著者のコラム一覧
二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

赤塚不二夫編<3>愛猫・菊千代死去 人間と同じ葬儀で見送り

公開日: 更新日:

 出会った頃はすでに高齢だった菊千代。歩き方はのっそりだったが、特に体調は問題なかった。それでも寿命はくる。私は仕事で沖縄に出張中だった。早朝、真知子夫人が「菊ちゃんが死んじゃった」と伝えてきた。夫人によれば、前夜、いつものように仲間と居間で飲んでいた。午前0時を回った頃、奥の部屋から出てきた菊千代。 

 水でも飲むのかと思いきや、テーブルの前で倒れそのまま息を引き取った。

「多分、別れを告げに来たんだと思う」(夫人談)

 1997年10月、菊千代は19歳で天国に旅立った。赤塚家は人間と変わらぬ葬儀で送ることになり、私は葬儀委員のひとりだった。亡くなった夜は内輪の通夜。翌日、ペットも扱うお寺で葬儀を行った。当日、あることに気が付いた。猫の葬儀に出るのは誰もが初めてのはず。人間なら喪服だが、猫の場合どうするのか。私は委員の立場から黒服だったが、50人を超す参列者はさまざま。喪服もいれば、ジーンズにセーターという普段着もいた。「香典」も出す人、出さない人もいたが、菊千代に対する思いは変わらなかった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動