「ミス・ジコチョー」松雪泰子は“失敗”を振り返らない?
「ジコチョー」は、失敗を繰り返さないためにはどうすべきかがテーマ。天ノが事件の真相に近づいていくその瞬間に発せられるセリフが、冒頭に書いた「私、失敗しちゃった」というわけだ。ドラマの佳境あたりで毎回同じセリフが発せられるのも「ドクターX」をほうふつさせる。
「『私、失敗しちゃった』が決めゼリフになると聞いたときには、ずいぶん思い切ったことをするものだなと。誰が聞いても『ドクターX』を思い出しますからね。ネット上で〈パクリじゃん〉なんて言われかねない。そんな“難役”を恐れずに演じるとは、さすがは松雪さんですね」と、ドラマウオッチャーで芸能ライターの山下真夏氏は、こう続ける。
「母親役が板についたイメージがありますが、松雪さんは実は結構アグレッシブにいろんな役柄に挑戦する女優さんです。『白鳥麗子でございます!』の白鳥麗子役や、日本アカデミー賞の優秀助演女優賞を受賞した映画『デトロイト・メタル・シティ』の音楽事務所の女社長など、ぶっ飛んだエキセントリックなキャラもお手のもの。『ジコチョー』の天ノも、浮世離れした不思議な魅力のある人ですから、松雪さんにぴったりです」