藤圭子「女のブルース」を歌い継ぐ一条聖矢「訃報は録音翌日」
そこから7年間、錦野の付き人、前座歌手などを務めた。前述のデビュー曲「過ぎた日々に」は錦野からもらった歌である。以来15年、持ち歌も9曲出している。しかし「見かけがこんなですから、生意気に見えちゃうのか、怖く見えちゃうのか」(本人)なかなか受け入れてもらえなかったという。
それはさておき、藤圭子だ。どういう経緯で歌うことになったのか。
「昨年秋、藤さんの“育ての親”で作詞家の石坂まさを先生とお会いする機会があり、お話ししていたところ、<女のブルースは一条君に合うと思う>という話になったのです。ありがたいお話なので<すぐにも>と思いましたが、その矢先に石坂先生が亡くなり(今年3月)、一時中断となってしまいました。それが再開となったのは今年の5月ごろ。各方面の承諾を頂き、実際に音どりを始めたのが7月。ようやくレコーディングが終わり、“さあ、これから”という時にあのニュースですから、本当に驚きました」
最新の有線チャートによると、「女のブルース」は10位に急上昇中。今はこの歌を大ヒットさせることが、石坂、藤に対する恩返しと思っているという。