センバツ近畿代表・履正社の監督に聞いた「関西中学球児事情」

公開日: 更新日:

「高校を選ぶ基準は、寮があるところがいいのか、自宅通いがいいのか、それとも、どちらでもいいのか。たとえば大阪桐蔭さんのように寮があるところは、全国から生徒を集められる。でも、ウチの場合は特待生を取っていないし、『通い』を希望する子に限られます。専用の野球場があるけれども、生徒さんに授業料や下宿代を払ってもらわないといけない。学校とグラウンドをつなぐバスの関係で、遅くても夜8時半には帰宅しないといけない。中には1時間30分くらいかけて通ってくる子もいます。そんな中で今、何とかウチが持ちこたえているのは、大阪の『私学無償化制度』があるからだと思っています」

――橋下徹府知事(現大阪市長)が12年に制定した「私立高等学校等授業料支援補助金制度」(世帯収入が610万円未満で授業料は無料、610万円以上800万円未満で授業料の上限は年間10万円など)ですね。

■「制度がなくなったらアカン」

「この制度は京都にもあるんですが(世帯収入が350万円未満で無料)、大阪の条件にはかなわない。生徒の人数も公立の募集を減らしてその分を私学に回している。兵庫や京都を中心とした他府県の高校に行けば、授業料がかかるわけですから。これまで経済事情を考えて、他県に行っていた中学生がウチを含めた大阪の高校で野球をやるようになってきている。野球部への入部希望者も増えている? ウチは1学年18人と決まっていますが、多くの入部志望者がいます。まあ、無償制度がいつまで続くかわかりませんけど、これがなくなったら、ウチはアカンと思いますよ(苦笑い)」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」