認知症
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「認知症の進行は独居の方が遅い」高齢者6000人超を診察して分かったこと
私は高齢者の精神医療を専門とし、還暦を過ぎたわけですが、これまでに6000人以上の高齢者を診察してきました。長い臨床経験の中には、認知症家族の家族会運営も含まれています。私ほど家族会に積極的に関わった医師はいないでしょう。 ...
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「認知症専門病院」への入院条件は?どんな処置が行われるのか
認知症を発症し、在宅介護が困難になると、入居先として特別養護老人ホーム(特養)やグループホームといった高齢者の介護施設が検討されます。しかし、暴力をふるったり、暴言がひどかったりして、同世代の高齢者や同じように認知症を患っている方と...
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年末年始の帰省時に老親と一緒にやっておきたい「4つの認知機能低下対策」
年末年始に帰省し、久しぶりに親御さんと会うという方も多いでしょう。親御さん、ひいてはご自身の認知機能低下対策のために、一緒にやると良いお勧めの方法を紹介したいと思います。 ■昔のアルバムを一緒に見る 「久しぶりにお父さん...
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ストレスは認知症の原因になる? 発症リスクが24%増
認知症の原因はさまざまですが、強いストレスを受けると、それをきっかけとしたかのように、認知症の症状が出現したり、急激に進行したりすることはよく知られている現象です。体の病気で入院すると、入院前には健康に生活していた人が、退院した途端...
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認知症の家族の「特養」への入居待ち期間はどう過ごせばいい?
自宅介護ができなくなった認知症の家族の入居先として最も人気なのが、「特別養護老人ホーム」(特養)です。国や自治体の補助金によって設立されていることから、入居一時金や初期費用がかからないなど比較的安価で利用できるためです。特養の場合、...
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補聴器は購入後の調整が必要 聞こえづらければ早めに相談を
これまでご来店いただき補聴器を購入された方の事情はさまざまです。その方の聴力や生活環境に応じておのずと補聴器を使う目的も変わってきます。補聴器はその人の心と体を支えるだけでなく、社会参加を促す社会インフラ機器の一面もあるのだという思...
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「オンライン健脳カフェ」は好きな時にどこにいても参加できる
昨年4月から、東京・四谷で開いているのが「アルツクリニック 健脳カフェ」です。 認知症になった人への支援はいろいろとあるのですが、認知症になる前や、認知症への不安が出始めた人への支援は、まだまだ少ない。そんな人の支えになれた...
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より良い認知症の介護施設を見極める方法 抜き打ち見学がおすすめ
家族が認知症を発症し、自宅での介護が難しくなると、老人ホームや介護施設への入居を検討することになります。これらの施設は運営主体や目的、入居条件などの違いによって種類が異なります。 大きく2つに分かれ、特別養護老人ホーム(特養...
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どんな場面でどう聞こえるようになりたいか 具体的にイメージして言語化する
お客さまの中には、実は以前にも別の店で補聴器を購入されたことがあるという方がいます。 そして、そんな方の中に比較的多いのが、販売店に勧められるままに、よく分からずに機器を購入してしまったというケースです。しかも、購入後も時間...
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アルツハイマー病の薬「レカネマブ」は夢の新薬と言えるか?
11月29日付の米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に、アルツハイマー病の新薬「レカネマブ」に関する論文が掲載されました。レカネマブは、製薬会社エーザイと米バイオジェンが開発中の薬になります。 アルツ...
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認知症の家族を施設に入所させた方がいいタイミングは?
認知症の家族を自宅で介護したいが、個人では限界を迎える場面があります。 アルツハイマー型認知症の余命は、初期症状から10~15年、介護の平均期間は6~7年といわれます。比較的初期段階には、脳の働きが低下することによって直接...
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求める補聴器のニーズは利用者それぞれ 最新式が合うとは限らない
先日、90代の男性のご自宅に訪問しました。息子さんが一緒に住まれています。 息子さんの話によると、4年ほど前に他のメーカーで補聴器を購入したが、いまいち聞きづらく「ないよりはマシ」といった程度だったとか。 そもそも日...
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脳ドックで無症候性脳梗塞が発覚 これを機に禁煙外来へ
認知症で最も多いアルツハイマー型認知症は、生活を健康的に改善することで、発症リスクを下げられます。また早期発見、早期対処で認知機能の低下スピードを緩やかにできます。ただ、現在の医療では完全に予防するのは困難です。 一方、アル...
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趣味を持つことは認知症の予防に効果的? 日本人対象の研究報告
趣味を持つことは、生活に「生きがい」をもたらし、健康状態に良い影響を与える可能性があります。実際、「生きがい」を感じている人では、そうでない人に比べて、死亡リスクが低いことを報告した研究もあります。 趣味を持つことはまた、習...
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認知症で一番身近な人間に被害妄想や攻撃性が表れるのはなぜか
認知症の患者さんの特徴として、判断力や理解力が低下し、状況把握が難しくなります。そのため、周囲の話の流れを理解できずのけものにされているという被害妄想が表れてしまう。また、感情のブレーキが制御できないので暴力や暴言といった攻撃につな...
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98歳でも遅くない! 補聴器と一緒にアクティブ人生の始まり
おかげさまでこの連載も60回を超えました。最近ではネットニュースにも転載され、読者からのコメントもよくいただけるようになり感謝しています。 そんな中、「気持ちが若い人ほど補聴器使用が早いと思います。心まで年老いてしまうと、周...
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認知症で「脳」が影響を受ける部分はほんの一部…95%は正常
認知症になっても、ご家族も含めて、人生は終わりじゃありません。この連載でも繰り返し述べていることですが、とても大切なことなので、何度でも言います。「認知症で何もかもわからなくなるなんて、不幸だ。人生終わった」というのは、大きな誤解で...
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ペットを飼うと認知症の予防になるのは本当?その理由とは
アニマルセラピーは、動物と触れ合うことによってストレスの緩和や精神的、身体的な活動の機能向上が促され、笑顔などの表情の変化や発話回数の増加につながるといわれています。そのため、認知症予防への効果を期待し、高齢者施設で取り入れられるケ...
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難聴が高度なら障害者手帳の取得で片耳分の自己負担額は1割に
補聴器は消費税がかからない非課税品であることをご存じでしょうか? 厚労省が推進する政策の中で「身体障害者用物品の非課税扱いについて」という項目があります。その中で、義肢、義眼、車椅子、視覚障害者安全つえ、視覚障害者用ワードプ...
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「疲れたから」と部屋にこもりがちの老親に笑顔が戻った
脳の健康を考える時、「意・情・知」が大切だと、前回述べました。「意」は意欲、「情」は感情、「知」は知能になります。人間の精神活動の基本として、土台が「意」になり、その上に「情」、一番上に「知」が乗っています。 認知症の母親を...
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認知症初期の人はどうして「盗まれた」と訴えるのか?
認知症の症状として、脳の認知機能の低下がみられます。認知機能とは、ものごとを正しく理解し、適切に実行するための機能になります。なかでも、「記憶力」と「理解・判断力」の低下が、日常生活に大きな影響を及ぼします。それによる弊害で、もっと...
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補聴器の一般的な耐用年数は5年だが手入れ次第ではそれ以上も
「補聴器は何年くらい使えるの?」 お客さまからよく出る質問です。 私は「一般的には5年くらいといわれています」とお伝えしています。この5年という数字は、厚労省が総合支援法による補装具としての耐用年数を5年と定めていると...
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一度で三度楽しめる「旅行」は脳の健康維持にも効果的
お得に旅行ができる全国旅行支援割。これを利用して、旅行に出かけた人、出かける予定の人も多いのではないでしょうか。先着順のために売り切れになっていたけれど、再度受け付けを開始したところもあると聞きます。コロナ対策には気をつけつつ、存分...
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認知症の前段階「軽度認知障害」の決定打となる兆候は?
認知症の前段階といわれる軽度認知障害(MCI)とは、健常者から認知症患者に移行するグレーゾーンの状態です。 認知機能の低下が始まっているものの、食事やお風呂、着替えといった日常生活には問題が出ていない状態で、本人や家族も気づ...
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もっと早く補聴器を使っていたら社会生活がより快適だった
認知症の危険因子として、難聴が指摘されています。しかし認知症やうつの危険性だけでなく、聞こえづらさを放置することで、大切な時間や楽しみを得る機会を逃しているかもしれません。 というのは、補聴器の使用者への調査で、「補聴器をも...
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酒を飲む人、少し飲む人、飲まない人…認知症になりにくいのは?
コロナで静かになっていた飲食店街も、最近賑やかさを取り戻していますね。今年こそは忘年会を、と思っている人もいるのではないでしょうか。そんな気持ちに水を差すわけではないですが、アルコールと認知症について取り上げたいと思います。 ...
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「認知症が回復した」というのは脳がどんな状態にあるのか?
認知症には大きく分けて、4種類あるとされています。「アルツハイマー型認知症」を筆頭に「血管性認知症」「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症」がそれに該当し、これらは不可逆的な認知症のため、一度進行してしまえば回復することはありませ...
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鍼灸では認知症にどのように対処しているのか…三焦鍼法とは?
認知症とはみなさんご存じの通り、認知機能が低下し日常生活などに支障をきたしていく疾患です。 認知症は高齢になるに従い増加し、超高齢社会の日本では約460万人、実に65歳以上の高齢者の約15%が認知症を患っているとされ、202...
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若年性アルツハイマー病は「すぐに何もかもできなくなる病気」ではない
認知症の中で最も多いアルツハイマー病は、若くても発症する場合があります。64歳以下で発症したアルツハイマー病を「若年性アルツハイマー病」と言います。 私が順天堂大学医学部付属順天堂医院で本邦初の若年性アルツハイマー病の専門外...
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認知症は「外見」にあらわれるのは本当?論文でも報告あり
認知症になると表情が乏しくなるといわれます。中期には不安やうつ状態などの行動心理症状が進行し、物事へのやる気や興味が低下し、感情の起伏が少なくなるためです。認知症になれば見た目年齢も老けてきます。2020年には認知症が「外見」に表れ...