東出&唐田共演「寝ても覚めても」は大人が楽しむ不条理劇

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寝ても覚めても(2018年 濱口竜介監督)

 不倫騒動の東出昌大唐田えりかが出会った作品。力作なのでこの機会に紹介しようと思い、BDのメーカーにジャケ写を貸してほしいと電話したら、「昨日から貸し出し中止」とのこと。

 大阪に住む朝子(唐田)は写真展でDJの麦(ばく=東出)と出会い、心を引かれる。周囲の心配をよそに朝子は麦と恋に落ちるが、ある日、麦は行方不明になる。

 2年後、朝子は東京のカフェに勤務。コーヒーを届けた会社で麦とうり二つの亮平(東出の2役)と出会い、衝撃を受ける。亮平は朝子に好意を抱くが、朝子は心を開けない。そんな折、大震災で歩いて帰宅する亮平と再会し、路上で抱き合う。2人は同居を始め、やがて朝子は麦の消息を知る。彼は芸能界の売れっ子になっていた……。

 2人の男の間で女心が千々に乱れる物語。失踪、生き写し、芸能スターと話が出来過ぎなのはご愛嬌だ。

 ネタバレになるが、朝子は芸能人の麦と決別しようとする。だが、目の前に麦が現れるや手を握って駆けだす。この場面とラストショットは「卒業」(1967年、D・ホフマン主演)へのオマージュだろう。川を見つめるエンディングが心に残る。

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