映画監督・塚本晋也さん リアリティー追求し本物の武士に
池松壮亮主演、蒼井優がヒロインを演じて話題の時代劇「斬、」が公開中だ。メガホンを取った塚本晋也監督(58)のとっておきの一枚がこれ!
◇ ◇ ◇
この写真、撮ったのは去年の4月。杉並区にある北辰一刀流玄武館の道場です。「斬、」のクランクインを前に武士の立ち居振る舞い、剣さばきを学ぶため1カ月ほど通っていた時の記念です。
自分の作品においては自ら製作・監督・脚本・撮影・編集・出演を兼ねるスタイルでやってきました。脚本作りもそうですし、監督の自分が出演する以上、常に、よりリアリティーのある作品にするよう心がけています。舞台となる時代背景や人物像を調べるとともに役作りも大切な仕事なわけです。
例えば2015年公開の戦争映画「野火」。人肉を食い合うような、飢餓状態の太平洋戦争の日本兵が主人公で、舞台となったのはフィリピン・レイテ島です。孤立無援、食料もまったくなくなった状況下で戦うとはどういうことか? それを知るため、元日本兵の生き残りの方々にインタビュー取材して、当時の状況や心理状態を作品作りに反映させました。