生い立ちから引退まで…宇多田ヒカルが知らない「藤圭子28歳」の素顔
<前川清との結婚、引退の真相…>
「二十八歳のときの藤圭子がどのように考え、どのような決断をしたのか。もしこの『流星ひとつ』を読むことがあったら、宇多田ヒカルは初めての藤圭子に出会うことができるかもしれない……。」
作家の沢木耕太郎氏が、8月に自殺した藤圭子(享年62)へのロングインタビューで構成した長編ノンフィクション「流星ひとつ」を緊急出版。その赤裸々かつ衝撃的な内容が話題になっている。
インタビューは1979年。藤は芸能界引退を発表した直後の28歳。沢木氏は31歳。ホテルニューオータニのバーを舞台に会話だけで構成されたこの本で藤は、自身の生い立ち、親子3人で錦糸町や浅草で流しをしながら日銭を稼いだ貧しき日々、下宿の2階からロープで脱出してまでデートした前川清との結婚と離婚。そして「あたしの、歌の、命まで切り取ることになっちゃったんだ」と、喉の手術が決定的な理由となり芸能界引退を決意したことまで、時に冗舌に、時に押し黙ったり、考え込んだりしながらも率直に語っている。