ビジネスの武器編
「最高知『古典』に学ぶ、成功の戦略」江上剛著
経済のグローバル化によってますます競争激化の様相を呈しているが、厳しい状況の中で勝ち抜いていくためには、自分の価値や目標を見定め、磨き、貪欲に学ぶ姿勢が必要だ。そこで今回は、仕事の極意を古典から学ぶビジネス書や、生きた教養として話題のリベラルアーツなど、ビジネスシーンで戦いに挑むための武器となる4冊を紹介しよう。
「君命に受けざる所あり」。これは中国の兵法書「孫子」の言葉だ。戦いの場では臨機応変な対応が不可欠で、君主の命令を聞くだけでは混乱に陥ることもあるということだが、これは現代人の戦いの場であるビジネスシーンにも通じるものだ。
例えば、福島第1原発の事故の際、故・吉田昌郎所長は東京本社の注水中止命令に反して注水を続け、これによって原子炉の爆発を防ぐことができたといわれている。この判断もまさに「君命に受けざる所あり」だ。
また、JALの大西賢会長は、再建に至る過程で「とにかく現場に足を運んだ」と語っている。現場を知らなければ実態は見えず、これを怠るビジネスパーソンは部下を混乱に陥らせる独り善がりな舵取りをしてしまうだろう。