特別寄稿 アフターコロナどう生きるか
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寺脇研氏「不要不急と思われてきた“文化”と“場”の価値」
緊急事態宣言発令に伴う政府の自粛要請は、極めて多数の分野において社会活動の停止を招いた。その第1は、学校の休業である。これは、緊急事態宣言から40日前の2月27日に、首相による唐突な小中高等学校の一…
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藤巻健史氏 今後の世界は「ドル1強」と「暗号資産」の時代
世界各国が、コロナ対応の結果、財政ファイナンス(政府の資金繰りを中央銀行が国債を買うことによって支える)を深掘りした。世界中の主要国すべてで、(ハイパーインフレの経験から禁止との)先人の知恵を破り始…
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古谷経衡氏 政府提示の「新しい生活様式」は徐々に形骸化
1918年から20年まで、世界中で猛威を振るったスペイン風邪(日本本土では死者約45万人)のあと、世界の人々の価値観や生活様式は全くと言ってよいほど変わらなかった。日本ではスペイン風邪が収まった直後…
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中村文則氏「公正世界仮説をやめ、個に寄り添う社会へ」
人を嫌う表現で、同じ空気を吸いたくない、という言葉がある。 相当強く嫌いであるのを意味するが、新型コロナウイルスが流行している現在、基本的に僕たちは、誰かと同じ空気をなるべく吸いたくない状況…
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佐藤優氏「これはリスク以上クライシス未満の危機なのだ」
危機には2つの種類がある。第1は英語でいうリスク(risk)だ。予見可能な不都合な出来事の意味で、対策を立てることができる。季節性インフルエンザはリスクだ。予防接種、手洗いの励行などで感染リスクを減…
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後藤正治氏「コロナはおごった人間への“いましめ”なのか」
猛威をふるった新型コロナウイルス、ひとまず沈静化してくれた気配であるが、いまだ要警戒の段階であろう。ここまで、直接・間接を問わず、濃霧に巻き込まれた被害者はまことにお気の毒であり、どうかタフに事態を…
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白井聡氏が米中対立激化懸念「疫病は国際政治をも動かす」
新型コロナウイルス危機は世界を変えるのか。それとも遠からず危機は収まって元通りの世界に戻るのか。国際秩序の行方を考えてみたい。 今回しばしば引き合いに出されるスペイン風邪(1918~20年)…
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丹羽宇一郎氏「コロナ後はさらなる危機が待ち構えている」
新型コロナは、いまだに正体不明のウイルスである。 新型コロナについては、さまざまな人がいろいろな意見を述べている。だが、科学的な検証に基づくものは極めて少ない。インフォデミック(ネット上のデ…
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同志社大教授・浜矩子氏「越を脱して超に入って共生する」
アフターコロナをどう生きるか。共に生きたい。そう思う。そもそも、我々は誰も一人では生きていけない。この間、我々は改めてそのことに気づき直した。そう感じる。 この間、我々はお互いに対して思いや…
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思想家・内田樹氏「今こそ地方分散シナリオの本格議論を」
「コロナ禍によって、社会制度と人々のふるまいはどう変わるのか?」 ここしばらく同じ質問を何度も向けられた。「変わるかも知れないし、変わらないかも知れない」というあまり役に立たない答えしか思いつ…