五木寛之 流されゆく日々
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連載10949回 コロナ情報の七不思議 <4>
(昨日のつづき) 新型コロナウイルス対策の常識では、まず手洗い。そしてマスクの着用。さらに「密」を避ける。と、いうのが三大基本とされている。 しかし、異論、新論というのはどの世界にもあるものだ…
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連載10948回 コロナ情報の七不思議 <3>
(昨日のつづき) 今朝の毎日新聞の朝刊に、ほかの新聞にはのっていない記事が出ていた。 社会面の左下のほうに一段の見出しで、 <飼い犬2匹陽性> という小さな記事だ。 ペット保険大手の…
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連載10947回 コロナ情報の七不思議 <2>
(昨日のつづき) ラテンアメリカとインドが、さらにコロナの被害を加速させている。 トップのアメリカは別格として、死者数のランクではブラジルが9万3563人で世界第2位。3位にメキシコが上ってき…
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連載10946回 コロナ情報の七不思議 <1>
テレビのニュースショウや報道番組を見ていて、最近、素朴な疑問を感じるときがある。 その一つがPCR検査のことだ。この欄でも初期の頃からそれについて繰り返し書いてきた。 どうしてPCR検査をど…
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連載10945回 コロナの深き淵より <5>
(昨日のつづき) きょうは午後4時から文春本誌のインターヴュー。松井編集長、池内氏、西氏の3氏と2時間半ほどマスクごしの対話。ご丁寧にアクリル板の仕切りまで用意してあったが、やはり話しづらいので使…
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連載10944回 コロナの深き淵より <4>
(昨日のつづき) メッカの大巡礼(ハッジ)といえば、世界最大級の宗教祭典である。イスラム教徒なら、生涯に一度は巡礼に加わるのがならわしだ。そのためには、全財産を投げうつ者もいるという。 外国か…
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連載10943回 コロナの深き淵より <3>
(昨日のつづき) この数日、北朝鮮から脱北して韓国に住んでいた男性が、再び北朝鮮に帰北したニュースが話題になっている。 問題はその男性がコロナ感染者だといわれている点だ。これまでウイルス感染は…
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連載10942回 コロナの深き淵より <2>
(昨日のつづき) 今回のコロナパンデミックの特徴は、世界各国それぞれに様相が異なることだ。 欧州、アメリカなどは嵐のようなコロナ台風だった。アジア、ことにわが国のそれは、いわば梅雨どきの天候に…
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連載10941回 コロナの深き淵より <1>
Go Toキャンペーンは、さまざまな論議をまきおこしたが、それなりに人は出ているようだ。お伊勢まいりではないが、私たち日本人は世の中の流れに乗ること自体に喜びを感じる民族のようでもある。ある意味では…
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連載10940回 変わるものと残るもの <3>
(昨日のつづき) 最近、新聞の広告で目立つのは昭和歌謡のアルバム全集のたぐいである。 よくこんなにあるもんだ、と思われるくらいに、いろんな流行歌のオンパレードだ。 流行歌というのは、一時の…
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連載10939回 変わるものと残るもの <2>
(昨日のつづき) 本当のことは伝わらないものだ、という気持ちがある。後に残されるものは抜け殻であって、真実は消えていると思ったりする。 ずっと何十年も生きてきて、「世間虚仮」という言葉は本当だ…
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連載10938回 変わるものと残るもの <1>
行きつけの町の本屋さんが、また一軒廃業するらしい。書籍の売場をへらして、文房具のコーナーを作った頃から気にはなっていたのだ。全国のお寺さんと書店が、こうして少しずつ減っていく。 時代の流れという…
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連載10937回 コロナ時代の生活革命 <5>
(昨日のつづき) 生活が変ると何が変るか。 体のコンディションか。それとも内面的な思想が変るのか。 その人間の生活習慣は、どこかで精神的なものとつながっている。一般にそういわれているし、私…
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連載10936回 コロナ時代の生活革命 <4>
(昨日のつづき) そんなわけで、私は生涯、ずっと夜型人間で通すことになるだろうと思っていた。 ところが人生は、わからないものである。コロナのパンデミックが顕在化してきた頃から、突然変異がおこっ…
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連載10935回 コロナ時代の生活革命 <3>
(昨日のつづき) 1950年代後半から68年をはさんで、70年代までは、いわば深夜の黄金時代といってもいい季節だろう。新宿の『ぼたんぬ』では、阿佐田哲也さんとよく会った。『ナジャ』には渡辺晋さん、…
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連載10934回 コロナ時代の生活革命 <2>
(昨日のつづき) 考えてみれば私の深夜生活には、少年時代の影響が大きかったような気がする。 私が生まれた昭和7年(1932年)は、満州国建国の年であり、五・一五事件の時代でもあった。 軍国…
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連載10933回 コロナ時代の生活革命 <1>
世界がコロナウイルスの洗礼を受けて、ほぼ半年が過ぎた。 目下のところ、世界は防疫と経済の両面作戦におおわらわといった状況だ。ブレーキとアクセルを一緒に踏むという作戦らしい。 少しクルマで遊ん…
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連載10932回 自分のことは棚にあげて <5>
(昨日のつづき) 少し驚いた数字があった。 わが国の個人株主の数が過去最高になったというのだ。その人数、なんと5672万人という。(7月7日・日経) 2019年の統計だが、経済にうとい私に…
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連載10931回 自分のことは棚にあげて <4>
(昨日のつづき) 九州地方の豪雨の被害が連日大きく報じられている。 球磨川流域だけでなく、筑後川まで氾濫したらしい。私は筑後地方の出身なので、人ごとではない。テレビにかじりついて実況を一喜一憂…
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連載10930回 自分のことは棚にあげて <3>
(昨日のつづき) 恐れていたことが現実となった。 新型コロナウイルスの蔓延は、当初は欧米諸国が注目されていたが、実はウイルスの南進こそが問題だったのだ。 南進というのは戦時中、軍部の用語と…