73歳・マンション管理員 哀愁の日々
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「住み込みマンション管理員」を13年間続けた私が最後に伝えたいこと
早いもので、連載開始から、もうすでに9カ月。この連載も最終回を迎える。この連載は、住み込みマンション管理員として生きたわたしたち夫婦の13年の日々の忘れられないエピソードをつづったものだ。 …
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ルールは破ってしまったけれど…あの世にまで持って行ってもらった縫いぐるみ
管理員は原則的に、住民さんからものをもらってはいけないことになっている。住民さんの中には時期が来ると、わたしたちへの感謝の気持ちから、義理堅く付け届けをしてくれるひともいる。だが、管理会社としては、…
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「焼け出されまっせ」事件発生から5年…縫製工場化住居の騒動はドロ沼状態へ
「焼け出されまっせ」という怪電話をわたしが受けてからも、住居を「縫製工場化」してしまった賃借人に対する、近隣住民たちの騒音クレームはあとを絶たなかった。放火も容易な1階に住むわたしたちにとっては、きわ…
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「あんたら、焼け出されまっせ」 管理員室にこんな“恫喝の電話”がかかってきた
住み込み管理員の仕事でつらいのは、夜間の行動が制限されるということだろう。いくら終業後は自由だといっても、職場をほったらかしにはできない。住民さんにとっては、管理員が同じ建物で寝泊まりしているとなれ…
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人工レンズが外れ…「失明」そして「失職」の危機に襲われた!
どんな職種でもそうだろうが、長く安定した収入を得るためには、健康であることが第一だ。マンション管理員の仕事も同様である。だが、1年、2年の契約社員の身だから、大手一流企業の正社員とは違い、健康を害し…
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マンション管理員は手取り20万円弱…でも住居費ナシ、水道代ナシ、電気代ナシ
前回述べたが、給料は減っても勤務時間に恵まれた新天地での暮らしは上々だった。まず日々の解放感が違うのである。というのも、夕方5時以降の労働は、管理員の裁量に任されていたからだ。しかし、悲しいかな、貧…
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サービス残業“無制限”の職場に別れを告げ「手取り20万円弱」の新天地を選んだ理由
「マンション管理員の仕事は大変だろうが、一体その給料はどれくらいか?」 そんな疑問を抱く方は多いかもしれない。結論からいうと、住み込み管理員の月給は通常、2人合わせて額面21万円前後。管理会社…
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公園や広場はマンションとは関係ないのに…なぜ管理員が「自腹」を切らなきゃならないの?
どんなマンションにも、ちょっとした広場や公園がある。その空間は、一般にはマンション管理組合の管理下にあると思われている。だが、その空間はマンションの持ち物ではない。いわゆる「公開空地」として、市や自…
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国家試験「管業」にトライ 家内の挑発にマンマと乗せられお受験
マンション管理員は、物件自体の問題、住民のトラブルなどさまざまなシーンに直面する。「廊下の電灯が消えた」「上の階がうるさい」「ゴミ集積場に回収不可のゴミがあった」「怪しげな女性が出入り」……。ありと…
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国家資格の「管業」合格を目指し、還暦すぎての「浪人生活」が始まった
マンション管理員になりたての頃、独立系の物件を担当していた。そのときは管理業務のなんたるかを知らず苦労をした。その後、大手商社系の管理会社に移れたおかげで、いい面接官や管理員指導員に巡り合えた。そこ…
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車から自転車に乗り換える高齢住人 マンション管理員が悩まされた駐輪場問題
マンションの駐輪場に乱雑に積み上げられた自転車の山。その山を前にして、呆然としている自分……。わたしは、そんな夢でうなされ、目を覚ますことがある。駐輪場問題に苦労しているマンション管理組合、そして管…
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「名管理員」とは何か? 助さん、格さんもいない、葵の御紋の印籠もないけれど…
先日のこと。突然、耳に違和感を覚えた。昔、患ったことのある中耳炎に違いない。すぐに、近所の耳鼻科を受診した。「中耳炎になったようで」と告げると、医者は憮然として言った。 「病名は私が決めます」…
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常識が通じないモンスター住民も「大家さん」と聞いて“青菜に塩”状態に
マンション管理員にとって、折に触れて自分勝手で理不尽な主張を突き付ける、いわゆるモンスター住民は悩みの種だ。車高制限のある立体駐車場。間違って入庫して、立体駐車場を故障させてしまったモンスター住民。…
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マンション管理人を「何でも屋」と勘違い? 逆切れするモンスター住民の実態
米メジャーリーグの試合をテレビ観戦しているとわかるが、審判は絶対的な力を持っている。明らかな誤審のシーンでも、多くの審判は「なんか文句あんのか?」という態度。選手が不服を唱えれば、すぐに「退場」を宣…
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24時間対応は当然の身…「時間外」や「権利」なんて口が裂けても言えません
マンション管理会社はほぼ毎月、定期的に自社が管理するマンションの管理員を集めて、定例の講習会を開く。そのあとは食事をしながらの懇親会となるのだが、宴もたけなわになると「管理員仲間」の話題のほとんどが…
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フロントマンの「臨機応変な対応」の指示は「責任はオレがとる」とセットでなければ…
「ベンチがアホやから」 かつて、プロ野球の投手がそんな言葉を吐いた。所属チームの監督、コーチの無能ぶりに「やってられない」と業を煮やしての発言だった。これは一般社会でも言えることで、とくに会社…
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感謝の印の3万円に1万円の利子がついて戻ってきた? “地味仕事”の現場で心の交換
コロナ禍といわれて久しく、2年ほどで終息するかと思えばまだ続いている。 そのコロナつながりの話なのだが、誤算と言えば誤算な「望外なできごと」があった。それは当市の地域版に出ていた、マンション…
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「上司を呼び捨てにできる会社に行かはったら?」フロントマンのこの言葉に耳を疑った
テレビを見ていたら、50歳の女性タレントが、亡くなった母親について、終始「お母さんが、お母さんが」と語っていた。彼女の母親に対する思いにケチをつけるつもりはないが、なぜ「母が……」と言えないのか、ち…
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清掃員が口にした勤務時間内の「こっちの都合もある」って何だ?
以前にも紹介したが、わたしたち夫婦が出会った清掃員さんは、なんだか妙に虫に不思議な縁があった。木村さんもそうだった。男にも勝る体躯をしていたにもかかわらず、手すりの上にアゲハチョウの幼虫がいるのでど…
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「部下」にとっての「良き上司」は出世とは無縁? ゴキブリが卵を産みつけた防寒服エピ
マンション管理員は「通い」と「住み込み」に大別される。どちらもマンション管理会社に雇われている。わたしたちのような住み込み管理員は、いわば「社宅もどき」に住む平社員なのだ。 管理員の直属の「…