仕事を終えたら農園へGO!
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山形の食用菊「モッテノホカ」にまつわる「もってのほか」な話
また故郷自慢になってしまうが、私の故郷山形には「モッテノホカ」という食用菊がある。大輪で薄紫色。その花びらを軽く湯通しして、ポン酢をかけて食べると、シャキシャキとした食感があって、まことにおいしい。…
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秋ジャガイモは専用の品種の種イモを使う 収穫時期は12月中下旬
初夏に北海道を訪れると、広大な面積のジャガイモ畑が真っ白な花を咲かせていて、素晴らしい景観をつくり出している。そのすぐ隣には春小麦の緑色の大きなじゅうたん。北海道の大地ならではの美しいパッチワークが…
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高校近くの河原で可愛い女の子二人と…切ない「芋煮会」の思い出
私の故郷山形では、秋、掘り立ての新里芋が出回る頃になると、あちこちの河原で芋煮会が開かれる。 仲のいい友人同士、地域や職場の仲間などが秋晴れの河原に集まり、そこで煮炊きをして、出来たての芋煮…
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フジバカマ そこはかとなく漂うはかなげな香りを愛してやまない
私は香りのいい植物が好きで、バラも香りのいいものばかりを選んで10種類近く庭に植えた。花が大きくて、色合いも鮮やかなのに全く匂わないバラも多いが、そういうバラは栽培する気がしない。というより、香りが…
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がごめ昆布は手に入るが…故郷・山形由来の“あのミョウガ”には二度と会えない
今年3月の退園の際、信州の山里に借りた滞在型市民農園、四賀クラインガルテンから持って帰ってくることができなかった植物のひとつがミョウガだ。 これはもともと故郷の生家の裏庭にあったのを株分けし…
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人には常に別れが避け難く訪れる 植物は散り際のはかなげな様子が美しい
長野県松本市の郊外にある滞在型市民農園、四賀クラインガルテン。今年の3月末まで25年も通い続けたのだから、私にとってはここはもはや生涯忘れ得ぬ土地だ。 だが、3月の退園の際、私はこの標高65…
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「ビーツ」9月まきで今年最後の収穫を目指す、牛スネ肉のボルシチ風スープは絶品!
9月はビーツの種のまき時だ。5月にまいて春採りもできる。それに対して、10月中下旬の今年最後の収穫を目指して行うのが9月まき。 プランターでも栽培できるので、ベランダ菜園にも向いている。種は…
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望郷の「房すぐり」が放つ“この土地の精霊よ”といわんばかりのオーラ
私は一人っ子で、兄も妹もいない。そのため両親が亡くなると、故郷の生家は無人となり、年々荒れ果てていくようになった。ある年、決断を下し、明治の初め頃にご先祖が建てたという家は解体し、跡地は人手に渡すこ…
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冷蔵庫にどっさり「シシトウ」の調理法 採れ過ぎたら干し野菜に限るが例外も
野菜づくりをしていると、採れて採れて、採れ過ぎて困るという事態は、しばしば経験する。では、そんなときはどうするか。お日さまの力を借りて、干し野菜にしてしまえばいいのだ。 ゴーヤー、ズッキーニ…
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赤ジソのジュース 自然は時としてこんなにも美味なる酒を恵んでくれる
シソは、漢字では「紫蘇」と書く。蘇、よみがえるという文字が使われていることにご注目。シソには実際、弱った心や体に活力を吹き込み、蘇らせてくれるパワーが秘められている。それが最もよくわかるのが、赤ジソ…
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自家製「田舎タクアン」で一杯やるのが目下の見果てぬ夢
秋まき冬採りの大根は、肉質が軟らかく、みずみずしいのが特徴。加熱すると甘味が増し、ほくほくとした食感になる。なので、おでんに入れてよく、がんもどきや高野豆腐といっしょに煮物にしてもよい。 種…
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野菜づくりの喜び!「自家産」と思うと料理と酒も一段とうまくなる
焼いても、炒めても、蒸しても、どうやってもおいしいのがナス。私の畑では5月初めに植えつけた3株のナスが順調に生育。すでにあれこれと調理して楽しんでいるが、梅雨が明けて一気に高温乾燥が続くようになると…
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涙のように溶けて崩れゆく「ズー」を見て心が痛んでならなかった
ズー。といっても動物園ではなく、メキシコ原産のウリ科カボチャ属の野菜ズッキーニのこと。わが家では、このズッキーニをズーと略称している。 というのも、今を去ること25年前、いちいちズッキーニ、…
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種まきから1カ月半で初収穫 キュウリは無償の愛を捧げてくれる豊穣の女神の化身
「キュウリをまだ小さいうちに若もぎして、ピクルスをつくりたいの。だから、ぜひやってよ」 春先、妻からそんなリクエストがあったので、今年は久しぶりに畑でキュウリを3株栽培している。この数年、つく…
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ストレスを吸い取るように消してくれるラベンダーの香り
30代の半ば、仕事をはじめ何もかもうまくいかず、日々鬱屈していた頃、私を救ってくれたのはハーブの香りだった。 タイム、ミント、カモミール、ローズマリー、ラベンダー。それぞれ香りのテイストは微…
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栽培した青唐辛子で作る絶品ゆずこしょう 辛い物好きにオススメ
トマトやナスと並んで、私が毎年必ず栽培したい野菜のひとつが青唐辛子。採れたてを直火であぶり、醤油をつけてかじりながら飲む酒は、まことにおいしいし、ニンニクと青唐辛子だけで作るスパゲティのペペロンチー…
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畑に行けば必ず小さな発見や感動が待っている
野菜づくりが面白くなってくると、ついあれもこれもと、いろいろな作物に手を出すようになる。しかし、そんな一時の熱もやがては冷め、自分のつくりたい野菜が自然にいくつかに絞られてくる。 私も長野の…
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丁寧な土づくりで大豊作! ニンニクの味噌煮で酒を飲んだ父を偲ぶ
先日、畑でニンニクの収穫をした。大豊作だった。去年の秋、種球を植えつける前に、畝(うね)の周りに深さ30センチほどの溝を掘り、牛糞堆肥や有機化成肥料を散布。さらに畝の中にも溝を掘って、牛糞堆肥などを…
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冬越し中のタマネギから学ぶ 生きているものはみな温かい
6月は新タマネギの収穫期。折しも、旬を迎えているのが駿河湾名産のサクラエビだ。 今宵はひとつ、飲み始める前に、両者をコラボさせてかき揚げをつくってみることにしよう。かき揚げは天ぷらの中でもハ…
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不格好な作業も報われる!新ジャガで作るとっておきの料理
私の愛読書、カレル・チャペックの「園芸家12カ月」(小松太郎訳、中公文庫)にはカレルの兄のヨセフが描いたユーモラスな挿絵がたくさん収められている。 しゃがみこんで手元で何かしている男。空中に…