認知症
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よくある介護の悩み(1)夜眠れずに昼夜逆転…どうすればいい?
今回から、認知症の方を介護されているご家族からよく相談されるケースについてお答えしていきます。まず、多く寄せられるのは「昼間は横になっていて、夜は眠らずに動き出すので困っている」という悩みです。通常、昼間は起きて夜に寝る、という生活...
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「軽度認知障害」と「軽度認知症」…インフルに例えるなら微熱の段階か発症後か
「軽度認知障害」と「軽度認知症」。一見すると同じことを指しているようですが、意味は異なります。患者さんやそのご家族からも「どっちも同じじゃないですか?」としょっちゅう聞かれる軽度認知障害と軽度認知症について、お話ししたいと思います。 ...
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認知症予防におすすめのサプリメント…安全性、有効性、再現性がポイント
「認知機能維持にサプリメントが必要ですか? 飲むとしたら何がいいですか?」 こんな質問を外来や健脳カフェ、また取材でもよく受けます。 そもそも薬とはどういうものか。西洋医学、東洋医学に関係なく、人間は実際に口にし、体に...
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認知症の人への対応…ポイントは「否定しない」「怒らない」「感謝する」
認知症の人に「今日は何を食べたい?」と尋ねたとする。あらぬ方向を見つめたまま黙っていたら、「もう何を言ってもダメだね」と思うだろう。 でも認知症の人にすればこうだ。何を食べたいかと聞かれてサンマを想像したが、サンマという言葉...
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認知症の母は、「必要」とされると暴言や暴力がなくなった
認知症の人の心を忖度すれば、おそらく大半は孤独を感じているのではないだろうか。孤独とは一人でいることではなく、一人ぼっちだと感じる状態のことだ。 むろん人や社会とのつながりを絶たれた状態もそうだが、誰からも必要とされていない...
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【豆乳ヨーグルト】糖尿病予防や認知機能低下抑制の報告あり
豆乳ヨーグルトは、豆乳を乳酸菌で発酵させて作られる植物性ヨーグルトで、健康志向や環境意識の高まりとともに注目されています。 その歴史は比較的新しく、1997年トーラク株式会社が「ソヤファーム 豆乳で作ったヨーグルト」を、20...
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ある認知症の女性は「主役体験」によって徘徊しなくなった
人生の一コマを物語に例えれば、ワンシーンであっても物語の主役になりたいと思うのは、認知症の人も同じである。主役になって称賛されたら気分がいいし、生きていることを実感できる。 でも認知症の人は常に無視されているから、そんな機会...
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重度認知症の彼らがよく使う「怒られる」という言葉の意味
私が初めて重度認知症の人から話を聞いたのは敬子さんだった。あらぬ方向を見つめてはぼんやりしていて、ほとんど口を開かなかったが、たまたま彼女が大好きな自転車を話題にしたことがきっかけで話をすることになった。ただ数分もすると忘れるから、...
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高齢でも「居場所」と「役割」を見つけるためにはどうすればいいのか
人生100年時代を迎え、定年後の高齢者が幸せに暮らすためには「生きがい」「居場所」「役割」が重要だと前回お話ししました。今回は引き続き「居場所」について取り上げます。 高齢社会白書によると、高齢者の「居場所」に関しては、約7...
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重度認知症の人から話を聞くと「家族の無視がつらい」と訴えた
認知症はなりたくない病気の代表だが、家族になってほしくない病気のトップでもある。 ここではアルツハイマー型認知症に限定するが、認知症と診断されたら、家族は心配して励ましてくれるだろう。だが、症状が進行するとたいてい話しかける...
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物忘れは認知症の初期症状? “医学的な物忘れ”ではない場合も
昨年末からの感染症の流行がまだ続いていますね。インフルエンザ、コロナともに検査では陰性だったが、咳がしつこく続いているという話も頻繁に聞きます。 暖かくして、十分な栄養と睡眠を取って、感染症対策に努めてください。 さ...
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視力低下が認知症リスクを高める…「ランセット」で発表
40歳代以上のみなさん、眼科検診を定期的に受けていますか? もし受けていないようなら、1年に1回は受けることをお勧めします。 認知症の本連載でなぜ眼科検診について触れるのか──。それは昨年、視力低下が「改善可能な認知症の発...
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実家が空き家になったらまず考えるべきこと…ライフラインはどうする?
親が介護施設などに入所し実家が空き家になると、さまざまな問題が浮き上がる。それを解決するために動くのは子供たちなのだが、イザとなると即決しきれないことが多々あるものだ。 例えば電気、ガス、水道などのライフライン。単純に考えれ...
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必要なタンパク質とカロリー量を知ることが大切なのはなぜ?
高齢者の食事と栄養の基本として、第3に大切なことは「1日に必要なタンパク質量を知ること」です。自分に必要なタンパク質量は、前回お話しした自分の適切な体重(身長-95~110キロ)の1.2~1.5倍です。筋肉を維持する場合は体重の1....
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認知症はなぜ早く見つけるべきなのか…新薬登場で早期発見がより重要に
認知症をなぜ早く見つけるべきか? まずは大前提として、2つのことを押さえていただきたいと思います。 ひとつは、どんな病気でも早くに見つけたほうが治療が簡単だということです。 例えば日本人に多い胃がん。早期胃がんなら、...
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突然母が別人になった(10)突然の「明日退院」。父は頼りにならない…母の面倒はだれが
様子がおかしくなっていた熊本の母は、クリニックでレビー小体型認知症と診断。数日後に熱中症で倒れ、救急病院に運ばれた。私はすぐに熊本に飛んだが、コロナ禍で母には会えなかった。入院の手続きだけし、その日のうちに帰京。しかし約10日後、「...
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物忘れや記憶力低下…認知症なのか年なのか、どう見分ければいい?
明けましておめでとうございます。年末年始はゆっくりおやすみできたでしょうか? 実家でご両親やごきょうだい、懐かしい友人らと久しぶりに過ごされた方もいることと思います。今年も認知症に関する情報を基礎的なものから最新のものまで、わかりや...
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認知症の新しい薬は今までの薬とどこがどう違うのか?
昨年、そして今年と相次いで承認されたアルツハイマー型認知症の新薬、レケンビ(一般名レカネマブ)とケサンラ(ドナネマブ)。今までの薬とどう違うのですか、と患者さんやそのご家族から聞かれることも多いです。今年最後となる本記事では、そのま...
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アルツハイマー型認知症の治療薬レカネマブ…6カ月使ったらどんな変化が生じたか?
今回は、当院でレカネマブ(商品名レケンビ)を6カ月間投与した患者さんの症状の経過についてお話ししたいと思います。 この内容は「実臨床でのレカネマブ6カ月後の転帰」と題して、11月20日発行の「老年精神医学雑誌」に掲載されてい...
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睡眠中の脳の働きが「ひらめき」を生むのはなぜか?
「親の認知症が進んだようで、夜、寝なくて困ります。昼はいつもうとうとしていて……。どうしたらいいのでしょうか」 ご家族からよく寄せられる質問です。 良質な睡眠はとても大切です。睡眠リズムが崩れると、気持ちいい生活が壊れ...
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認知症のBPSD=行動・心理症状の「興奮」や「易怒性」に対する薬が初登場
これまで、昨年から今年にかけて承認された認知症の薬、「レケンビ(一般名レカネマブ)」と「ケサンラ(一般名ドナネマブ)」について紹介してきました。今回は今年9月に承認された、やはり認知症の新薬、抗精神病薬「レキサルティ(一般名ブレクス...
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介護できょうだい仲が悪くなるのはなぜか…トラブルの原因は?
親の介護がきっかけで、きょうだい仲が険悪に──。そんな話を耳にしたことはありませんか。 いまだに“介護は長男が担うもの”といったイメージが根付いているご家族は多く、介護が長男一家に全集中しているケースは少なくありません。実際...
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新薬の登場で認知症は早期発見がいよいよ重要になってきた
アルツハイマー型認知症の原因物質、アミロイドβを除去する2つの薬「レケンビ(レカネマブ/2023年9月承認)」と「ケサンラ(ドナネマブ/24年9月承認)」。前回に続き、これらの薬について紹介したいと思います。 レケンビとケサ...
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認知症でリスク増…高齢者の転倒予防で重要なポイントは?
厚労省が行った「令和4年人口動態統計」によると、高齢者の転倒・転落・墜落による死亡者数は1万809人と、交通事故の2199人に比べて約5倍に上ると報告されています。 その理由として挙げられるのが、加齢による身体機能の衰えです...
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認知症の治療に加わる3つの新薬…11月20日から適用
長らく認知症の新薬が出ていませんでしたが、昨年から今年にかけて3種類の薬が登場しました。 昨年9月に薬事承認され、12月に薬価が決定したのが、アルツハイマー型認知症の原因物質アミロイドβを除去するレケンビ(一般名レカネマブ)...
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ナッツを食べると認知症予防になるのか…理想は1日30g
認知症の急増は、超高齢社会を迎えた日本にとって大きな社会問題です。新薬も開発されていますが、今のところ“認知症を治す”というところまで効果のある薬はありません。そうなると、何と言っても重要なのは予防です。 認知症は生活習慣と...
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認知症の人はいろんなことから解放され、だんだん穏やかになっていく
介護付き有料老人ホームで週数回、1年ほど働いている女性は、「アルツハイマー病に対しての印象が変わりました」と言います。 「もちろん健康でいられるに越したことはないと思います。でも、アルツハイマー病は不幸な病気、悲しい病気ではな...
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寒くなってくると認知症患者に増える相談「薬による蕁麻疹ですか?」
寒くなってくると夜間頻尿の相談が増えると10月29日付号でお話ししました。同じく寒くなってくると増えるのが、皮膚にできた発疹に関する相談です。 「急に蕁麻疹が出てきました。これは薬の影響でしょうか?」 認知症患者さんで...
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アルツハイマー病の新治療薬「ドナネマブ」の実力と対象者
認知症の7割近くを占めるアルツハイマー病。この進行を抑制する国内2例目の薬が9月に承認された。どんな薬か? 「早期発見、早期絶望」という言葉もあるほど、アルツハイマー病は長らく「進行を止められない病気」だった。薬はあったが、症...
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認知機能が低下すると、どうしてゴミ屋敷になってしまうのか
「足の踏み場もありませんでした。どうやって暮らしていたのかわかりません……。ゴミがあふれて汚れや臭いもあり、部屋に入るためにモノを動かすのも大変でした。患者さんは本当に自宅へ帰れるのでしょうか?」 入院中の軽度認知症患者さんの...