「国産映画」保護政策の縮小も乗り越えた韓国映画の“底力”
当時の盧武鉉政権下、「スクリーンクオータを死守せよ」「文化侵略を糾弾する」という声はやがて「文化部長官は辞任せよ!」という辞任要求にまで発展。人気俳優たちは“1人デモ”を行ったが、熱烈なファンが殺到して現場が大混乱になったこともあった。
一方、多くの国民は冷静だった。スクリーンクオータを縮小しても「韓国映画が衰退することはない」として世論調査では縮小に賛成する声が多かった。
また歌謡界からも「政府からの支援を受けてきた映画界と違い、大衆音楽は保護されてこなかった」という声が上がり、映画界のデモには批判的な空気が漂った。
■杞憂に終わった衰退危機
抗議活動は半年に及んだが、結局スクリーンクオータは縮小された。ところが韓国映画の質は飛躍的に向上し、現在に至るまで大きく躍進した。2011年以降は国内での韓国映画のシェアが海外映画を上回っている。
スクリーンクオータを巡るデモから15年――。韓国映画は今やアジア映画の中心となり、世界に認められるほど強い競争力を持った。結果オーライというべきか。今となっては当時のゴタゴタなど話題にもならない。