芸能界と格闘技界 その深淵
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谷川貞治は特捜部に「タイソン招聘」の件を執拗に聞かれ、後に共犯を疑われていることを知る
時計の針を2002年秋に戻す。 この時期、石井和義がイベントの企画と準備に奔走しながら、東京地検特捜部から週4日の取り調べを受けていたことはすでに述べた。同じ頃、格闘技評論家の谷川貞治の元に…
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石井和義館長が逮捕された2003年2月、「タイソン招聘計画」が突如として蘇った
プロボクシング元統一世界ヘビー級王者のマイク・タイソンは、これまで2度日本で試合をしている。最初は1988年3月21日、完成したばかりの東京ドームでトニー・タッブスと統一世界ヘビー級王座防衛戦(タイ…
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石井和義は「逮捕までいかない」と楽観する声がなかったわけでもないが…
2001年9月3日、マルサ(東京国税局査察部)から強制捜査を受けた石井和義は、その後もたびたび呼び出しを受け、2002年8月28日に、国立競技場で前代未聞の格闘技イベント「Dynamite!」を行っ…
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2003年1月9日、DSE森下直人社長が自殺の“怪…新年の所信表明を述べた8時間後だった
2003年1月9日。午前0時45分ごろ、「ホテルの浴室で男性が首を吊っている」と119番通報が入った。救急隊が駆け付けると男性はすでに死亡していた。通報したのは、男性と一緒にこのホテルに宿泊する予定…
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観衆が見ているのは「K-1」ではなく「猪木祭り」であり「イノキボンバイエ」だった
アントニオ猪木と野村沙知代がビンタの応酬を見せて、会場のさいたまスーパーアリーナが異常に盛り上がると、いよいよ「INOKI BOM-BA-YE2002」メインカードの始まりである。 第6試合…
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アントニオ猪木が叫んだ「ぶっ飛ばしたいやつがいる。野村佐知代、出て来い」
2002年大晦日。さいたまスーパーアリーナの周辺は早くから混雑していた。午後2時には当日券が完売。この時点で前年以上の観客動員が決定的となった。それも、「INOKI BOM-BA-YE2002」プロ…
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石井会長脱税問題でTBSは“K-1色”払拭を決断 大晦日興行PRの適任は猪木しかいなかった
K-1の脱税問題は、これまでK-1を中継してきたテレビ局も対応を迫られた。3月に予定していた「K-1 JAPAN高知大会」において、高知県が体育館の貸し出しを拒否するに至って中止が決定。放映する日本…
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石井和義館長はなぜ東京地検特捜部に狙われたのか
東京地検特捜部。正式名称は「東京地方検察庁特別捜査部」。旧日本軍が隠匿した軍需物資が、政界に流れているという情報を掴んだGHQが、東京地方検察庁に命じて1947年に発足した「隠匿退蔵物資事件捜査部」…
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在宅起訴の一報を聞いた石井和義は群がる報道陣に「たった今、聞いたばかりなもので…」と
東京ドーム史上最多となる7万4500人を動員した「K-1 GRANDPRIX決勝トーナメント」を終えた直後のバックヤードに衝撃が走った。東京地検特捜部が法人税法違反の疑いで、K-1プロデューサーの石…
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石井和義が頂点に君臨する2002年 脱税容疑で東京地検から在宅起訴された
大激闘の末にアーネスト・ホーストを返り討ちにし「K-1 GRANDPRIX決勝トーナメント」準決勝に勝ち進んだボブ・サップだったが、ホースト戦で右の拳を負傷し、トーナメントを棄権。代わりに敗れたホー…
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ホーストとのリマッチで巨人ボブ・サップが崩れ落ちた瞬間…東京ドームは揺れた
2002年10月に行われた初戦において、大方の予想を覆し、ボブ・サップがアーネスト・ホーストをTKOで下すと、2カ月後に早くもリマッチが組まれた。因縁の対決にふさわしく、試合は前回以上の内容となった…
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記録ずくめとなった「サップ対ホースト」の再戦…3万5000円のSRS席は56万円まで高騰
「信じられない。K-1の歴史が変わってしまいましたね。(中略)確実に、K-1はサップ中心に回り始めたんです」(石井和義/2002年10月6日付/スポーツ報知) 1993年のスタート以降、一撃必…
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「2002年に最もブレークした格闘家」ボブ・サップの意外な来歴
「2002年に最もブレークした格闘家は誰か」という議論がもしあったとすれば、関係者の多くは「ボブ・サップ」と答えるだろう。 1973年、アメリカ・コロラド州出身。本名、ロバート・マルコム・ボブ…
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石井和義の脱税報道 格闘技ライターは「俺らの仕事はスキャンダルを追うことじゃない」
「週刊現代」(2002年4月16日号)が報じるまで、石井和義の脱税に関するニュースが一般大衆の耳目に触れることはなかった。 しかし、関係者やマスコミはそうではなかったのは、これまで触れてきた通…
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石井館長は政界の実力者の力を借りて国税をかわそうとしたのではないか
2000年代、筆者はこんな噂を耳にしたことがある。 「石井館長は高級外車を何台も所有して、新高輪プリンスホテルの駐車場にズラリ。マンションもたくさん持っていて土地は国内海外に有数。資産は相当な…
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石井和義の「どちらさまですか?」に「東京国税局査察部の者です」と…マルサである
「Dynamite!」のちょうど1年前の2001年9月3日。都心のホテルのスイートルームで眠っていた石井和義は、午前8時にチャイムの音で目が覚めた。ドアを開けると5人の男が立っていた。 「どちら…
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石井和義は我が世の春を謳歌していた…「館長」の肩書があれば何でもできる
9万人という未曽有の大観衆を集めて、史上初となる国立競技場での格闘技イベントを大成功させたことで、主催者である石井和義の評価は一段と高まった。「格闘技界のトップ」「世界のマスター石井」「芸能界にも顔…
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「元総理の森喜朗さん、文教族のトップでしょう」石井館長はてらいもなく答えた
観客は不入りでイベントの盛り上がりに欠け、テレビの視聴率は健闘したものの目標の数字に届かず、結果的に大失敗に終わった8.8「UFO・LEGEND」に対し、9万1107人(主催者発表)という空前絶後の…
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「猪木のダイブ」「ノゲイラの死闘」…“二人のアントニオ”に対する苛烈な処置
8.8「UFO・LEGEND」の開催責任を問われ、上空3000メートルからダイビングをするはめとなったアントニオ猪木が国立競技場に舞い降りた直後、いわくつきの試合が行われた。3週間前、同じく「UFO…
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「Dynamite!」第5試合後に登場したアントニオ猪木 開口一番「バカヤロー」の真意
国立競技場に9万1107人(主催者発表)の大観衆を集めて行われた「Dynamite!」において、観戦に訪れた人の脳裏に焼き付いて離れないであろう2つの出来事がある。 第5試合“フランスの暴君…