PL学園の選手はなぜ胸に手を当て、なんとつぶやいていたのか…強力打線と強靭メンタルの秘密
PL学園は歴代、強力打線がウリだった。
前回「バットは指で握れ」という中村順司監督の指導を紹介したが、今では当たり前となっている「竹バット」での打撃練習を、どこよりも早く取り入れていた。
多少芯を外してもごまかせる金属ではなく、芯の部分が小さく、真芯に当たらないと全く飛ばない竹バットでフリー打撃などを行っていたのだ。竹バットを使えば打てるようになると、他校が踏襲するようになった。当時は打撃用手袋なんてない時代。真冬に竹バットを、しかも素手で打つのだから、少しでも詰まろうものなら、両手に凄まじい衝撃が残る。手を守るためにも一球一球、丁寧にミートを心がけた。PL打線が歴代強力なのは「どんな球でもバットの芯で捉える」という打撃の基本を叩き込まれているからである。
打撃以上にPLをPLたらしめるものの一番の要因は「メンタルの強さ」に他ならない。
よく「心技体が重要」と言う。いくら体力に恵まれ、プロ級の技術を持ち合わせていても、大舞台で結果を出せない選手がいる。その原因は心、つまりメンタルにあることが多い。