認知症
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「財布を盗まれた」と大騒ぎ…それがきっかけで認知症が発覚
「認知症の母親が、通販でいろいろ注文をして困ります」と言うのは、40代後半のある男性。 お母さん(70代)は静岡県に1人で住んでおり、男性は東京都在住。認知症が発覚したきっかけは数カ月前。お母さんが「近所の人に財布を盗まれた」...
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認知症患者が1人で家にいるときに不安を感じさせない方法は?
認知症が進行すると、不安の症状が強く現れるケースがあります。よく、認知症の患者さんを在宅介護されている家族から、「外出していると、大した用事もないのに何度も電話をかけてくる」と聞きます。患者さんはなぜ今1人で家にいるのか分からず不安...
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睡眠薬が認知症の予防に有効!? 神経医学の専門誌に掲載
認知症の代表であるアルツハイマー型認知症では、まずアミロイドβというタンパク質が脳にたまり、それからしばらくして今度はタウという別の脳内タンパク質がリン酸化という変化を起こして蓄積します。脳細胞が死んで物忘れなどの症状が出るのは、そ...
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今日も「健脳カフェ」は賑やか 学生も入り交じり会話が弾む
毎週金曜日の朝10時から開いている「健脳カフェ」。コロナ禍でも毎週のように通ってこられる方がいたのですが、ゴールデンウイーク明けの先日は、お天気が良かったこともあり、一層賑やかでした。用意した椅子がすべて埋まり、新たに椅子を設置する...
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認知症の本人が「食べたい」と何度も訴えたら食事を与えてもいいのか
認知症の症状のひとつに、食行動の異常があります。特にアルツハイマー型認知症に多いのが「過食」です。認知機能の低下で記憶障害が起こり、食事した行為そのものを忘れて何度も食べるとされています。 また、認知症で満腹中枢の働きが低下...
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認知症最新研究 特定の「音」を聞かせて原因物質アミロイドβを減少させる
認知症で最も多くを占めるアルツハイマー病は、脳の神経細胞の周囲にアミロイドβというタンパク質が蓄積することで神経変性が進行し、脳が萎縮して発症する。アミロイドβの蓄積は、アルツハイマー病を発症する20年ほど前から始まることもわかって...
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「海馬の萎縮=アルツハイマー病」とは限らない 慎重な鑑別が必要
認知症とは、いったん獲得した認知機能(記憶や判断、計算など)が低下することで、日常生活や社会生活に支障をきたしている状態です。 「認知症=アルツハイマー病」と思われがちですが、認知症の中にもさまざまな病気があります。 ...
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要介護認定を受けたものの本人が拒否したら家族はどうするべきか
認知症の方が介護保険を利用して介護サービスを受けるためには「要介護認定」を受ける必要があります。これには「要支援」と「要介護」の2種類があり、日常生活の中でどのくらい介護を必要とするかにより判断が異なります。 要支援は、基本...
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「米ぬか」はアルツハイマー病の治療に役立つのか…医師主導研究がスタート
東京歯科大学市川総合病院では今、ある臨床試験への参加希望者320人を募集している。目的は「米ぬか成分によるアルツハイマー病への治療効果」を確かめること。主任研究者である同病院准教授の宗未来医師(精神科医)に話を聞いた。 ◇ ...
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「物忘れ」とは最近やさっき起きたことの記憶を保持できない
アルツハイマー型認知症の話の中で、必ずといっていいほど出てくる言葉が「物忘れ」です。ではみなさん、「物忘れ」って、具体的にはどういうことを指すと思いますか? 認知機能低下を心配して来院した方やそのご家族に「物忘れはありますか...
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認知症では寝ているときに手足が勝手に動いてしまうのはなぜ?
ときどき、認知症の人が夜間に徘徊して、行方不明になるといったニュースを目にすることはありませんか。徘徊は、一般的に認知機能の低下によって直前のことが思い出せなくなり、目的を見失うことで起こります。たとえば、トイレに行こうと思ったもの...
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軽度認知障害の時期に対策を講じれば、健康な状態に戻れる
認知症で最も多くを占めるアルツハイマー型認知症。治す薬が現段階では登場していないことから「早期診断に意味がない」と思う方がいるかもしれません。 しかしアルツハイマー型認知症は、症状の進行が非常にゆっくり。早期に見つけ、対策を...
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65歳未満で発症する若年性認知症になったら仕事は続けるべきか
一般的に高齢者に多い認知症のほかに、65歳未満で発症する「若年性認知症」があります。女性に比べ男性に多く、働き盛りの50代で発症するため仕事を辞めてしまうと収入がなくなり、家計に大きな影響をもたらします。また、家のローンや子供の学費...
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「2つのことを同時にこなせない」が脳の老化を加速する?
屋外の歩行は、手足を動かすだけでなく、道路標識や信号の確認、位置情報の把握など、複数の認識能力を同時に使うことが求められます。 「テレビを見ながら掃除をする」など、2つのことを同時に行う課題を二重課題と呼びますが、屋外歩行も二...
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入院した高齢者の3分の1がせん妄を経験…発症の半分は入院中に
せん妄は、突然発症する精神機能の障害のこと。高齢者に特に多く、一般的な医療機関に入院した70歳以上の高齢者では、3分の1がせん妄を経験。その半分は入院時点でせん妄となり、残りの半分は入院中にせん妄を発症するといわれています。何かひと...
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会話ができない認知症晩期の患者で注意するポイントは?
認知症の進行度を評価するスケール「FAST」によると、晩期は発症から3~4年後に訪れるとされています。晩期になると、言語機能が低下するため話せる言葉は数単語程度しかありません。同時に運動機能も低下するので患者さんはだんだん歩けなくな...
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年を取ると睡眠の質が低下…認知症ではより強く現れがちになる
昔は朝まで熟睡できたのに、夜中に何度も目が覚めるようになった──。高齢の方から聞いたことはないでしょうか? 年を取ると、若い頃と比べて睡眠の質が低下します。 高齢者では中途覚醒回数(夜中に目が覚める回数)や覚醒時間が増加し、...
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嚙み合わせが悪いと認知症の発症リスクが高まるのは本当か?
「噛み合わせ」が正しい位置にあると、認知の原因物質となるアミロイドβが減少したとの研究が、岡山大学によって発表されました。しかし、これはラットを用いた研究なので、人間でもアミロイドβが減るとは言い切れません。ですが、「噛み合わせ」「噛...
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「BPSD」のひとつが幻覚や妄想 認知症の30~40%でみられる
「認知症の症状は、中核症状と行動心理症状に分類される」と、以前に紹介しました。行動心理症状は「BPSD」とも呼ばれます。 BPSDのひとつが、幻覚や妄想です。認知症の30~40%で何らかの幻覚や妄想がみられるという報告がありま...
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認知症になると人格が変わるのはなぜ… 家族ができる対処法とは
認知症の患者さんの症状として、物忘れや判断力の衰えのほかに「人格変化」があります。もともと穏やかな性格の人が急に暴言を吐いたり暴力を振るうようになったり、活動的だった人がひきこもりがちになるのが特徴です。家族からよく「人が変わっちゃ...
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「いつか」「どこに」「だれか」がわかりづらくなってくる
認知症の「認知機能障害(中核症状)」には、前回紹介した記憶障害のほか、見当識障害、失語、視空間認知障害、遂行機能障害などがあります。「アルツハイマーは初期に記憶障害が目立ちやすい」といったことはありますが、原因によらず、どの認知症で...
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「認知機能の低下」とは具体的にどんな能力が低下するのか?
認知症について書かれたものを読んでいると、「認知機能の低下」「認知機能の障害」という言葉が頻繁に出てくることでしょう。本連載でも毎回と言っていいほど登場しています。では、そもそも具体的にどういうことを指すのか?「記憶力が落ちる」くら...
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補聴器を検討している方に覚えておいてほしい3つのこと
これまでほぼ2年にわたり、本連載で補聴器の情報を届けてきました。 連載最後となる今回は、補聴器に関する「覚えておいてほしい3つのこと」を改めてお伝えしたいと思います。 それはまず「難聴は認知症の危険因子」であるという...
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補聴器使用者はそうでない人より認知機能低下が抑制される
本連載を読んだというお客さまから「認知症は補聴器で予防できるの?」という疑問をいただくことがあります。 補聴器は医療機器です。医療機器には、効能効果が厳密に定められており、現時点で補聴器に定められている効能効果は「難聴者の聴...
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オリーブオイルが豊富な地中海食で脳の前頭葉機能が改善
認知症リスクを下げるには何を食べればいいの──? これはとてもよく受ける質問。「アルツクリニック東京」が運営する健脳カフェやオンライン健脳カフェでも、認知機能と関わりの深い食事や栄養に関する知識を学べる教室を開いています。 ...
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補聴器で「聴く」力を取り戻し、人生をもっと謳歌しよう
「『補聴器、どうしよう?』と迷っている気持ちもわかるけど、こんな便利な道具、活用しない手はないと思う。ひとつどうです。気軽に試してみたら。私の噺だって、もっともっと楽しまなきゃもったいないですよ!」 これは昨年72歳で亡くなら...
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中年期の肥満はアルツハイマー型認知症のリスクを3倍上げる
「肥満」と「肥満症」。この2つは、現在、区別して捉えられています。 肥満は太っている状態を示す言葉。一方、肥満症は治療の対象となる「病気」。だから「肥満“症”」という名称になっているのです。 「肥満症」という概念が提唱さ...
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あの男性が寡黙なのはもしかしたら聞こえが悪いのが原因かも
あなたは1日のうち、どれぐらい人と会話していますか? 国立国語研究所が「大規模日常会話コーパスに基づく話し言葉の多角的研究」(2016年4月~2022年3月)内で、「一日の会話行動に関する調査報告」を上げています。 ...
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認知症でみられる「アパシー」 自分にも周囲にも関心がなくなり何もやろうとしなくなる
前回に続き、「アパシー」に触れたいと思います。 アパシーは、自分のことにも周囲にも関心を持たなくなり、何もやろうとしなくなる状態。一見、うつ病と非常に似ています。 しかし、病態も治療も対処法も、うつ病とアパシーは異な...
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クルマを運転している時に表れる認知機能の低下サインとは?
最近、高齢者の運転中の事故に関するニュースを目にする機会が増えました。日常生活では気づかない初期の認知機能の低下が、運転動作に表れることはあります。警視庁のホームページにも、軽度認知障害の人が運転している時に表れやすいサインが、「運...