T2 トレインスポッティング(2017年 英国)
1996年公開の「トレインスポッティング」で、仲間を裏切り大金をネコババして故郷を捨てたレントン(ユアン・マクレガー)が、再び故郷に戻る。青春映画の続編は、大人になりきれない大人の騒動を描く。
ヘロイン中毒で家族や職に見放され自殺を図った親友を救うと、2人は野山をジョギングしながら語り合う。その際、親友に投げた言葉だ。
「何かしなくちゃ」と思いつつもダラダラと年を重ねる大人たちの姿に、「こんなヤツいるよな」と気軽に楽しめる。「スラムドッグ$ミリオネア」でアカデミー監督賞を手にしたダニー・ボイルは前作同様、イギー・ポップやアンダーワールドなどUKポップで軽さを演出し、都会的な映像が続く。それがカッコよく、マジでご機嫌な気分になって癒やされる。
誰しも若くありたいと思っていても、年だからとあきらめてしまう。そんな後悔を吹き飛ばすバカ騒ぎの連続だ。
仲間のなかで一番ダメだと思われていた男が、女友達の説得で自分たちのことを小説にする。
ラスト、出来上がった原稿を出版社に持ち込むと、編集者から「タイトルは何にするの?」と尋ねられ、小説が採用されるところが面白い。前作の話の流れは、その小説だったのかもしれない。
異色の青春ドラマは、前作と続けて見るのがお薦めだ。