めるための放射線治療
一般的に膵臓がんは治すのが難しいがんと言われています。なぜでしょう? ひとつは症状が出にくく、早期に見つかるものが少ないからということがあります。 また、膵臓の周りには血管やリンパ管が豊富で…
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膵臓と肺のがん患者に多い質問「なぜ、手術はダメで放射線治療ならいいの?」
初診の患者さんからしばしば受ける質問のひとつに、「『動脈に接しているので手術できません。放射線治療科に行ってください』と言われました。どういうことですか?」があります。質問される患者さんの多くは、膵…
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放射線治療の「治療線量」はどのようにして決まるのか?
近年は患者さん用のガイドラインが書店で売られるようになり、簡単に医療情報が手に入るようになっています。英語が得意な人は「PubMed」と呼ばれる論文検索エンジンを使えば、インターネットを介して世界中…
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がん治療計画とはどのようにして作られるのか…キャンサーボードで検討
前回、肺がんを疑われるケースでのスタンダードな診察の流れを説明しました。呼吸器内科あるいは呼吸器外科を受診し、気管支鏡による生検でがんを確定させたうえで、CTなどで病期診断を行うというものです。 …
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肺がんの患者はどんな検査を行うのか? 生検と病期診断を実施
今回から放射線科医師が医療現場で具体的にどのような仕事をしているのかを紹介しましょう。 放射線治療を受けられる患者さんは最初から放射線治療科を受診するわけではありません。大体は院内のほかの診…
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黒子的な存在だが… 放射線科医師の医師の世界でのポジション
前回もお話ししましたが、医療現場では放射線などを用いた画像診断や治療は欠かせません。そのため欧米では、放射線科医師のことを「ドクターオブドクターズ」と呼びます。 日本では「麻放病」という言葉…
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放射線機器がありながら日本はなぜ放射線科医師が少ないのか
いまや放射線などを用いた画像診断は医療に欠かすことのできない存在です。実際、日本のCT(コンピューター断層撮影)の数は世界一です。公表されている「OECD保健統計データ」によると、2020年での日本…
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放射線科の医師って何をする人なのか…技師との違いは?
はじめまして。江戸川病院(東京都江戸川区)放射線科部長の黒﨑弘正です。 みなさんのなかには、放射線科の医師というと、2019、21年に放映された人気テレビドラマ「ラジエーションハウス」を思い…