孤独の映画
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死の商人が少数民族を虐殺する「ロード・オブ・ウォー」
トランプ大統領が日本と韓国を訪問した。両国に兵器を売り込む姿はまるで「死の商人」。死の商人といえば本作だ。 冷戦期の1982年。NYに住むウクライナ移民2世のユーリ(ニコラス・ケイジ)はギャ…
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老人パワーが女の心を開く「素敵な人生のはじめ方」
モーガン・フリーマンが主演と製作総指揮を務めた意欲作。 映画出演から遠ざかって4年になる有名俳優(M・フリーマン)が新作の役作りのためにロス郊外のスーパーを見学する。店内では頭はいいが気の強…
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レッド・オクトーバーを追え!(1990年 ジョン・マクティアナン監督)
「原潜が空を飛ぶ」と話題になった潜水艦映画の決定版。ラストの魚雷戦は迫力満点だ。 東西冷戦の時代。ソビエト海軍のラミウス大佐(ショーン・コネリー)は最新鋭の原潜レッド・オクトーバーの艦長として…
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近松物語(1954年 溝口健二監督)
原作は近松門左衛門の「大経師昔暦」。11月2日に“4Kデジタル修復版ブルーレイ”が発売される。 京都の大経師以春(進藤英太郎)の店で働く茂兵衛(長谷川一夫)は以春の若妻・おさん(香川京子)か…
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トゥルー・グリット(2010年 ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン監督)
コーエン兄弟による西部劇。敵討ち物語だ。 14歳の少女マティ(ヘイリー・スタインフェルド)は使用人のチェイニー(ジョシュ・ブローリン)に父を殺され、連邦保安官のルースター(ジェフ・ブリッジス…
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カネが絡んだ男女のせめぎ合い 女の道よ、なぜ哀し
東京・銀座でバーの雇われママをしている圭子(高峰秀子)は東洋人のオーナーに業績不振を責められる。彼女はコンサルタントの美濃部(小沢栄太郎)から、自分の店にいたユリ(淡路恵子)が開いたバーの繁盛ぶりを…
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家族の肖像(1974年 ルキノ・ヴィスコンティ監督)
日本公開は78年11月。ロングヒットし、ヴィスコンティのブームが起きた。 ローマのアパルトマンに住む老教授(バート・ランカスター)は絵画の研究をしながら静かな生活を送っていた。その暮らしに4…
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ビートたけしは暗黒街のスパイダーマン
バンダイビジュアルは27日、北野武監督の13作品をブルーレイで発売した。本作はそのひとつだ。 親分を殺され、組織を失ったヤクザの山本(ビートたけし)は弟のケン(真木蔵人)がいる米国ロスに向か…
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ストーカー(1979年 アンドレイ・タルコフスキー監督)
ストーカーといっても女につきまとうイカレ野郎ではない。この映画では案内人のことだ。 隕石の落下か宇宙人の歴訪か、「ゾーン」と呼ばれる地域がある。かつて政府が軍隊を派遣したが全滅させられ、立ち…
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血槍富士(1955年 内田吐夢監督)
内田吐夢監督は敗戦後も中国にとどまり、中国共産党の映画製作に協力、1954年に帰国した。本作は彼の戦後第1作だ。 権八(片岡千恵蔵)は若殿・酒匂小十郎(島田照夫)の槍持ちとして仲間の源太(加…
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セッション(2014年 デイミアン・チャゼル監督)
ジャズ奏者・日野皓正の平手打ちが物議をかもしている。日野は取材陣に「あんたたちが日本の文化をダメにしてるんだよ」と言い放った。ジャズと往復ビンタといえばこの「セッション」だ。 音楽学校に通う…
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追想(1975年、ロベール・アンリコ監督)
1976年、ロミー・シュナイダーのブームが起きた。72年作の「夕なぎ」も公開され、日本人はC・ドヌーブと一味違う色香に魅了された。 とはいえ本作は凄惨な物語だ。公開時のパンフには書かれていな…
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海と毒薬(1986年 熊井啓監督)
太平洋戦争中に起きた生体解剖事件を描く。原作は遠藤周作。先日、BDが発売された。 1945年5月、九大医学部では学部長選挙をめぐる駆け引きが繰り広げられていた。橋本教授は有力者に縁がある女性…
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終戦のエンペラー(2012年 ピーター・ウェーバー監督)
1945年8月、米軍のフェラーズ准将(M・フォックス)は、マッカーサー元帥(トミー・リー・ジョーンズ)とともに厚木基地に降り立つ。日本の占領のためだが、かつての恋人・あや(初音映莉子=写真)との再会…
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戦争と人間 第二部(1971年 山本薩夫監督)
「あの戦争」がなぜ起きたのかを追及する大作の第2部。前作は1928年の張作霖爆殺事件から満州事変(31年)までを描いた。本作は32年の上海事件から始まる。 傀儡国家・満州国をでっち上げた日本陸…
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蟻の兵隊(3006年 池谷薫監督)
アジア・太平洋戦争の暗部を追及したドキュメンタリー。 1945年8月、日本政府がポツダム宣言を受諾して無条件降伏したにもかかわらず、中国・山西省の「陸軍第1軍」の2600人は共産軍との戦闘を…
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砂の女(1964年 勅使河原宏監督)
安部公房の難解な小説を映画化。30日~8月5日にラピュタ阿佐ケ谷で上映される。 学校教師の男(岡田英次)が昆虫採集である村を訪れ、家族と死に別れた女(岸田今日子)の家に宿泊。女は家の周りの砂…
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1984(1984年 マイケル・ラドフォード監督)
ジョージ・オーウェルのディストピア小説を映画化。DVD化されていないこの問題作をCS放送の「ムービープラス」が放映している。次の放送は28日(金)17時だ。 1984年、オセアニア国では国民…
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浮草(1959年 小津安二郎監督)
タイトルが似ているので成瀬巳喜男監督の「浮雲」と混同されがちだ。あちらは白黒映画、本作はカラー。ストーリーも全然違う。 志摩半島の漁村でドサ回りの大衆演劇「嵐駒十郎一座」が興行を打つ。実は親…
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陽のあたる場所(1951年 ジョージ・スティーブンス監督)
原作は1925年に発表されたセオドア・ドライサーの小説「AnAmericanTragedy」(邦題「アメリカの悲劇」)。映画は「APlaceintheSun」となった。 母子家庭で育った貧し…