「エクソシスト」 飲み会でファック・ミー!と叫んだあの時代
奇怪な行動を取る人を見て「悪魔に乗っ取られた」と考える風習は古今東西に存在する。現代の日本でも「狐が取りついた」と殴り殺してしまう事件が起きている。だが今日ではこうした現象は「抗NMDA受容体脳炎」という脳の病気によるものと解明されている。日本では年に1500人が発症しているそうだ。
ただ、本作はオカルト映画だから悪魔が犯人。カラス神父のもうひとつの顔を精神科医に設定しているのは医学では歯が立たない悪魔の所業を強調するためでもあるだろう。
神父は命がけで悪霊退散。解放されたリーガンは聖職者の頬にキスをする。L・ブレアの可愛さと相まって心に残るラストシーンだ。
(森田健司)