「教養としてのイギリス 貴族入門」君塚直隆著
「教養としてのイギリス 貴族入門」君塚直隆著
人気ドラマ「ダウントン・アビー」で描かれたような本物のイギリス貴族は、現在も存在するという。そのひとつウェストミンスター公爵家がイングランドに構える屋敷イートン・ホールの敷地面積は約44平方キロメートル、東京都江東区よりも大きく、現当主である7代目の資産は日本円で1.8兆円だそうだ。
とはいえ、同家のような莫大な財力を備えた貴族は、いまや少数派で、爵位を持つ大半の家は大戦やその前後に施行された高い相続税率によって没落してしまったという。それでも、イギリスには世界唯一の「貴族院」という議院が残り、貴族が及ぼす影響力は社会の多様な分野に及ぶ。
本書は、21世紀まで生き残るイギリス貴族の成り立ちと歴史をたどりつつ、そのリアルな姿に迫るテキスト。
(新潮社 858円)