「安楽死が合法の国で起こっていること」児玉真美著

公開日: 更新日:

「安楽死が合法の国で起こっていること」児玉真美著

 2001年にオランダが世界で初めて積極的安楽死を合法化して以来、その波は世界中に広がり、現在、国や州など22カ所が安楽死と医師幇助(ほうじょ)自殺を導入。安楽死を選択する人も年々、増加傾向にある。日本でも合法化を求める声が上がる中、安楽死先進国の実情を紹介しながら、制度の問題点を指摘するリポート。

 当初は、安楽死の対象者は終末期の人だけだったが、今ではその適用範囲は障害者などにも拡大。年齢制限も撤廃され、子どもの安楽死も容認される傾向にある。

 そうした各国の事例を紹介しながら、本来は意思決定能力のある本人の自由な意思決定によって選択がなされなければならない安楽死が、社会のための命の選別と切り捨てへと変質し始めているのではないかと警鐘を鳴らす。

(筑摩書房 1034円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  3. 3

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  4. 4

    高市政権大ピンチ! 林芳正総務相の「政治とカネ」疑惑が拡大…ナゾの「ポスター維持管理費」が新たな火種に

  5. 5

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  1. 6

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 7

    沢口靖子vs天海祐希「アラ還女優」対決…米倉涼子“失脚”でテレ朝が選ぶのは? 

  3. 8

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  4. 9

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  5. 10

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち