認知症
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「2つのことを同時にこなせない」が脳の老化を加速する?
屋外の歩行は、手足を動かすだけでなく、道路標識や信号の確認、位置情報の把握など、複数の認識能力を同時に使うことが求められます。 「テレビを見ながら掃除をする」など、2つのことを同時に行う課題を二重課題と呼びますが、屋外歩行も二...
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入院した高齢者の3分の1がせん妄を経験…発症の半分は入院中に
せん妄は、突然発症する精神機能の障害のこと。高齢者に特に多く、一般的な医療機関に入院した70歳以上の高齢者では、3分の1がせん妄を経験。その半分は入院時点でせん妄となり、残りの半分は入院中にせん妄を発症するといわれています。何かひと...
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会話ができない認知症晩期の患者で注意するポイントは?
認知症の進行度を評価するスケール「FAST」によると、晩期は発症から3~4年後に訪れるとされています。晩期になると、言語機能が低下するため話せる言葉は数単語程度しかありません。同時に運動機能も低下するので患者さんはだんだん歩けなくな...
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年を取ると睡眠の質が低下…認知症ではより強く現れがちになる
昔は朝まで熟睡できたのに、夜中に何度も目が覚めるようになった──。高齢の方から聞いたことはないでしょうか? 年を取ると、若い頃と比べて睡眠の質が低下します。 高齢者では中途覚醒回数(夜中に目が覚める回数)や覚醒時間が増加し、...
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嚙み合わせが悪いと認知症の発症リスクが高まるのは本当か?
「噛み合わせ」が正しい位置にあると、認知の原因物質となるアミロイドβが減少したとの研究が、岡山大学によって発表されました。しかし、これはラットを用いた研究なので、人間でもアミロイドβが減るとは言い切れません。ですが、「噛み合わせ」「噛...
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「BPSD」のひとつが幻覚や妄想 認知症の30~40%でみられる
「認知症の症状は、中核症状と行動心理症状に分類される」と、以前に紹介しました。行動心理症状は「BPSD」とも呼ばれます。 BPSDのひとつが、幻覚や妄想です。認知症の30~40%で何らかの幻覚や妄想がみられるという報告がありま...
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認知症になると人格が変わるのはなぜ… 家族ができる対処法とは
認知症の患者さんの症状として、物忘れや判断力の衰えのほかに「人格変化」があります。もともと穏やかな性格の人が急に暴言を吐いたり暴力を振るうようになったり、活動的だった人がひきこもりがちになるのが特徴です。家族からよく「人が変わっちゃ...
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「いつか」「どこに」「だれか」がわかりづらくなってくる
認知症の「認知機能障害(中核症状)」には、前回紹介した記憶障害のほか、見当識障害、失語、視空間認知障害、遂行機能障害などがあります。「アルツハイマーは初期に記憶障害が目立ちやすい」といったことはありますが、原因によらず、どの認知症で...
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「認知機能の低下」とは具体的にどんな能力が低下するのか?
認知症について書かれたものを読んでいると、「認知機能の低下」「認知機能の障害」という言葉が頻繁に出てくることでしょう。本連載でも毎回と言っていいほど登場しています。では、そもそも具体的にどういうことを指すのか?「記憶力が落ちる」くら...
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補聴器を検討している方に覚えておいてほしい3つのこと
これまでほぼ2年にわたり、本連載で補聴器の情報を届けてきました。 連載最後となる今回は、補聴器に関する「覚えておいてほしい3つのこと」を改めてお伝えしたいと思います。 それはまず「難聴は認知症の危険因子」であるという...
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補聴器使用者はそうでない人より認知機能低下が抑制される
本連載を読んだというお客さまから「認知症は補聴器で予防できるの?」という疑問をいただくことがあります。 補聴器は医療機器です。医療機器には、効能効果が厳密に定められており、現時点で補聴器に定められている効能効果は「難聴者の聴...
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オリーブオイルが豊富な地中海食で脳の前頭葉機能が改善
認知症リスクを下げるには何を食べればいいの──? これはとてもよく受ける質問。「アルツクリニック東京」が運営する健脳カフェやオンライン健脳カフェでも、認知機能と関わりの深い食事や栄養に関する知識を学べる教室を開いています。 ...
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補聴器で「聴く」力を取り戻し、人生をもっと謳歌しよう
「『補聴器、どうしよう?』と迷っている気持ちもわかるけど、こんな便利な道具、活用しない手はないと思う。ひとつどうです。気軽に試してみたら。私の噺だって、もっともっと楽しまなきゃもったいないですよ!」 これは昨年72歳で亡くなら...
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中年期の肥満はアルツハイマー型認知症のリスクを3倍上げる
「肥満」と「肥満症」。この2つは、現在、区別して捉えられています。 肥満は太っている状態を示す言葉。一方、肥満症は治療の対象となる「病気」。だから「肥満“症”」という名称になっているのです。 「肥満症」という概念が提唱さ...
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あの男性が寡黙なのはもしかしたら聞こえが悪いのが原因かも
あなたは1日のうち、どれぐらい人と会話していますか? 国立国語研究所が「大規模日常会話コーパスに基づく話し言葉の多角的研究」(2016年4月~2022年3月)内で、「一日の会話行動に関する調査報告」を上げています。 ...
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認知症でみられる「アパシー」 自分にも周囲にも関心がなくなり何もやろうとしなくなる
前回に続き、「アパシー」に触れたいと思います。 アパシーは、自分のことにも周囲にも関心を持たなくなり、何もやろうとしなくなる状態。一見、うつ病と非常に似ています。 しかし、病態も治療も対処法も、うつ病とアパシーは異な...
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クルマを運転している時に表れる認知機能の低下サインとは?
最近、高齢者の運転中の事故に関するニュースを目にする機会が増えました。日常生活では気づかない初期の認知機能の低下が、運転動作に表れることはあります。警視庁のホームページにも、軽度認知障害の人が運転している時に表れやすいサインが、「運...
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「物忘れ」から始まる認知症は進みにくい 米国の2400人データから判明
認知症の初期症状として最も多いのは、今覚えたことをすぐ忘れてしまう、という「物忘れ」です。しかし、それ以外に言葉の出なくなる失語や、馴染みのある場所で迷子になってしまう見当識障害など、他の症状で始まる認知症もあります。 認知...
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男性ホルモン補充で活動的になる 元気はつらつ、物忘れ改善にも
男性と女性を比べてオシャレに敏感なのは、総じて女性でしょう。その差がより顕著になるのが高齢になってから。35年以上、高齢者を診察してきた経験で、オシャレに気を配る人ほどボケとは無縁だったり、軽い認知症はあっても日常生活にあまり影響な...
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認知症でも脳に器質的変化があるとうつ症状が出やすくなる
「うちのおばあちゃん、以前は社交的で趣味も多かったのに、認知症になってからはうつっぽくなって、いろんなことに興味を示さなくなりました」 こんな内容の相談を受けることがあります。 脳に器質的変化があるとうつ症状が出やすく...
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補聴器は耳の不自由な人にとって人生の「歩調器」でもある
先日、60歳代前半の男性のお客さまにご来店いただきました。 この方は複数の会社で監査の仕事をされており、仕事の中で常に細かな数字を交えた打ち合わせや、会議をしたりすることが多いのですが、いつしか耳の聞こえが悪くなり、5年ほど...
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認知症の親が、がんの手術を迫られた…症状が悪化するリスクは?
認知症患者に大きい手術を受けさせることは病気を治せても認知症症状悪化のリスクはあるのでしょうか──。介護をするご家族から聞かれることがありますが、当然、一定のリスクはあると思います。 しかし、手術が必要になるような「がん」や...
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実家のリフォームで認知症が進行する 要介護度2→4にダウンするケースも
高齢の親が一人で住んでいると、離れて暮らす子供は心配でしょう。物忘れをはじめ気になる症状があれば、なおさらです。 そんな親が認知症と診断されたら、子供はどうするか。ズバリ、初期は何もしないこと。見守ることを心掛けることが大切...
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近視でメガネは平気でかけるのに補聴器は…梅沢富美男さんのエピソード
俳優の梅沢富美男さん(72)がテレビ朝日系「徹子の部屋」にゲスト出演され、ご自身が昨年から補聴器をつけるようになったことや、つけるきっかけなど、補聴器にまつわるご自身の体験をお話しになっていたのを拝見しました。 番組の内容は...
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定期的かつ長期的な運動は認知機能に良い影響をもたらす
健脳カフェ、そしてオンライン健脳カフェでは、積極的に運動プログラムを取り入れています。 高齢者や体力がない人でも筋力向上ができる「ラクティブ」、認知機能と運動機能の向上を目指した「シナプソロジー」などです。 定期的か...
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言動がガラリ一変…認知症の「日内変動」はなぜ起こるのか
人間の「体内時計」は、脳の中心部の視交叉上核という部位にあります。体内のほぼすべての臓器にも体内時計は存在し、脳からの指令によって体内の時間軸を調整しているのです。 この体内時計によってコントロールされている血圧、心拍数、体...
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認知症で暴れたり、叫んだり…は誤解 問題行動にはかなりの部分でキッカケがある
皆さん、認知症というと、暴れたり、叫んだりする病気と思っていませんでしょうか。それは、誤解です。今回は、その誤解を解いていきましょう。 現在放送中のテレビドラマ「Get Ready!」第5話では、若年性アルツハイマーを患う妻...
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最愛の娘を亡くし生きる気力や聞く欲求を失っていた女性が…
補聴器によって生き方が大きく前向きに変わった──。そんな話を聞くことは珍しくありません。さまざまな人生の転機に補聴器の存在があり、日々それに立ち会わせていただいています。 最近、70代の女性が息子さんとご来店されました。ご本...
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オンラインで認知症の予防情報を発信 既存の対策とどう違う?
WHOが発表する12項目の認知症予防をもとにしたプログラムを実践する場として、東京・四谷に「健脳カフェ」を開設したのは2021年。運動、栄養、社会交流、ゲームなどを行うとともに、生活改善のアドバイスや認知症に関する相談など、幅広い予...
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認知症の初期症状で「嗅覚障害」が起こるのはなぜか?
認知症の早期発見の手がかりとなる症状のひとつに「嗅覚障害」があります。認知症の検査に嗅覚の異常を調べる項目はありませんから割合ははっきりしていませんが、発症の約10年前、いわゆる認知症の前段階の軽度認知障害(MCI)の頃から、嗅覚は...