カンニング竹山さん「あの世も何もないというのが僕の考え。生きている時がすべて」

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福島の人を差別、農作物への風評被害は許せない

 福島については死ぬまで関わって発言していきたいですね。僕は出身が福岡で、元々福島にそれほど興味があったわけじゃないんです。それが東日本大震災で福島第1原子力発電所の事故が起きたことで気持ちが変わりました。東京に住んで原発の作った電気を使っているのに、福島の人を差別したり、農作物への風評被害が起きたりしたじゃないですか。それが許せないと思った。

 震災直後に駆けつけて炊き出しやったり、お笑いライブをやったりした人たちもいたけど、自分に何ができるか考え、福島にロケに行って、そこで出会った人と触れ合おうと思ったんです。ツイッターと連動して「いつ、ここに行きまーす」と投稿して「うちに来て!」という反応があると実際に行ったりして。

 それを見て興味をもった人たちが福島に関心をもって、足を運んでくれたらうれしい。まずは1人でも多くの人に行ってみてほしい。見て、学んで、酒飲んで、遊んで帰ってほしい。そこから福島や原発の問題を考えてほしい。そうして役立てればいいなあと思っています。

 今も2、3カ月に1回は日帰りや泊まりで福島へ足を運んでいます。行けば地元にお金が落ちるし、僕も知り合いが増えてどんどん愛着も湧いてきました。それで、いわき市の小名浜とか浜通り(福島県の東側、太平洋に面したエリア)に家を建てたいと思うようになりました。

 いつかかみさんと東京と福島で2拠点生活したら楽しそう。福島にできた仲間とバーベキューやったりのんびりしたり。僕ら夫婦には子供がいないので、東京には家を買う気がなく、福島だけじゃなくてあちこちに家を持って、そこを回る人生を過ごすのも面白いかなとかみさんと話したりもしています。

 かみさんには福島や大阪、福岡のなじみの店に連れて行って僕の楽しんでいる景色を見せてあげたい。かみさんはインドア派で、僕はアウトドア派だから、僕がどこでどんな人たちと遊んでいるか、ほとんど知らないんですよ。

 2人で「墓をどうするか」という話をすることもありますよ。死んだら何もなくなると思っているけど、僕の墓参りをしたいと思ってくれるファンもいるかもしれない。「青山霊園に買おうぜ」って言ったら、「いくらかかるか知ってるの? 絶対、嫌!」と一蹴されましたけどね(笑)。

(聞き手=中野裕子)

▽本名:竹山隆範。1971年4月、福岡市生まれ。高校卒業後、上京し92年、小学校の同級生・中島忠幸とお笑いコンビ「カンニング」を結成し、本格デビュー。“キレ芸”でブレーク、現在はピン芸人として「ノンストップ!」(フジテレビ系)、「アッコにおまかせ!」(TBS系)、「探偵!ナイトスクープ」(ABC)など多くのレギュラー番組に出演中。

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