文庫あらかると
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「真田十勇士(三)」柴田錬三郎著
時代エンターテインメントの巨匠が、1970年代に発表した時代伝奇ロマンシリーズ完結編。 高野山のふもと、九度山の真田館は、表向きは平穏な日々が続いているように見えた。だが、幸村は家康との決戦…
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「ハイブリッド外交官の仕事術」宮家邦彦著
元外交官の著者は、複雑な国際情勢においては「本筋」を一瞬で見極めることが大事だという。それはビジネスでも同様で、「本筋」を一瞬で見極めるためには「大局観」を養うことだと説く。本書は、外交官として働い…
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「母恋わんたん 南蛮おたね夢料理(三)」倉阪鬼一郎著
安政4(1857)年のある朝、芝・伊皿子坂の料理屋「夢屋」の女将・おたねは、料理人のおりきらと魚の仕入れに浜まで出かける。浜では漁師らが捨て子を囲んで困り果てていた。おたねは、「ぶんぞう」というその…
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「謎解きゴッホ 見方の極意 魂のタッチ」西岡文彦著
孤高の天才画家ゴッホの人生とその作品を読み解く鑑賞ガイド。 37歳で拳銃自殺するまでのわずか10年に2000点以上もの作品を描いたゴッホだが、生前に売れた作品は1点しかない。治療をしてくれた…
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「世界一周飲み歩き」イシコ著
コップ一杯のビールで赤くなるという旅人による、世界を股に掛けた飲み歩きエッセー。 ラオスとの国境にあるタイ東北部の町「ムクダハン」では、誘われるまま高校で生徒たちの踊りを観賞することに。貴賓…
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「参勤交代の真相」安藤優一郎著
参勤交代をテーマにした歴史読み物テキスト。 参勤交代は、江戸幕府の誕生とともに始まり、3代将軍家光の代に制度として確立した。将軍が家臣たちをお膝元に強制的に住まわせることは、古来見られたが、…
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「鷹の爪 おっとり聖四郎事件控(五)」井川香四郎著
普段は出張料理が専門の包丁人の聖四郎は、訳あって、仙台堀沿いの料亭「歳松」の花板を務める。急逝した先代の米八から、息子の駒吉を一人前の料理人にしてくれと頼まれたのだ。しかし、駒吉は修業に身が入らず、…
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「蓬莱」今野敏著
夜、バーで酒を飲んでいた渡瀬は、現れたヤクザ風の2人組に連れ出される。駐車場で暴行された渡瀬は、車の中に待機していた男から、渡瀬が経営するゲームソフト会社の新作ゲーム「蓬莱」の発売を中止するよう脅さ…
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「旅芸人のいた風景」沖浦和光著
日本の文化の基層をなし、民俗を豊かにしてきた「遊芸民」をテーマにした民衆文化論。 近世、民衆社会に溶け込んでいた遊行者や遊芸民の多くは、家内安全・五穀豊穣・商売繁盛の予祝祈願、災いを除去する…
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「アメリカ歴代大統領の通信簿」八幡和郎著
歴代大統領の功績を通信簿化して、米民主主義の歴史と未来を俯瞰する解説書。 最高評価は、ワシントン(初代)、ポーク(11代)、リンカーン(16代)、セオドア(26代)とフランクリン(32代)の…
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「風の殺意・おわら風の盆」西村京太郎著
カメラマンの田村の恋人・小野寺ユキが失踪。行方を捜してユキの部屋を訪ねた田村は、彼女が管理人には木村美雪と名乗っていたことを知る。部屋に残された手がかりは、富山県八尾町の「おわら風の盆」で踊る彼女の…
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「老前整理」坂岡洋子著
片付けには気力、体力、判断力が不可欠。年を取れば取るほど、捨てる決断がしにくくなると、「老前整理」を提唱する著者による生き方指南書。 これまでの整理術は、モノの片付け・収納に主眼が置かれてい…
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「娘の結婚」小路幸也著
52歳の國枝は、男手ひとつで育てた娘の実希から会ってほしい人がいると告げられ動揺する。恋人がいることは気づいていたが、その相手が、娘が9歳まで暮らしたマンションの隣室に住んでいた幼馴染みの真だと知り…
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「翳りの城」三吉眞一郎著
元亀3(1572)年、武田信玄は、大軍を率いて上洛を開始。主力部隊の側面、東遠州方面攻略を命じられた剣崎弦馬が兵を率いて進軍中、天明山山麓に奇妙な城を見つける。家康が急ごしらえした出城と思われた。城…
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「拾った女」チャールズ・ウィルフォード著 浜野アキオ訳
酒に溺れる日々を送っていたハリーが店員として働くカフェに、閉店間際、酔った美女が入ってくる。コーヒーを飲み終えた女は、ハンドバッグをなくし、文無しだと言い出す。仕事を終えたハリーは、ヘレンと名乗る女…
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「日本地図のたのしみ」今尾恵介著
地図の楽しみ方を教えてくれる地図鑑賞ガイド。 地図は「現地のありのまま」と思われがちだが、実は企画者が「何らかの意図」を表現した著作物。客観的と思われている国発行の地形図も、日本では当たり前…
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「夫婦で行く 意外とおいしいイギリス」清水義範著
旅の始まりはスコットランドのエディンバラ。イギリスの料理はまずいとよくいわれるが、確かに5つ星ホテルの朝食に出たスクランブルエッグも、「スクランブルエッグのもと」の粉で作られており、まずかった。おし…
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「金曜日の本屋さん」名取佐和子著
大学生の倉井は、「読みたい本が見つかる本屋」とネットで噂の「金曜堂」を訪ねる。北関東のとある駅の中にあるその店は、小さくて、とても探している本があるとは思えない。倉井が探していたのは、高校生のときに…
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「銃とチョコレート」乙一著
父亡き後、11歳のリンツと母の暮らしは苦しくなる一方だった。そんなある夜、リンツが生前の父に市場で買ってもらった聖書の革表紙が破れ、1枚の紙が出てくる。紙には地図と、その中に円で囲んだ男性の横顔が描…
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「ものの見方、考え方発信型思考力を養う」外山滋比古著
ベストセラー「思考の整理学」の著者によるエッセー集。「国際的」とはどういうことか。「国際的」という言葉がよく用いられるようになったのは、人間の生活が国と国との関係に重点を置いた次元で考えられることが…