認知症
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(1)私の脳がおかしいのかな…電話がかかってきた
私は東京に住んで30年ほどになる。猫5匹と暮らす独身ひとり暮らしだ。実家は熊本にあり、両親が住んでいたが、あるとき母の認知症がわかり、専門病院に入院。その半年後に父親が自宅で急死しているという出来事に見舞われた。 今回は4回...
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トランプ氏の認知能力に強い懸念…討論会での発言に精神医学の権威が“赤信号”
11月に迫った大統領選の討論会が開かれました。ハリス副大統領とトランプ前大統領の舌戦はあらゆる側面から分析・報道されていますが、ある著名な精神医学者がトランプ氏の認知能力に強い懸念を示す記事を発表し、話題になっています。 記...
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認知症の「重症リハ」はどのように取り組めばいいのか
認知症はサプリやリハビリで治りますといった誇大広告をよく見かけます。認知症は加齢とともに進行しますので、治る病気ではありません。ですから、本人と家族が困る症状をどうやって和らげてあげることができるのかに尽きます。われわれは24時間3...
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90歳過ぎて友達は少なくなったけれど…新たな場所で新たな友を
今回は、毎週金曜日に開いている「健脳カフェ」の常連さんを紹介したいと思います。 今年92歳のAさんは、いつも娘さんと一緒にいらっしゃいます。取材に来た記者さんが「ご夫婦じゃないんですか!?」と驚いたほど、Aさんは見かけもお話...
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「糖」を過剰に摂取すると物忘れが進むのはなぜか?
認知症の方の中には、ある時期を境に急激に認知機能が低下するケースがあります。 その要因が吸収不良だったと判明するケースは少なくありません。とりわけレビー小体型認知症やパーキンソン病によって発症するパーキンソン病認知症の方は吸...
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アルツハイマー型認知症のリハビリで注意すべきポイントは?
認知症を発症後のリハビリは、病気の種類と特徴を把握したうえでアプローチすることが大切になります。 今回はアルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症について取り上げます。 アルツハイマー型は脳の変性による認知症の70%...
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夕暮れ症候群…「自分の家に帰りたい」と言い出した時の対処法
夕方、辺りが薄暗くなり始めると、理由もなく物悲しさを感じた経験は誰しもがあることと思います。私も、もちろんあります。日が落ちるのが早くなる秋口から冬にかけては、寒さも相まって、特に物悲しさを感じます。 夕方に心が不安定になる...
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前頭側頭型認知症のリハビリではスケジュールが重要なのはなぜか?
認知症の中等症リハでは、施設でも自宅でも、1日単位のスケジュールと1週間単位のスケジュールをきちんと決めることが大切だと前回お話ししました。決まった時間にどこに行くのか、何をするのかといったスケジュールが決まっていると、「今日やるこ...
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オンライン健脳カフェへの質問…ノンアルコールビールなら大丈夫?
オンライン健脳カフェに、こんな質問が寄せられました。 「知り合いの夫婦のご主人が認知症です。夫婦ともにビールが好きで、奥さまが晩酌をやめられない。ノンアルコールビールなら大丈夫ですか?」 結論から言いますと、ノンアルビ...
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軽度認知障害から認知症に移行させないためには何をすべきか
軽度認知障害(MCI)とは、健常と認知症の中間に位置するグレーゾーンの段階です。患者数は国内に450万人以上とされ、診断から1年で10%、4年で40%が認知症に移行しています。ただ、すべての人が認知症を発症するとは限らず、適切に対処...
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認知症の中等症リハではなぜ「楽しんでできること」を探すのが重要なのか
認知症を発症後、軽症の段階から中等症に進行した患者さんに対し、できるだけ生活が困らないようにするために実施するリハビリが「中等症リハ」です。 中等症になると、記憶障害が加速して新しい出来事が覚えられなくなってきます。記憶が保...
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認知症の進行を抑制する2例目の新薬、日本での承認が決定
8月1日、厚労省の専門家部会が認知症の新しい薬「ドナネマブ」の製造販売承認を了承しました。今後は厚労大臣の正式な承認を経たあと、薬価が決められ、秋冬くらいから臨床現場で使われることになるでしょう。 昨年9月に日本の製薬会社エ...
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認知症の「軽症リハ」で、昼夜逆転の生活リズムを戻すこと重要なのはなぜか
認知症を発症後、軽症の段階で介入して、できる限り進行を遅らせ、“できる能力”を向上させる認知機能向上リハビリが「軽症リハ」です。 私が院長を務める、ねりま健育会病院に設置している「介護老人保健施設(老健)」では、入所された軽...
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認知症患者の行方不明対策におすすめのグッズやサービスは?
今年7月、警察庁は昨年1年間に報告された認知症やその疑いがある人の行方不明件数は1万9039人で過去最多を記録し、そのうち502人は遺体で発見されたと公表しました。 認知症の方は、ただ外に出たいからではなく、散歩や買い物、あ...
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認知症の「軽症リハ」では具体的にどんなことを行うのか
当院で実施している認知症リハビリのうち、今回は「軽症リハ」についてお話しします。 認知症発症後、進行を遅らせて“できる能力”を向上させるためのリハビリです。 認知症には進行度が定められています。日常生活に支障を来すほ...
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認知症になると本当に間違えたことを他人のせいにするようになるのか
最新医療に裏付けされたさまざまな認知症予防プログラムを配信する「オンライン健脳カフェ」。毎週金曜日の11時半から12時まではライブ配信を行っています。 そこではみなさんにお伝えしたい情報を私がお話しするほか、ライブ配信中は随...
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認知症の予防リハビリで“頭”を使った訓練は有効なのか?
ねりま健育会病院の「介護老人保健施設(老健)」では、認知症ではなくても高齢者の「認知機能向上リハビリ」を実施しています。前回は、認知症の発症を遅らせるために取り組む①「予防リハ」のうち、筋力トレーニングについてお話ししました。 ...
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熱中症は認知機能低下を進める恐れあり…暑すぎるときは手浴・足浴が役立つ
連日、ひどい暑さですね。かつては冬が、高齢者にとって最も体への負担が大きく、乗り切るのが大変な季節でした。しかし今は、夏が最も大変。健康に夏を乗り切るために、特に脱水には気をつけてください。 脱水で熱中症になると、一時的とは...
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若年性認知症でも仕事を続けたい…どこに相談すればいい?
若年性認知症と診断された方や、そのご家族が抱える悩みに多いのが「仕事の継続」です。65歳未満の働き盛りに発症するため、仕事を辞めると収入がなくなり家のローンや子供の学費など、家計に大きなダメージをもたらします。実際、厚労省が2020...
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認知症との誤診に注意! 高齢者のてんかんはけいれん発作が生じないケースが多い
認知症だと思っていたら、実は「てんかん」だった──。北里大学医学部精神科学講師で相模原市認知症疾患医療センター長の大石智氏によれば、こういったケースは珍しくないという。詳しく話を聞いた。 ◇ ◇ ◇ 自動車整備...
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天才物理学者アインシュタインの脳に見られる特徴とは?
頭がいい人の脳はどうなっているのか? 誰もが一度は思ったことがあるのではないでしょうか? 天才物理学者としてよく知られるアルバート・アインシュタイン。特殊相対性理論、一般相対性理論を提唱し、1921年にノーベル物理学賞を受賞...
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「歩行が認知機能維持にいい」と聞いてすぐ実行する人の共通点
卵が先か、ニワトリが先か。何度か申し上げていることですが、たとえば「よく歩く人は、認知機能が低下しにくい」という調査結果があったとして、「よく歩けば、認知機能を維持できる」とまでは言えません。 確かに「歩行」は健康維持につな...
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低栄養の負のスパイラルをつくらない…不可逆的な状態に至ることも
高齢者ではさまざまな理由から、低栄養になりがちです。 低栄養とは、日本老年医学会によると「摂取エネルギー不足、またはある種の栄養素の摂取不足により、健康上何らかの支障がある状態を低栄養といい、不十分な栄養摂取や不適切な栄養法...
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糖尿病と認知症を合併した親の血糖値コントロールはどうすればいい?
糖尿病の方はそうでない人に比べて認知症を発症しやすいのはご存じでしょうか。アルツハイマー型で約1.5倍、脳血管性認知症は約2倍リスクが高まるとされ、未治療の糖尿病は最も危ない危険因子のひとつといわれています。 在宅介護で問題...
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服装の乱れがないか?患者さんの服装も重要な情報になる
「人に会うと、特にご高齢の方では、服装をついチェックしてしまう」 本連載担当者が先日、某地方都市にある公立病院のメンタルクリニックに長年勤務していた看護師さんと話す機会があったときのこと。その看護師さんに、「仕事で身に付いたク...
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認知症の人が打っておきたい「ワクチン」の種類は?
認知症が進行するにつれ在宅介護が難しくなると、施設への入居を検討する家族も多いのではないでしょうか。高齢者施設で問題となりやすいのが、感染症のまん延です。 認知症の方が多く入居される施設では、認知機能の低下からマスクの着用や...
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熱中症救急搬送は高齢者が半数以上を占める…若年者よりリスク高
昨年5月から9月における全国の熱中症救急搬送人員は、総務省の発表を見ると9万1467人。前年の同期間と比べると2万人ちょっと増えており、過去2番目に多い搬送人員だったそうです。 年代別の救急搬送人員で最も多いのが高齢者。半数...
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認知症の親から何度も電話が…どう対処すればいいのか
「近所に住む母から毎日30分おきに電話がかかってきて、電話に出ないと家まで押しかけてくるのですが……」 そう話すのは、都内に住む50代の女性。認知症の母が暮らす実家から歩いて15分の場所に住んでいて、1日20回以上かかってくる...
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サバ缶は健康にいい? 脳の活性化や血管の若返りなどと言われるが…
今から6~7年前、「かつてないほどのサバ缶ブーム」が起こりました。 全国のスーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストアを対象に行った調査では、サバ缶は2017年で前年比35%増、18年にはさらに伸びが加速し前年比...
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負担を減らす介護法「ユマニチュード」では相手にどう触れればいい?
前回、認知症の方を介護する際に、人間らしさを尊重する「ユマニチュード」の4つの基本技術である「見る」「話す」を意識して行うと、相手に介護する側の思いが届いて介護の負担を減らせる可能性が高いとお話ししました。今回は「触れる」「立つ」に...