佐々木朗希“大幅減速”球速160キロに届かない謎解き…米スカウトはある「変化」を指摘
「五回まで投げられたのは初めてだ。これからまた前に進んでいこうと、登板後に伝えたよ」
試合後のロバーツ監督は、こう言って合格点を与えた。打線の援護に恵まれずに初黒星を喫したものの、日本時間13日のカブス戦に先発して5回を4安打1失点に抑えた佐々木朗希(23)の投球に関してだ。
前回60.3%だったストライク率は62%に上がるなど制球は改善されてきたものの、ストレートの最速は158キロ。佐々木といえば160キロ超の速球が最大の武器なのに、3月19日の東京開幕で160キロ台の速球を連発したのが最初で最後。ここ3試合はいずれも速球が160キロに満たなかった。
ロッテ時代から佐々木をチェックしていたア・リーグのスカウトは、この日の投球についてこう言っている。
「テイクバック時に手首が内側に折れ過ぎている点が修正された。折れ過ぎると肩肘に負担がかかる」
肩肘に負担のかかるフォームを修正したとすれば、すでに肩肘に違和感が生じている可能性がある。
2月からメジャー球で実戦を経験、ボディーブローのようにダメージがくる頃だ。日本のプロ野球と比べて大きく重く滑りやすいメジャー球を操るためにはボールをしっかり握る必要があり、肩肘に負担がかかる。同僚の大谷翔平(30)しかり、山本由伸(26)しかり、海を渡った日本人投手の多くが1年目の前半戦で肩肘を痛める大きな理由でもある。違和感の程度はともかく、160キロ台の速球を投げるコンディションではないのかもしれない。