「初球ストライク」に日米差 広島黒田の39球見た評論家指摘
■指導者にも問題が
評論家の権藤博氏も本紙のコラムで、NPBで議論されている試合のスピードアップを実現する方策として、「一にも二にもテンポを上げることだと思う。走者なしの場面で下位打線を迎えても、初球からボールを投げて様子を見るという投手すら多い」と、日本の投手がいかにムダなボール球を投げているかを指摘。
続けて、「指導者にも原因がある。簡単にストライクを放るな、間合いを取れ、追い込んだら1球外せなどと、テンポが悪くなることばかり強制する。初球を痛打されると、怒鳴りあげるコーチもいる。それがますます投手を萎縮させる」と記していた。制球力という技術の問題、あってもストライクを投げることを恐れるメンタルの弱さ、間違ったことを教える指導者の問題……。
いくら試合時間短縮を叫んだとしても、日本の投手の制球力、精神力が磨かれない限り、スピーディーな試合など見られない。黒田のこの日の姿は、日本野球のもろさを映し出してもいるのだ。