おさるさん 細木数子さんに感謝…来年までに「逆立ち書道」を披露したい

公開日: 更新日:

おさるさん(芸人/53歳)

 筋肉芸人としても活躍し、近年は書家の仕事が忙しいという芸人のおさるさん。死ぬまでにやりたいことは逆立ち書道!? 加えて、子供たちに教えて書道の魅力を広めたい! 2004年にモンキッキーに改名(その後、再びおさるに改名)してブレークのきっかけをくれた、今年亡くなられた細木数子さんへの思いも話してくれた。

  ◇  ◇  ◇

 昨年からの自粛期間は自宅で書道の注文の仕事はやれていましたが、書道パフォーマンスのイベントはゼロになってしまいました。体を動かしたい性分なので自宅で筋トレはやっていて。

 でも、おじさんが筋トレしてもちょっとキモ悪がられたり、人に見せる部分で発展がないなぁと思っていたところ、妻(山川恵里佳)が唐突に「逆立ちがいいんじゃない?」と言ってきて。逆立ちがきれいにできれば人に見せられるというアイデア。メチャ振りですよね(笑い)。

 試しにやってみたら全身の筋肉を使う筋トレになるし、妻に言われた日から壁づたいに毎日練習しました。半年かかって静止できるようになったら面白いんですよ! それに逆立ちは奥が深いと気づきました。20秒静止していられるようになると左右の足を交互に動かして空中散歩とか、開脚して僕のギャグの「ウレシイY(ワイ)!」をやってみたり。子供に大ウケしたので、自粛が解けた時期のイベントでもやってみたらやはりウケました。

 そして数カ月前のあるイベントの最中、お客さんから冗談で「逆立ちして書道できないの?」と声が飛んだんですよ。それを聞いて、「面白い! それだ!」と。それから逆立ち書道の練習を開始したんです。

 片手逆立ちは強い方の右手がいいけど、書を書くのも右だから左手一本で体を支える練習をしてます。ただ最初は「一」とか画数の少ないものから(笑い)。画数が増えても行書になるでしょうね。

 これは死ぬまでというより、来年には披露したい。取材で宣言した手前、完成させるしかない(笑い)。イベントでタンクトップと短パン姿の“逆立ち書道”をお見せすれば、書道に興味のない若者や外国の方にも胸にグッとくるものがあるんじゃないかと。

 僕は書道に興味を持ってもらうためにも活動してきました。保育園で4~6歳の子供に教える時は「はい、書道をやってみてください」では絶対にダメ。最初の挨拶からつねに笑顔で、途中でクレヨンしんちゃんのモノマネを入れたり工夫して。

 生意気な子も中にはいて大変ですけど、大事なのは、その子を絶対に否定しないこと。それに怒らないこと。マイナスのことは言わず、プラスのことだけを言うこと。この3つは僕の子育ての持論でもあります。

「うまいね!」と褒めると子供は喜んでくれる。「書道面白いなあ」と少しでも思ってくれたらうれしい。

細木数子先生のおかげ

 今は大人も習字をやらなくなっていますけど、大切な手紙は直筆で書くし、年賀状でも直筆でもらうとうれしい。お葬式では筆ペンで自分の名前を書く機会もある。

 結婚式の受付で、筆ペンが苦手なのか、一緒に来た人に「俺の名前も書いておいて」と言う人がいますけど、自分の名前は自分で書けた方がいいと思います。だから子供の頃から筆に慣れ親しんでいれば大人になっても筆遣いができる。

 僕に少しでも書道を教わった子供たちが大人になった時に「面白い先生がいたなあ、笑わせながら教えてくれたから、気づいたら書道が身に付いていた」と思ってくれたらうれしい。それが死ぬまでの夢かな。

■お通夜で娘のかおりさんに感謝を伝えた

 細木数子さんには「モンキッキー」に改名していただいたのをきっかけに仕事が増えました。最近も「改名してどうですか」と聞かれるのは芸人として話題が続いてるということで、細木先生のおかげです。

 当時も感謝しましたけど、今の方が感謝の気持ちが大きい。お通夜に行き、娘さんのかおりさんにご挨拶し、感謝を伝えました。細木さんは今も大きな存在です。

逆立ち書道をできるようになる

 家族は僕を支えてくれて、子供たちは僕の逆立ちタイムを計ってくれるし、公園に行くと一緒に逆立ちします。逆立ち親子(笑い)。

 書道を広めるためにはまず逆立ち書道をできるようになる。好きな一文字の「栄」を、来年は逆立ちで書きます。若い頃より筋肉がついてますので体力的には問題なし。来年を見ててください。

(聞き手=松野大介)

▽本名=大森晃 1968年9月、大阪府生まれ。91年からコアラとお笑いコンビ・アニマル梯団で活動。ピン芸人になり、モンキッキーと改名。「SASUKE」など筋肉芸人で人気に。書家では宇都鬼(ウッキー)で東京書作展で優秀賞など受賞。 

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  3. 3

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  4. 4

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  5. 5

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  1. 6

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  2. 7

    佳子さま“ギリシャフィーバー”束の間「婚約内定近し」の噂…スクープ合戦の火ブタが切られた

  3. 8

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  4. 9

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  5. 10

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本ハムが新庄監督の権限剥奪 フロント主導に逆戻りで有原航平・西川遥輝の獲得にも沈黙中

  2. 2

    白鵬のつくづくトホホな短慮ぶり 相撲協会は本気で「宮城野部屋再興」を考えていた 

  3. 3

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  4. 4

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  5. 5

    佳子さま“ギリシャフィーバー”束の間「婚約内定近し」の噂…スクープ合戦の火ブタが切られた

  1. 6

    半世紀前のこの国で夢のような音楽が本当につくられていた

  2. 7

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 8

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  4. 9

    田原俊彦「姉妹は塾なし」…苦しい家計を母が支えて山梨県立甲府工業高校土木科を無事卒業

  5. 10

    プロスカウトも把握 高校球界で横行するサイン盗みの実情