歌舞伎
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菊之助の“御曹司以外”抜擢、右近の「書き出し」…10月歌舞伎座は音羽屋が奮闘
10月の歌舞伎座の昼の部は、音羽屋一門を中心にした座組。 まずは菊之助の初役シリーズで『平家女護島/俊寛』。菊之助自身が初役であるだけでなく、父・菊五郎も演じていない役だ。来年の菊五郎襲名を前にして、菊之助は芸域と相手役の拡...
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「秀山祭九月大歌舞伎」は若手が躍動 左近は女形の片鱗示し、染五郎は聡明な義経を演じ切る
9月の歌舞伎座は秀山祭。初代中村吉右衛門を顕彰する目的で、2代目吉右衛門が2006年に始め、2代目没後も続いている。 昼の部最初は『摂州合邦辻』で、菊之助が女形の大役である玉手御前、初代と2代目吉右衛門が演じていた合邦を中村...
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8月「納涼歌舞伎」 今年は勘九郎・七之助・巳之助の意気込みに感涙
8月の歌舞伎座は「納涼歌舞伎」。これは1990年に、当時は若手だった18代目勘三郎と10代目三津五郎が松竹に頼んで始めたものだった。この2人が相次いで亡くなってからは、松本幸四郎と市川猿之助が主軸となっていたが、今年は、創始者の子で...
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目を見張る市川團十郎の13役“ワンマンショー” 「星合世十三團」に客席どよめく
6月は博多座で、尾上松也の伊右衛門、尾上右近のお岩・小仏小平・佐藤与茂七で『東海道四谷怪談』が上演された。2人とも初役だったが、堂々と演じ、怪談ものを超えた、凄絶な悲劇を作り上げた。今年の前半、この2人は、とくに地方で目覚ましい活躍...
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芝翫の不倫に七之助の交際と梨園は浮いた話題に事欠かないが…「松竹」株価安定のウラ側
三田寛子(58)が夫・中村芝翫(58)と愛人の半同棲先に怒鳴り込んだ様子や、中村七之助(41)の真剣交際が「NEWSポストセブン」で相次いで報じられ、「梨園」が話題になっている。 中村七之助のお相手は、以前から交際が報じられ...
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六月大歌舞伎は「菊五郎2人制」に「6代目時蔵」誕生と見どころ満載! 中村獅童の子供たちの初舞台にも注目
来年5月に、尾上菊之助が8代目尾上菊五郎を襲名することが発表になった。一方、当代の菊五郎は他の名になるのではなく、7代目菊五郎のままだという。前例のない「2人制」になるが、これはいいことだ。 たとえば昨年亡くなった2代目猿翁...
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史上初“ダブル菊五郎”襲名披露のウラ…7代目の奇策は奏功するのか?
歌舞伎界の大名跡「菊五郎」襲名が発表されたのは5月27日のこと。5代目尾上菊之助(46)が「8代目尾上菊五郎」を襲名、それに伴い菊之助の長男・丑之助が「6代目尾上菊之助」を襲名するのはこれまで通りだが、現・菊五郎の7代目尾上菊五郎も...
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“敵役”菊之助を得てこそ生きる團十郎の正義 「團菊祭五月大歌舞伎」の見どころはここだ
5月の歌舞伎座は恒例の團菊祭。最初の『鴛鴦襖恋睦』は、尾上松也・尾上右近・中村萬太郎が初役で挑む。1時間弱の長い舞踊劇だが、ドラマチックで美しく、飽きさせない。 昨年4月に亡くなった4代目市川左團次の追善で、その子、男女蔵が...
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【四月歌舞伎評】仁左衛門と玉三郎の共演…劇的で至福な、夕方6時5分からの20分間
極端に言えば、今月の歌舞伎座は夕方6時5分から25分までの20分だけでいい。仁左衛門と玉三郎の『神田祭』だ。 仁左衛門の鳶頭がただただかっこいい。玉三郎の芸者が、ひたすら艶やか。 舞踊劇なのでドラマらしいものもない。...
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尾上菊之助も松本幸四郎も…芸の継承は「父から子」という単線だけではない
3月の歌舞伎座はオーソドックスな演目が並ぶ。昼の部最初の『菅原伝授手習鑑』の『寺子屋』では、尾上菊之助が松王丸を初めてつとめている。 「松王丸」という役も、『寺子屋』という演目も、音羽屋にはあまり縁がなく、菊之助の父・7代目菊...
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市川中車が秘める“猿之助継承”の野望と「ゆくゆくは名跡を息子に」のシナリオ
歌舞伎の名門「澤瀉屋」を代表し、市川中車(香川照之=58)は長男の市川團子(20)と共に立った囲み取材で、こう言った。 「60年に1度の事変、再び澤瀉屋で立ち向かっていく決意をもっております。どうかあたたかい目でご支援ください...
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歌舞伎座vs新橋演舞場“新作歌舞伎”対決の行方…シリーズ化を期待したい「流白浪燦星」に軍配
歌舞伎座と新橋演舞場が新作歌舞伎で競っている。 新橋演舞場は『流白浪燦星』。こう書いて、「ルパンさんせい」と読む。モンキー・パンチのコミックのキャラクターを戦国時代に登場させる趣向。ルパンは片岡愛之助で、時々アニメ版のセリフ...
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歌舞伎俳優研修出身・中村芝のぶここにあり 吉例顔見世大歌舞伎で強い印象を残す
歌舞伎座昼の部は、インド神話を題材にした『マハーバーラタ戦記』。2017年に新作として上演されたものを、改作しての再演。主演の尾上菊之助以外は、キャストも一新されている。 特筆すべきは、敵役のヅルヨウダ王女を演じた中村芝のぶ...
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懲役3年執行猶予5年の市川猿之助被告…現状は“白紙”も「遠からず舞台に戻る」と梨園関係者
両親に対する自殺ほう助の罪に問われた市川猿之助(本名喜熨斗=きのし=孝彦)被告(47)の判決公判が17日、東京地裁で開かれ、懲役3年、執行猶予5年の有罪判決が下された。 「検察側は、懲役3年を求刑していたが、これまでの裁判の判...
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市川猿之助被告“執行猶予明け”に向け松竹が練る復帰シナリオ…歌舞伎界は観客減で大ピンチ
市川猿之助(本名・喜熨斗孝彦=47)被告は今月20日の東京地裁での初公判で「歌舞伎で償いたい」と復帰願望を述べた。警視庁原宿署に勾留中は「もう表舞台には出たくない」と語ったと伝えられており、百八十度の変わりように、法廷では驚きの声も...
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市川猿之助被告に早くも「3年後復帰説」…歌舞伎界の常識は世間の非常識?
10月20日に東京地裁で開かれた市川猿之助被告(47=本名・喜熨斗孝彦)の初公判には、驚きの声が上がった。 父・市川段四郎さん(享年76)と母・延子さん(享年75)に対する自殺ほう助罪に問われていた猿之助被告は起訴内容を認め...
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ジャニーズの次は「宝塚」「歌舞伎」の調査報道を求める声…“タニマチ”ビジネス崩壊の始まり
ジャニーズ事務所の記者会見への対応が物議を醸しているなか、エンタテインメント業界に厳しい視線が注がれている。 宝塚歌劇団が7日、歌劇団に所属する25歳の女性が9月30日に自宅マンション敷地で転落死したことを受けて記者会見を行...
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「秀山祭」吉右衛門三回忌追善 松本白鸚の22分“ひとり芝居”に「到達点」を見た
初代吉右衛門をしのぶ秀山祭が2代目吉右衛門三回忌追善。先月は歌舞伎らしくない歌舞伎が多かったせいもあり、歌舞伎を見たぞ、という気分にさせてくれる。しかし残念ながら、大入りとはなっていない。これも現実。 昼の部は最後の「二条城...
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市川猿之助容疑者は能力はともかく人格は…澤瀉屋の悲劇は“血筋”優先の後継襲名が招いたか
4代目市川猿之助容疑者(47)が先月29日、母親の延子さん(75)の自殺ほう助の容疑で東京地検に送検されたが、真相究明にはまだまだ時間を要しそうである。そんな中、3代目猿之助で現在の市川猿翁(83)が甥の猿之助容疑者を後継者に選んだ...
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市川猿之助は逮捕で復帰は絶望的…香川照之が握る「澤瀉屋一門」存続のカギ
母親への自殺幇助の容疑で逮捕された歌舞伎俳優の市川猿之助(47)。今回の逮捕で歌舞伎界に“激震”が走った。 一家心中で生き残ったのとはわけが違う。母親の自殺に関与したことは本人の供述を含め間違いないので、警視庁はその容疑を固...
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坂東玉三郎“本興行から距離を置く”発言の衝撃…近づく歌舞伎界崩壊の足音
歌舞伎俳優の坂東玉三郎(73)が5日、都内で行われたセルフプロデュース公演「坂東玉三郎 PRESENTS PREMIUM SHOW」の制作発表の席で、歌舞伎の本興行から距離を置く意向を示し、話題になっている。 玉三郎は「大き...
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青学初等部と梨園を結びつけた12代目市川團十郎 注目の市川團子は大学までエスカレーター
激震が走る歌舞伎界。そうした中で一躍注目を集めているのが香川照之の長男・市川團子だ。明治座で急きょ、市川猿之助の代役を務めた。わずか1日の稽古ながら、猿之助の十八番の宙乗りを見事披露した。現在、青山学院大文学部2年。小学校(初等部)...
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猿之助「一家救急搬送事件」に歌舞伎界の激震おさまらず…若手育成の“手腕”証明された皮肉
18日朝に起きた市川猿之助(47)一家救急搬送事件の詳しい状況が少しずつ明らかになってきた。 猿之助は「死んで生まれ変わろうと家族で話し合い、両親が睡眠薬を飲んだ」と明かし、父の4代目市川段四郎さん(76)と母の延子さん(7...
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追悼“歌舞伎界の異端爺”市川左團次さんの真顔で「どなたさまですか?」にヒヤリ
歌舞伎俳優の市川左團次(本名・荒川欣也)さんが15日、右下葉肺がんのため亡くなった。享年82歳。老け役から女方、敵役、そしてユーモラスな役柄を幅広く演じる歌舞伎界の重鎮。その人柄は、歌舞伎界やファンに限らず、多くの人を魅了した。 ...
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計9時間!菊之助の新作歌舞伎「ファイナルファンタジーX」はあまりに長い
ゲーム「ファイナルファンタジーX」が歌舞伎になった。しかも、観客席が360度回転する劇場で。 「企画・構成」、そして主演の尾上菊之助(45)は、これまでも、シェイクスピアの『十二夜』やインド神話、そして『風の谷のナウシカ』など...
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三月大歌舞伎で息子・松本幸四郎が40年ぶりに挑む「花の御所始末」
3月の歌舞伎座は三部すべてで、数十年ぶりの上演という珍しい演目が並ぶ。 第一部は宇野信夫が1974年に書いた『花の御所始末』。松本白鸚(当時・市川染五郎)のために書いたもので、83年に再演されたものの以後は上演されず、40年...
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香川照之の歌舞伎座復活 松竹は團十郎襲名披露の“起爆剤”期待も…現実は痛しかゆし
香川照之(57)が5日、歌舞伎座で行われた「市川団十郎白猿襲名披露十二月大歌舞伎」に市川中車として活動を再開した。10月31日に同顔寄せ手打式で公の場に顔を出した中車だが、5日は口上に並んだだけで声はなく、6日昼の部の「鞘當」の本格...
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「13代目 市川団十郎」襲名披露公演開幕 消えないチケット不調説、新しい試みも実現せず
ついに市川海老蔵改め13代目市川団十郎白猿(44)の襲名披露公演が7日から、東京・歌舞伎座で始まった。4日、日本外国特派員協会で記者会見した団十郎は「古いものを守るだけでなく、団十郎といえども新しいことをやっていくのが家風。ブレずに...
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「市川団十郎」襲名披露興行が大苦戦…チケット売り上げ不調報道の背景にあるもの
市川海老蔵改め団十郎(44)がようやく始動である。先月31日と11月1日には「13代目市川団十郎白猿襲名披露記念 歌舞伎座特別公演」が開催され、ようやく2年越しの興行が始まる。ところが、7日から開演のチケットの売れ行きが芳しくないと...
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八月納涼歌舞伎「東海道中膝栗毛 弥次喜多流離譚」は派手さとばかばかしさで暑気払いに正解
コロナ禍で先月までは3分の2くらいしか観客を入れていなかったが、今月からほぼ全席を売るようになった。2年前の公演再開のときはガラガラだったが、ほぼ埋まっていた。これで客席やロビーで食事ができ、掛け声がかけられるようになれば、元の歌舞...