裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗
裏金総理の応援は完全に不発だった。岸田政権の行く末を占う衆院3補欠選挙(28日投開票)。長崎3区と東京15区で候補者擁立を見送った自民党が、唯一、擁立したのが島根1区。与野党一騎打ちの構図で「天王山」に位置付けられている。ラストサンデーの21日、自民党総裁の岸田首相と立憲民主党の泉代表が現地入りしたが、明暗が分かれた。
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立候補しているのは、自民新人の錦織功政氏と、立憲前職の亀井亜紀子氏の2人。
岸田首相は21日正午前、選挙区の中心地JR松江駅から車で1時間ほどの山間地域、奥出雲町内のスーパーで演説。錦織氏本人が市街地での遊説で不在の中、約500人の聴衆を前に「政治の信頼回復へ先頭に立ち、責任を持って進める」と訴えた。ところが、聴衆からの拍手はパラパラ。お寒いムードが漂っていた。
険しい表情で話す岸田首相を前に、2人組の高齢男性はこんなヒソヒソ話を交わしていた。
「こんな所に総理大臣が来るって、あれはソックリさんじゃないかね。こぎゃん田舎の山奥にわざわざ来るなんて、自民党も必死だ。相当追い詰められてるんだろうね」
1996年の小選挙区制導入以降、同区では自民の細田博之前衆院議長が連戦連勝。首相の応援は異例なだけに、岸田首相を「ソックリさん」と思ったのかもしれない。
■「岸田さんのことを良く言っておいたから!」と“ヤラセ”暴露
錦織氏の妻が聴衆に挨拶して回ると、ある男性は「さっき、メディアの取材に岸田さんのことを良く言っておいたから!」と、まさかの“ヤラセ”を暴露。集まった聴衆の大半が「動員」なのは明らかだった。
動員された70代男性は日刊ゲンダイ記者にこう打ち明けた。
「うちは代々自民党支持の家系ですから、今回も自民党に投票したいとは思っています。とはいえ、今回の裏金のことで多くの県民が怒っている。今後は、日本維新の会を支持することも視野に入れようかと」
動員しても岸田演説が盛り上がらなかった一方、立憲の亀井陣営の演説は上々だった。泉代表は午後3時半、松江駅前で行われた亀井氏の街頭演説に駆けつけた。聴衆こそ300人程度だったが、泉氏が裏金事件を念頭に「一緒に政治を変えたい」と訴えると、拍手と共に「そうだ!」という声がそこかしこから上がり、大盛況だった。