認知症
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認知症になりやすい人の特徴は? 当てはまったら何をすべきか
日本が世界一の認知症大国であるのはご存じでしょうか。OECD(経済協力開発機構)が主要38カ国を対象に行った調査によると、認知症有病率の平均が1.57%なのに対して日本は2.67%で最も高いと報告されています。 日本の平均寿...
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アミロイドβの次はタウタンパク質を除去する薬の開発【アルツハイマー病治療最前線】
先週からお届けしているアルツハイマー病治療の最前線。日本認知症学会理事長で東大大学院医学系研究科神経病理学分野の岩坪威教授に話を聞いた。 【8月21日に承認が了承された「レカネマブ」はどんな薬?】 アルツハイマーの原因...
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アルツハイマー病治療最前線 発症前からの薬投与で認知機能低下を抑える
アルツハイマー病の原因物質アミロイドβをより早い段階で除去し、認知機能低下を遅らせる。それを目的に、現在行われているのが「プレクリニカル期」での薬の投与だ。前々回、前回に続き、日本認知症学会理事長で東大大学院医学系研究科神経病理学分...
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アルツハイマー病の新薬は認知機能低下を7カ月半遅らせる
先週21日、アルツハイマー病の新薬「レカネマブ」の承認が、厚生労働省の専門部会で了承されました。厚労相が正式承認すれば、アルツハイマー病の原因物質を脳から取り除く初めての薬となります。 アルツハイマー病が初めて報告されたのは...
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認知症の親の担当ケアマネと相性が悪い…変更できるのか
要介護認定を受けて担当ケアマネジャーが決まったものの、担当者と合わない──。認知症の親を介護するご家族からそんな相談をよく受けます。 ケアマネジャーとは、介護を必要とする方が適切な介護保険サービスを受けられるようケアプラン(...
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実用化が近づくアルツハイマー病新薬「レカネマブ」さらなる最新ポイント
アルツハイマー病の新薬、レカネマブが厚労省の専門家部会で承認された。治療現場で使われるようになるのも間もなくだ。日本認知症学会理事長で東大大学院医学系研究科神経病理学分野の岩坪威教授(写真)にアルツハイマー病治療薬について話を聞いた...
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承認されたアルツハイマー病の新薬「レカネマブ」ってどんな薬?
認知症で最も多くを占めるのがアルツハイマー病だ。厚労省は21日、薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会を開き、世界で注目されているアルツハイマー病治療の新薬の承認を決定した。日本認知症学会理事長で東大大学院医学系研究科神経病理学分野の岩...
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母親の死後、血糖コントロールが悪くなった父親をなんとかしたい
「父親は78歳。糖尿病で、30年近く薬を飲んでいます。母親が生きていたときは血糖コントロールが良かったんですが、半年前に母親が亡くなって以来、レトルト食品やスーパーの総菜が増えて、血糖コントロールも悪くなってしまいました」 た...
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認知症の「妄想」で起こる近隣トラブル…具体的な対処法は?
認知症に伴って生じる症状のひとつに「妄想」があります。妄想にはいくつか種類があり、よく知られているのが「物盗られ妄想」です。この場合は「財布を盗まれた」などと真っ先に家族を疑うので、家庭内の問題でとどまります。しかし、「被害妄想」や...
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就職して激太り。検診で指導を受けても聞き流していたが…
現在55歳のHさんは、学生時代は体育会系に属し、いくら食べても太ることがなかったそうです。 ところが就職後、仕事が忙しくて運動する時間がほとんどなくなりました。一方で、営業部に属し、仕事で飲んだり食べたりする機会が増えました...
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認知症のひとつピック病の患者が万引を繰り返すのはなぜ?
ピック病の方が「万引」を繰り返して店側とトラブルになるケースがあります。ピック病は前頭側頭型認知症のひとつで、理性や衝動性を抑える前頭葉眼窩面が障害されるので、発症後にモラルに反した行動が繰り返されるようになります。平均発症年齢は4...
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老いの受け入れが幸せの一歩 85歳以上のほぼ全員にアルツハイマー型認知症の所見
ボケるのは嫌だ。読者の皆さんの中には、そう思っている方がいるかもしれません。しかし、国内外の研究や私自身の知見を総合すると、85歳以上の方の脳にはほぼ全員にアルツハイマー型認知症に特有の所見が見られます。 脳の解剖学的には、...
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夫婦ともに認知症で夫に先立たれた妻「パパのところに行けるわ」と眠るように…
先週からの続きです。 ともに認知症ながら、2人暮らしの90代のご夫婦。冬の朝、旦那さんが玄関先で倒れているのが発見されました。 幸いなことに旦那さんは一命を取り留めましたが、入院中の安静生活で歩行困難に。 そ...
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そんな理由にだまされるとは…1人暮らしの母親がオレオレ詐欺に
「ゴールデンウイークに入る直前、母親がオレオレ詐欺に遭ったんです」 こう話すのは、大阪府在住の50代男性、Kさん。お母さんは奈良県で1人暮らしをしており、Kさんは2週間に1回くらいの割合で実家に帰っています。 「私が実家...
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認知症を発症してからもお酒は飲んでいいのか…注意点は?
認知症を発症した親と以前のように一緒に晩酌したい--。そう希望するご家族も多いのではないでしょうか。アルコールはかねて認知症との関連が指摘されてきました。日本酒3合以上といった大量飲酒を長期間にわたって続けると、脳の前頭葉を萎縮させ...
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実家のリフォームは親が認知症を発症してからだと悪化する
お盆に帰省する人の中には、実家のリフォームを検討している人がいるかもしれません。高齢者の精神医療を専門とする私からすると、大がかりなリフォームは認知症を発症する前の元気なうちに行うことがとても重要です。もし認知症を発症してからの対応...
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90代夫婦2人暮らし 認知症を患いつつも楽しく暮らしていたが…
認知症といっても程度はさまざまで、日常生活を普通に送ることが難しくない方は少なくありません。 当院の患者さんで、90代のご夫婦ともが認知症。お2人暮らしをされていました。 旦那さんは寡黙だけれど明るい性格。日常的に物...
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認知症治療は薬も大切だが、もっと大切なのは「発症・進行を遅らせる」こと
ご家族の方からときどき聞くことのひとつに、「治療は薬物療法中心なので、あとは介護の方と相談するように」というものがあります。もの忘れ専門外来に通院していてもこのように言われることも少なくないようです。 薬物療法も大切です。私...
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認知症の親が卑猥な言動を繰り返す…どう対応すればいいのか
認知症を発症すると、性的な言動が繰り返し見られるケースがあります。これは「性的逸脱行為」と呼ばれ、介護者に対して卑猥な質問を繰り返し行ったり性器を露出したり、時には性行為を迫る特徴です。認知症患者さんの30%以上に見られ、理性を保つ...
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認知症の検査結果や診断内容の説明も必ず患者さん同席で行う
「本人抜きで、先生とお話ししたいのですが」 認知症を疑って来院した方のご家族から「本人不在面接」を希望された場合、私は基本的にお断りしています。それは、2回目以降の診察でも同じです。 面接は「患者さん第一」であり、また...
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料理好きな認知症患者…火事を防ぐために何ができるのか
料理好きな認知症の母が「火事」を起こさないか心配だけど、料理を続けさせてもいいのでしょうか──。認知症の患者さんを介護する家族からしばしばこんな相談を受けます。実際、東京消防庁の報告によれば、2021年に起きた住宅火災の出火原因のう...
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初診時こそ患者さんとの信頼関係を築く一番大切なタイミング
「笑顔で診察室を出てほしい」「また来たい、と思える診察をしたい」──。私が外来をする際、常に念頭に置いていることです。 重要なのは、初診時。第一印象が後々までその人との関係性に影響を及ぼすということは、よくあると思います。「こ...
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認知症になるとあることないこと「作話」をするのはなぜ?
アルツハイマー型認知症を発症すると、「作話」の症状が見られるケースがあります。「息子にお金を盗まれた」「私は日本一の大女優だった」など、作話の内容はさまざまです。この症状は認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)~認知症初期の患者...
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認知症疑いの親に病院で検査を…どうやって切り出せばいい?
「病院で義母を診てもらいたいんですが、どう説得すればいいのか……」 この女性は、ダンナさんのお母さんと車で30分ほど離れた場所に住んでいます。 ダンナさんは男兄弟しかおらず、結婚した時、お義母さんは「娘ができてうれしい...
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近年、注目されている「認知症カフェ」では何が行われているの?
「認知症カフェ」は、専門家や地域の人との交流を通して認知症の進行を遅らせ、認知症の方やその家族の社会的孤立を防ぐのを目的に、2012年から本格的に始まりました。これは「オレンジプラン」と呼ばれる国の認知症施策の一環で、認知症の当事者に...
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認知症「早期発見の検査」と「予防のツボ」…昨年の行方不明者は1万8709人で過去最多
親などを介護する人にとって厄介な症状のひとつが徘徊だ。警察庁によると、認知症やその疑いで行方不明になった人は昨年、全国で延べ1万8709人だった。前年比1073人増と過去最多。統計を取り始めた2012年から10年でほぼ2倍に増えてい...
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認知症の疑いは何科を受診する? 大事なのは診療科で選ばないこと
(家族に)認知症を疑う症状が見られる。病院で診てもらいたいんですが、何科に行けばいいのでしょうか──? そんな質問を時々受けます。 かつては、健常者か認知症かで考えられていましたが、今は、認知症に至るまでは段階があることがわか...
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認知症患者の「収集癖」に対する具体的な対処法は?
認知症になると、チラシやトイレットペーパーなど、特定の物を集める「収集癖」の症状が現れるケースがあります。周囲からすると一見不要な物を集めたり隠したりするので、同居する家族は捨てたくなるでしょう。しかし、認知症の方は何かしら価値があ...
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診察室に入ってきた時の表情、姿勢、動作、歩き方、会話に着目
病気の内容に限らず、患者さんを診察する時、私たち医師が着目するのは、患者さんや同伴の方(主にご家族)の話の内容に限りません。むしろ、それ以外のこと、たとえば診察室に入ってきた時の表情、姿勢、動作、歩き方、言葉を交わしている時の様子な...
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世界の医学界が注目する認知症と難聴の関係…補聴器の使用で認知症リスクは8%程度低下
高齢化が進むわが国で認知症対策は喫緊の課題だ。診療をしていると、「最近、物忘れがひどくなって、認知症が始まったのではないかと心配です」と相談されることが多い。どうすれば、認知症を予防できるだろうか。 4月13日、中国の山東大...