「面白くて眠れなくなる物理」左巻健男著
身近な話題から物理の基礎と基本を解説するサイエンスエッセー。
例えば、北極から南極に抜けるよう地球を貫通する穴をあけ、ボールを落としたらどうなるか。摩擦や抵抗力を考慮しなくていいように、穴の中は真空とする。答えは、北極から落とされたボールは重力を受け加速。地球の中心を通り過ぎると、今度は減速を始め、ついには南極で速度ゼロになる。そこから北極へと戻り始め、往復運動を繰り返すという。この原理を利用して真空チューブ列車をつくれば、理論上はマッハ5~6の速さで輸送が可能になるという。
その他「象とハイヒールに踏まれるのはどちらが痛いか」など。食わず嫌いだった物理の面白さに目覚めるお薦め本。(PHP研究所 620円+税)