「安楽死で死なせて下さい」橋田壽賀子著
国民的ドラマ「おしん」や「渡る世間は鬼ばかり」で知られる人気脚本家による往生論。
自分が死ぬなど考えたこともなかったが、90歳になって仕事も減り、他に考えることもなくなったら、死を意識するようになったという。92歳の今は、生きていても、もう人の役に立たないから、安楽死が可能なら今すぐ、死にたいとまでいう。夫も先立ち、子供もなく、天涯孤独の身だから、生きていて欲しいと望んでくれる人もいない。ただ、他人に面倒はかけたくないから、死に方とその時期の選択ぐらい自分でしたいと願う。
自分の人生を振り返りながら、こうした考えに至った経緯を記し、自分の死に方を自分で選べる社会の実現を提唱する。
(文藝春秋 800円+税)