「恐怖のメロディ」じわじわ迫るストーカー女の“狂人化”
1971年 クリント・イーストウッド監督
クリント・イーストウッド(88)が65歳下の女性と交際中と報じられた。女性はミック・ジャガーの元カノだとか。“イーストウッドと女”で思い出したのが本作。彼の初監督作品だ。
ラジオのDJを務めるデイブ(イーストウッド)は恋人のトビーに去られて傷心の日々。行きつけのバーでイブリン(ジェシカ・ウォルター)と知り合い、彼女が自分のファンだと聞いてベッドを共にする。一夜限りのつもりだったが、食材を持って自宅に押しかけられ、またもイブリンを抱く。そんな折、トビーが町に帰ってきたため、デイブは彼女とよりを戻そうとする。
イブリンのストーカー行為が始まる。デイブの自宅前で裸になり、手首を切って狂言自殺。しまいには家政婦をナイフで襲撃。イブリンは逮捕され、デイブは平穏な暮らしを取り戻すが……。
デイブは恋人を失って女日照り。そこに美女の誘惑だ。据え膳をペロリと完食するのは男の生理だろう。事前に「俺には忘れられない女がいる」とクギを刺したが、イカレ女には通用しなかった。
イブリンは突然怒鳴りだし、夜中にしつこくドアをノックし、デイブのビジネスランチを引っかき回して大手ラジオ局への抜擢話をつぶす。じわじわ迫る女の“狂人化”は他人事ではない。