日本経済一歩先の真相
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首相は国政を預かる自信を失っているのか
今週、いよいよ通常国会が召集されたが、安倍首相は所信表明演説を行わなかった。 総選挙を経て新たな内閣が発足した場合には、首相が所信表明を行うのが国会の慣例である。実際、12年12月の総選挙で…
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15年度「1.5%」成長 画餅に帰す政府見通し
政府の経済見通しによると、14年度は5年ぶりにマイナス成長となるそうだ。実質成長率は0.5%減。政府は14年度の実質成長率を当初は1.4%増と見込んでいたが、消費増税後の昨年7月に下方修正を迫られた…
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新年早々根幹から崩れだしたアベノミクス
新年早々、株式市場に暗雲が垂れ込めてきた。大発会の下落スタートに続き、6日に平均株価は500円以上も値を下げ、終値は1万7000円台を割り込んだ。7日も5営業日ぶりの反発とはいえ、終値はたったの2円…
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ナチスの宣伝を想起させる驕れる首相の賃上げ圧力
あり得ない光景だった。16日に首相官邸で開かれた政労使会議の場で、安倍首相は「来年春の賃上げについて最大限の努力を図っていただきたい」と経団連の榊原定征会長に要請していた。 榊原会長は「最大…
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戦時体制の入り口に立った日本
この国は、いよいよ戦時体制の入り口に足を踏み入れたことになる。10日午前0時、特定秘密保護法が施行された。 問題は多岐にわたる。安倍政権は、昨年の法案成立から1年間をかけ、運用基準に対する意…
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政策転換は暴落招く
日本国債の格付けが引き下げられたが、債券市場に影響は出ていないようだ。 本来なら、財政に対する懸念が強まり、国債は売られて長期金利は上昇する。経済の教科書で示されているメカニズムだ。ところが…
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アベノミクスのほかに道がある
「アベノミクスが正しいか、それともほかに道があるのか」――。安倍首相の経済政策について、国民が審判を下す選挙が始まっている。選挙民は心して投票に臨むべきだ。「異次元の金融緩和」がスタートして2年近く、…
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古色蒼然の政策に代わる新シナリオは可能だ
21世紀という新たな時代をいかに見据え、国民の安寧をどう維持していくのか。その明確なシナリオが解散・総選挙に突き進む政界から全く見えてこない。 現政権はアベノミクスの是非を選挙の争点に掲げる…
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不純な動機しか見えない「増税先送り解散」
永田町では解散風が吹き荒れているようだ。安倍首相は否定しているが、消費税の再増税を先送りしたうえで、今月にも解散に踏み切るとの報道が相次いでいる。 確かに今の日本経済は消費税アップに耐えられ…
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異次元緩和の次元を超えた誤り
日銀の黒田総裁は、追加緩和の理由のひとつに「原油価格の急落」を挙げたそうだ。ガソリン高騰に難儀してきた一般家庭や、中小企業の経営者にすれば、やっと値が下がって「ホッと一息」のはず。それなのに、物価上…
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まるで見えてこない地方創生策
安倍政権の足元がグラグラになっている。「女性が輝く社会にする」というテーマは、2閣僚の同時辞任でかすんでしまった。 もちろん、当たり前に女性が活躍できる環境を整えることは重要だ。女性の登用は…
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ぶざまな安倍政権が増やした貿易赤字
今年上期の貿易赤字額が、比較可能な1979年以降で最大に膨らんだそうだ。今年4~9月の貿易統計速報によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は5兆4271億円の赤字とある。赤字額は昨年の同じ時期…
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「国民の声」を「雑音」と見下す安倍自民
松島みどり法務大臣が野党の追及を「雑音」と表現し、のちに陳謝した。松島大臣は、祭りで配った「うちわ」に選挙違反の疑いが持たれている。加えて、議員宿舎の入居に関する問題も浮上した。野党が取り上げるのは…
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グローバル時代も空洞化しない日本人の研究
我が家の照明はLEDだ。恐らく臨終のときを迎えても、なお交換の必要はないだろう。携帯電話やブルーレイディスク、信号機にもLEDが使われているそうだ。これほど日常的に使われている身近な発明に、ノーベル…
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「地方創生」で地方行脚する無意味なパフォーマンス
政府が「夏以降」と見通してきた景気回復が、案の定、遅れている。8月は個人消費が実質で5カ月連続して前年を下回り、鉱工業生産も1.5%の大幅減となった。1日発表された9月の日銀短観でも、良かったのは大…
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円安歓迎しながら「地方創生」掲げる矛盾
膠着状態にあった為替相場が再び活発になっているようだ。FOMCの結果を受け、米国の金融緩和が解除されるとの観測が広がったことに加え、米経済が予想外に順調なこともあり、先週末は一気に1ドル=109円台…
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「政治献金は社会貢献」のウソ…なぜ弱者支援に回さないのか
安倍首相の諮問機関である経済財政諮問会議の民間議員に、経団連会長が戻ってきた。16日に開かれた改造内閣後の初会合に榊原会長が出席。御手洗元会長以来、6年ぶりに民間議員となり、大企業や業界団体寄りの政…
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自民と財界の蜜月でも続く日本経済の低空飛行
経団連が政治献金への関与を5年ぶりに再開するそうだ。加盟1300社に文書を送付し、献金の増額を正式に呼びかけるらしい。 カネを渡す先は自民党である。榊原定征会長は「経済再生へ経済と政治は車の…
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役所のない「担当大臣」の限界 「地方創生相」のアホらしさ
第2次安倍改造内閣がきのう(3日)、発足した。主要閣僚は留任する一方で、新たに5人の女性を抜擢。成長戦略に女性の積極的登用を盛り込んでいることから、自ら範を示した格好だ。 政府は、指導的地位…
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景気回復の遅れは「反動減」が原因なのか
政府は8月の月例経済報告で、「駆け込み需要の反動の長期化が景気を下押しするリスクに留意する必要がある」と指摘したそうだ。消費増税の直後は「夏から回復」との見方が多かった。ところが、ちっとも指標は上向…