日本経済一歩先の真相
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経営を知らぬ政権に経済を語る資格なし
7~9月期の実質GDPは2四半期連続のマイナス成長となった。特に足を引っ張ったのは民間の設備投資で、2期連続の大幅減。下げ幅も年率換算で4~6月の前期比4.8%減から5%減へと拡大した。 安…
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官民対話は首相の公開八つ当たりの場
剣の達人は、やたらと刀を抜かないものだが、一国の首相が持つ“権力の刃”は、今は常にムキ出しだ。閣僚や経済3団体トップらが出席した「官民対話」の2回目の会合でのこと。安倍首相から財界への注文は、3年連…
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建設業者への信頼性は傾斜どころか倒壊寸前
モノづくり大国ニッポンの国際ブランド力を、それこそ根底から揺るがしかねない事態だ。横浜市のマンション傾斜に端を発した杭打ちデータ偽装問題が底なしの様相となってきた。 偽装は、横浜の物件を担当…
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大戦の危うさすら漂う 首相の嫌中外交
米中両大国の軍事的緊張が一段と高まってきた。米海軍は横須賀基地所属のイージス駆逐艦「ラッセン」を南シナ海の南沙諸島に派遣、「航行の自由作戦」と称して、中国が建設を進める人工島の12カイリ(約22キロ…
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混沌たる世界の先行きに政権は無為無策
世界経済が混沌としてきた。最大の要因は、鮮明さを増す中国経済の減速だ。7~9月期の中国の実質GDPは前年同期比6.9%増にとどまった。7%を下回るのは6年半ぶりだが、中国の統計はマヤカシで実際の成長…
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民間投資への国家介入という暴挙
国のトップであるオレが直々に会えば、財界も何とかするだろう。そんな考えなら、大間違いだ。 首相や安倍政権の経済閣僚と経済3団体のトップらが直接、話し合う「官民対話」が官邸主導で創設された。 …
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TPPも安保もマイナンバーも同一線上にある
延長に次ぐ延長を経て、交渉参加12カ国が大筋合意したTPP。法施行により、個人番号の通知が始まったマイナンバー制度。安倍政権が憲法より「対米公約」を守り、強行した安保関連法――。最近、話題を集めた3…
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経済成長の手立てと覚悟が見えない首相
一国のトップとして、この人は「言葉の重み」という言葉を理解しているのだろうか。戦争法のゴリ押し成立で支持率ジリ貧となり、安倍首相本人はイメージ刷新に必死なのだろう。自民党総裁の再任を機に「これからも…
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首相のためだけに「200時間」の不毛
土砂降りの雨の中、ずぶ濡れになっても「今すぐ廃案」「憲法壊すな」と声を張り上げる人、人、また人。先週末、安保関連法案の強行採決に「絶対反対」と、国会前を埋め尽くした抗議デモの熱気は凄まじかった。 …
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国民の不安は「外敵」より「自然」の驚異
茨城・常総市の高杉徹市長が、非難の集中砲火を浴びている。鬼怒川の堤防決壊で甚大な被害を受けた地域に、前もって避難指示を出さなかったためだ。しかも、住民から「水位が上昇している」との通報があった地域に…
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就活「大混乱」も首相の不見識のせいだ
全くもってバカ丸出しである。経団連の榊原定征会長が今年導入したばかりの就職活動の新スケジュールを早くも「見直す」と言い出した。元の日程に戻すことも、「選択肢としては当然ある」と言うのだから、何のため…
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5年後の財政は五輪どころじゃなくなる
国の来年度予算案の概算要求が締め切られ、一般会計の要求額は102兆円を超えて、過去最大規模となる見通しだ。 各省庁で最も多い厚労省の要求額は30兆6675億円。このうち医療費は11.5兆円、…
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世界はグローバル・デフレ時代に突入した
上海株急落が引き金となった世界的な株安の連鎖は、NYダウを一時1000ドル以上も暴落させるなど凄まじい破壊力を見せつけた。東京市場も例外ではなく、日経平均は6営業日続落で実に3000円近く値を下げた…
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円安のデメリットだけ残ったアホノミクス
改めてアベノミクスは「アホノミクス」だと裏付ける内容だ。4~6月期の実質GDPは前期比0.4%減、年率1.6%減となった。各メディアは「3四半期ぶりのマイナス成長」と報じたが、バカも休み休み言えとい…
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側近2人をかばう首相の我が身かわいさ
どうして、とんでもないミスを犯した彼らをかばうのだろう。野党が礒崎補佐官と下村文科相の更迭を求めても、安倍首相は拒み続けている。 ひとりは「法的安定性は関係ない」と、憲法順守という国会議員の…
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暴走首相は今こそ原爆死没者慰霊碑の「誓い」を胸に刻め
広島は7日、被爆から70年の節目を迎えた。「原爆の日」の平和記念式典には、米国からケネディ駐日大使が昨年に続いて参列したほか、核軍縮を担当するガテマラー国務次官も参列した。米政府がワシントンから政府…
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「国体護持」を想起させる政権の思考回路
安保関連法案に反対する抗議デモが連日連夜、国会を取り囲んでいるようだが、地方だって黙っていない。私が住む広島でも、地方枠のテレビニュースは安保一色。法案に反対する地元の抗議集会を取り上げる機会が増え…
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政権が注力すべきは教育の「存立危機事態」
相変わらず少年・少女がコトの中心となるニュースが多発している。愛知・日進市の高3男子は「ストレスがたまっていた」という理由で強盗殺人に及び、岩手の中2男子は2カ月前からいじめ被害を担任の教師に訴えて…
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過酷労働はびこる「裾野」の惨状
平均80万円台はリーマン・ショック後、初めてのことだという。14日付の日経新聞が1面で報じた今年夏のボーナス調査の結果である。全産業の平均支給額は昨年夏から2.11%増え、80万5858円となった。…
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ユーロ圏で顕在化した主権喪失の危うさ
反緊縮派の勝利で、ギリシャのデフォルト(債務不履行)がいよいよ現実味を増してきたが、日本の債務状況は欧州の老大国以上に深刻なレベルに達している。 ギリシャの政府債務残高は2015年3月時点で…