タイトルが“すごい”本特集

公開日: 更新日:

 そこでわかったのは、ティラノサウルスの嗅覚が恐竜(獣脚類)の中でも特に優れていたという事実。嗅覚をつかさどる脳の「嗅球」という部位が大きく、視覚を上回る嗅覚で、物陰や夜闇に隠れる獲物を捕らえることができたのではないかという。

 映画の中のティラノサウルスは「動かない獲物には反応できない」と描かれてきたが、この嗅球の研究によって、概念が覆されたといえる。

 また、ティラノサウルスの噛む力を再現した研究では、3万5000ニュートン(ワニの約9倍)と、とてつもない数値がはじき出された。技術革新によって、ティラノサウルスのハンティング能力のすさまじさがより明らかになったのだ。

 一方、もう少し親近感を覚える研究結果もある。(どっこいしょと)腰を下ろして休息していた、トリケラトプスのネック(焼き鳥でいえばせせり?)が好物だったなど、ティラノサウルスの日常を想像させてくれる仮説も楽しい。

 実際にティラノサウルスの全身復元骨格に会える場所(国立科学博物館など日本全国で10カ所)や、おすすめの恐竜図鑑なども紹介している。著者と研究者の「恐竜愛のすごさ」がひしひしと伝わってくる本だ。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ