「へんてこな生き物」川端裕人著
著者が世界各地を旅する中で出合った不思議な生き物たちの生態を紹介するビジュアル新書。
西オーストラリア南西部のごく限られた地域だけに生息するハニーポッサムは花の蜜を吸い花粉しか食べない有袋類。体長4センチ、体重10グラムと小柄でクチバシのような細長い口をしている。オスのお腹には面積の3分の1を占めようかという巨大な睾丸がはりつき、精子の大きさが哺乳類の中で最大級なのに対し、生まれてくる子供はわずか1グラムの200分の1の5ミリグラムという超未熟児。母親の袋の中で8週間かけて外に出られるほどに成長する。この極端なサイズ戦略がどのように繁殖に役立っているのかはまだ分かっていないという。
他にも日本のオオサンショウウオなど約50種の生き物の不思議を紹介。
(中央公論新社 1320円)