歴代天皇は「徳を積む」ことにこだわった 昭和天皇の帝王教育はどうだったのか

公開日: 更新日:

 悠仁さまに「帝王学」が必要ではないか、と言われるときの「帝王学」とは、おそらく昭和天皇が受けた「帝王教育」を想定してのことだろう。では、それ以前の歴代天皇はどんな「帝王教育」を受けてきたのだろうか。

 2022年2月21日、天皇陛下はこんなことを述べた。

「武ではなく文である学問を大切にされてきたことも、天皇の歴史を考えるときに大切なことだと思います。例えば、鎌倉時代の花園天皇が皇太子量仁親王に宛てて書き残された、いわゆる『誡太子書』においては、まず徳を積むことの大切さを説かれ、そのためには道義や礼儀も含めた意味での学問をしなければならないと説いておられます。このような歴代の天皇の思いに、深く心を動かされました」

 鎌倉時代と室町時代の間に南北朝時代という争乱の時代があった。花園天皇(1297~1348年)はその少し前の天皇で、「帝王学」に「帝範」のご進講を受けていたといわれる。「帝範」とは唐の太宗が太子(皇太子のこと)に与えた書で、その頃の宮廷では、「群書治要」や「貞観政要」とともに「帝王学」の教科書といわれてきた。ただ、いずれも唐の時代の「君主論」であって、日本の天皇には役に立たなかったといわれる。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  5. 5

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

  1. 6

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  2. 7

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因