衆院補選「島根1区」現地ルポ 記者が身をもって感じた60年超に及ぶ鉄壁の保守地盤
それでもまだ、熱烈に支持するのか──。
与野党一騎打ちの衆院島根1区補欠選挙(28日投開票)は、細田博之前衆院議長の死去によるもの。1996年の小選挙区制導入以降、昨年11月に鬼籍に入るまで30年近く議席を守り続けた。中選挙区時代までさかのぼれば、父・吉蔵元運輸相が初当選した1960年以来、実に60年以上も「細田」の名前を支持し続けた全国きっての保守王国である。
日刊ゲンダイは22日、県庁所在地・松江の中心地から車で1時間ほど離れた県北の農村地域に向かった。50世帯ほどの小さな集落で、自民党候補の錦織功政氏が演説するというのだ。
集落は昼過ぎでも人通りはまばらで、静まり返っていた。予定の10分前、本当に来るのかと不安に思っていると、降って湧いたように25人ほどの住民がぞろぞろと集まり出した。子供の姿も数人見えるが、ほとんど高齢者だ。
■「自民党でなければ島根は崩壊する」
ジャージー姿の70代男性は「この地域の9割が自民支持者だ」と、こう続けた。