認知症
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「歩くスピードが遅くなる」は認知機能低下のサイン
歩く機能を維持することは、脳の老化を予防する上で非常に重要です。歩行と認知機能に関する研究は国内外でいくつも行われています。その一つで、日頃よく歩く人とそうでない人を比較。歩行時間が長いほど認知機能テストの得点が高いとの結果が出てい...
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認知症を発症したら地域の活動はやめるべきでしょうか?
「父が受け持っていた町内会長の役職を辞めさせるべきか悩んでいます。本人はまだ続けたいと話していて……」 以前、認知症と診断されたばかりの父親と一緒に暮らす娘さんから、こんな相談を受けたことがあります。地域活動への参加は、定年退...
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80代の親が脊柱管狭窄症で歩けない…手術するかどうか悩んでいる
「80代の母親が脊柱管狭窄症で、歩いていると脚がしびれて歩けなくなります。以前は遠くのスーパーまで買い物に出掛けていたのですが、脚が痛くて歩けないので、宅配サービスを利用するようになりました」 こう話す男性が悩んでいるのは、母...
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認知症の親についカッとなってしまう…どう対処すればいい?
認知症の方を介護する家族は、診断されてから病気の受け入れに至るまで、4つの心理的ステップをたどります。第1ステップは「戸惑い・否定」、第2ステップは「混乱・怒り・拒絶」、第3ステップは「割り切り、または諦め」、第4ステップは「受容」...
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アミロイドβがたまり、最終的に神経細胞死滅や脳の萎縮を招く
アルツハイマー病の発症に至るメカニズムで明らかになっているのは、脳内にたまるタンパク質「アミロイドβ」が関係しているということです。 アミロイドβはゴミのような存在で、普通は速やかに排出されるのですが、何らかの原因で排出され...
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認知症の症状を和らげる「タクティールケア」とは?
認知症の行動・心理症状(BPSD)に有効とされているのが「タクティール(R)ケア」です。手を使って相手の手や足、背中などに触れるケアで、押したり揉んだりするマッサージとは異なり、ゆっくりと柔らかく包み込むように行うのが特徴です。19...
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認知症の原因物質の蓄積の有無がわかる「アミロイドPET検査」どう活用すべきか
アルツハイマー病発症の引き金となるタンパク質、アミロイドβ。これが脳に蓄積しているかどうかを調べられる検査「アミロイドPET」を受けられる医療機関が増えています。 当院が開業した2018年には、アメリカでは300を超える施設...
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認知症終末期の親が誤嚥しないための食事介助法は?
認知症終末期になると、自力で食事を取ることが難しくなり、家族による食事介助が必要になります。その際、注意したいのが「誤嚥(ごえん)性肺炎」です。認知症により脳の萎縮が進むと嚥下機能が障害されて食物をうまくのみ込めなくなります。通常で...
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100歳で1人暮らし!娘のために楽しみながら料理を作るスーパー母さん
この連載の担当者が、二十数年通っている飲み屋さんへ行った時のこと。コロナ期間中にすっかり早寝になり、夜飲み歩くことが激減したため、その店へ行ったのは本当に久しぶりだったそうです。 突き出しの煮物を食べながら、ふと「(飲み屋店...
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認知症の患者がたばこを吸っても大丈夫でしょうか?
認知症の親に「たばこ」をやめてもらいたい──。そう考えるご家族は多いのではないでしょうか。たばこは、大量飲酒するほど認知機能の低下速度を速めるアルコールと異なり、認知症とは直接的な関係はないとされています。ですが、たばこには有害物質...
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片付けで実家へ…「処分しよう」「捨てないで!」の親子ゲンカに
千葉県の実家で70代の母親が1人暮らしをしているという40代男性(東京在住)。同僚が「親が急に施設に入ることになって実家を売ることになった。そのための片付けが本当に大変」という話を聞いて、他人事ではないと思いました。幸いなことに、自...
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認知症の父親がティッシュを食べてしまいます…対応策は?
認知症の親を介護する家族から受ける相談に多いのが、食べ物以外の物を口にする「異食」の症状です。 側頭葉が強く障害されて起きる症状に口唇傾向があり、これは食べられる食べられないに関係なく何でも口に入れる症状で、このうち食べ物以...
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バイアグラで認知症を予防できる? リスクが30~54%低減との研究報告が
「シルデナフィル(バイアグラ)」は、男性の性的機能の治療薬ですが、それ以外にも多くの健康効果があるのではないかと、研究が進められています。 この薬は血管に働く酵素の阻害剤で、性器の血流を増加させる作用を持っていますが、この酵素...
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元気な親と会える回数はもう数えるほどかもしれない
親にいつまでも元気でいてほしいけど、何があってもおかしくない年代なんだ──。東京23区内に住む50代の女性がそう感じたのは、コロナ禍で会えない2年間を経て、久しぶりに西日本の実家へ帰った時でした。 電話では時々話していたもの...
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認知症に備え「エンディングノート」に記入しておくべき内容は?
日本人女性の約半数、男性の4分の1が90歳を祝う「卒寿」を迎えているのはご存じですか。日本は世界一の長寿国である一方、認知症の患者数も世界一といわれています。 認知症の発症に備えて準備しておきたいのが「エンディングノート」で...
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高齢の両親に旅行をプレゼント…「お任せ」ではない自力で行くスタイルで
「ちゃんと行けるか、すごく心配だったんですが」と話すのは、東京在住の50歳の女性。大阪に住む80歳前後の両親に、1泊2日の旅行をプレゼントしたそうです。 それは、愛知県の名古屋から1時間ほどのところにある、フグとタコの島として...
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認知症の周辺症状を軽減させる「音楽療法」とは何か?
認知症を発症すると、物忘れのほかに不安や抑うつ、徘徊、暴力行為、不眠、幻覚や妄想といった周辺症状(BPSD)が現れます。向精神薬を用いた薬物療法が効果的とされる一方で、歩行障害や誤嚥といった副作用のリスクが問題視されてきました。そこ...
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夫が義母の認知症を認めたがらない…まずはかかりつけ医に相談
「お義母さんの様子がおかしいと言っても、夫は『そんなはずはない』の一点張りでした」 西日本に住む40代の女性は、夫と大学生の息子の3人暮らし。コロナ禍で2年近く電話だけのやりとりだった義母としばらくぶりに会ったところ、「以前は...
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認知症リスクをチェックする新しい評価尺度「J-MCI」とは?
前回、認知症の診断に必要な検査の方法についてお話ししました。認知症は早期に診断し、早期に治療を開始すると、病状の進行をある程度遅らせられると知られています。一方、ある調査では「認知症の症状が見られ始めてから病院を受診するまでに平均4...
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レビー小体型認知症は最初に幻視・妄想やパーキンソン症状が現れる
「半年ほど前、78歳の夫がレビー小体型認知症と診断されました」 こう話す女性は、夫婦2人暮らし。娘が電車で15分ほどの距離に住んでいるものの、子育て中ということもあり極力頼らず介護に当たっているそうで、「アルツハイマー型認知症...
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認知症と診断する際はどのような検査が行われているのか?
認知症の診断は、主に脳神経内科や脳神経外科、精神科や心療内科で行われています。受診する際は、なるべく家族が同伴する必要があります。認知症の初期症状で目立つのが物忘れの症状ですが、認知症がある程度進行していると自覚するのが難しく、家族...
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定年後…一方は人生を謳歌し、一方は内向き生活で認知症に
仕事を辞めると男性は一気に老け込む、と一般的によくいわれますが、「わが家の場合は、母親でした」と話すのは、50代女性のAさん。兵庫県出身で、結婚して現在は高知県で暮らしています。 Aさんのご両親は共働きで、父親が60歳で定年...
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認知症を狙った訪問販売が増加中…契約を取り消す方法は?
1人で暮らしている認知症の母の様子を見に行ったら、高額なサプリメントをいくつも購入していた──。近年、認知症の方を狙った悪質な「訪問販売」が増えています。実際、昨年5月に認知症と診断を受けている高齢者につけ込み、訪問販売でガスや電気...
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交流は認知症予防になる…幅広い年齢層が毎晩集まり真面目な話から軟らかい話まで盛り上がる
50代の女性はこの6年ほど、北日本のある漁村をしばしば訪れているそうです。 新幹線の停車駅から電車とバスを乗り継いで約4時間、自宅のある東京からだと7時間かかり、行きやすい場所とは到底言えません。 車を運転できないの...
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発達障害が認知症と誤診されやすいのはなぜか…その特徴とは?
高齢者の発達障害が、認知症と誤診されやすいのはご存じでしょうか。2022年9月、熊本大学の研究で認知症専門外来を認知症疑いで受診した患者446人のうち、7人は発達障害であったと報告されました。実際、当院でも物忘れの症状で認知症を疑い...
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認知症における「肥満パラドックス」は遺伝子の型で異なる
肥満が認知症のリスク因子となることは、世界的に権威のある医学誌「ランセット」でも明記されています。 ただし、それは中年期(45~65歳)の肥満。高齢期(66歳以上)の肥満は、認知症のリスク因子となっていません。高齢の肥満に関...
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離れて暮らす認知症の親の服薬管理はどうすべき?
高齢になるにつれ、処方される薬の種類が増えていきます。実際、厚労省によると、75歳以上の患者さんの4割は、5種類以上の薬を処方されているといわれており、薬の飲む種類、量や回数が多いほど間違いが起こりやすくなります。特に認知症の患者さ...
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簡便・負担少・短時間…AI&デバイスを使った新たな認知症診断
認知症の6~7割を占めるアルツハイマー病は、早くに発見し対策を講じれば、進行を遅らせられることがわかっている。さらには、画期的な新薬も登場している。 2023年、これまでにないアルツハイマー病の新薬が米国と日本で承認された。...
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料理も掃除も洗濯もしてもらえて生活は楽になったけど…
今年50歳になる女性は関西出身。大学生の時、阪神・淡路大震災を経験しました。 震災後すぐに神戸に行き、1人暮らしの高齢者のお宅に必要な物資を運ぶボランティアグループに所属。そのグループが縮小した後も、高齢者を訪問し、話し相手...
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視力が下がると認知症になりやすくなるのはどうしてか?
昨年7月、アメリカのミシガン大学が71歳以上の高齢者約3000人を対象に視力検査や認知機能検査を行った研究で、視力の低下は認知症の発症リスクを上昇させると明らかになりました。なかでも近く(手元)を見る視力に問題があるグループでは約2...